META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団翔龍」・《芝居「帰ってきた兄弟」》
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2023-09-23

劇団素描・「劇団翔龍」・《芝居「帰ってきた兄弟」》

【劇団翔龍】(座長・春川ふじお)〈平成21年1月公演・川越三光ホテル小江戸座〉                                                                         芝居の外題は「帰ってきた兄弟」。落ちぶれた一家の親分A(中村英次郎)の家に、近頃では飛ぶ鳥を落とす勢いの、新興一家・親分B(大月瑠也)がやって来て、「縄張りをゆずれ」と強要する。親分A「とんでもねえ、オレには昔、里子に出した息子がいるんだ、縄張りはその子に譲る」親分B「寝言をほざくな。暮れ六まで待ってやる。そのときまでよくかんがえておくんだな」。このAとBの抗争が筋書の中心と思いきや、話の眼目は別の所にあった。やがて、親分Aが里子に出していた息子(藤川雷矢)が「男修行」を終えて帰宅、跡目をつごう、ということに。そのためには女房役が必要、「決めた人でもあるか?」とたずねるAに、息子は「ない」と答える。「ではどうだ、わしが見つけておいた娘に会ってみないか。ひと目見て気に入ったらそう言ってくれ。添わせてやる。ただし、一度気に入ったら、断ることはできない、どうだ・・・?会うか?」「どんな娘?」「たいそう無口で、おとなしい娘だ」「そうか、会う、会う、会わせてくれ」「よし!」ということで娘1(水木菜々実)登場。容姿端麗、視線を合わせると「黙って会釈」した。息子いっぺんで気に入り「親父さん、よろしくお頼み申します」「そうか、そうか、それでは決まり、めでたいことだ。じゃあ、二人で仲睦まじいところを見せてくれ」、「よしきた」息子、欣然として娘に近寄った途端、「ア!・・・アアアア・・・ア?」という声と仕草、ナンノコッチャ?、息子、驚愕して飛び退き、Aに「親父さん、あの娘、口がきけないんか?」A、大きく肯き「そういうことだ」息子、「そんな馬鹿な!、どうしてそれを早く言ってくれなかったんだ」「言っただろう。無口でおとなしい娘だって」「無口すぎるよ!」息子、抵抗したが「いやなら勘当だ!」というAの決意に押されてやむなく同意。そこへ、もう一人の息子(春川ふじお)登場。先刻の息子の兄だという。Aとのやりとりは弟の時と同様、わしが見つけておいた娘に会ってみないか、兄「どんな娘?」A「少々、跳ねっ返りなところがある」兄「跳ねっ返り?いいね、いいね、跳ねっ返りな娘は大好きだ!」「じゃあ、会ってみるか」「おねげえします」かくて、娘2(澤村うさぎ)登場。容姿端麗、視線を合わせると、ニッコリ微笑んで「よろしくお願いします」。兄もまたっぺんで気に入り「親父さん、よろしくお頼み申します」「そうか、そうか、それでは決まり、めでたいことだ。じゃあ、二人で仲睦まじいところを見せてくれ」「よしきた」兄、欣然として娘2の手を取り、歩き出した瞬間、「山が見えたり、隠れたり・・・」、娘2の歩調は大ききバランスを欠いて(跛行)いたのだ。兄の反応も弟同様、「どうしてそれを早く言ってくれなかったんだ」「言っただろう、少々、跳ねっ返りなところがあるって」「足が跳ねっ返るとは思わなかった・・・」兄も抵抗したが、Aの「いやなら勘当だ!」で、やむなく同意。やがて、時は暮れ六つ、新興一家・親分Bがやって来た。縄張りをよこせ、やらぬとお決まりの押し問答、帰ってきた兄弟の活躍で、親分B、その子分は全滅・・・。めでたし、めでたしで終わろうとするところ、兄弟は合議する。「お前の女房候補は、無口だって?」「兄貴の女房候補は、跳ねっ返りだって?」「そっちの方がいい」「とりかえっこしないか?」「いいね、いいね」と合意が成立。親分A、娘1・2も同意して、縁談成立。兄「まずお前から、仲睦まじいところを、親父さんに見せてやれ」とそそのかす。弟、何も知らずに「よしきた!」と、娘2の手を取り歩き出す。さぞかし驚くだろうと思いきや、何の障りもない、歩く姿は「百合の花」の態、呆気にとられる兄の様子が何とも可笑しい。続いて弟、「じゃあ、兄貴、あの娘にあいさつしてくんな」「いいとも・・・、どうぞよろしくお願いいたします」娘1、鈴を鳴らすような声で「こちらこそ、よろしくお願いいたします」と応えたのに、弟もたまげた。兄弟、思わずAに向かって、「親父さん、これは一体どういうことだ?!」と抗議するが、反対に「人を見かけで判断するなんて言語道断!」と一喝されるた。兄弟、おのれの浅はかさを悔い改め、再び娘を交換、「元のさやに治まろうとしたが」、今度は娘も黙っていない。「掃除・洗濯・炊事・子育て」すべて賄うなら「お嫁さんになってやってもいいわよ!」、兄弟、敢えなく尻に敷かれて「幕」・・・、という経緯であった。「人を見かけで判断してはいけない」という眼目はよく理解できる。しかし、その「見かけ」が実は「見せかけ」に過ぎなかったという筋書では、説得力に欠けるのではないだろうか。「鹿島順一劇団」十八番の「浜松情話」でも、跛行する娘が登場するが、その娘を見初めた若親分は、跛行そのものを「慈しみ見つめながら」、娘の父に向かって「必要なら、私が杖になりましょう」と言い放つのである。眼目は一つ「人を見かけで判断してはいけない」だが、その感性の質において「帰ってきた兄弟」と「浜松情話」の間には「大きな隔たり」がるように、私は感じる。
帰ってきたツバメの兄弟帰ってきたツバメの兄弟
(2007/10/25)
山崎 鈴佳

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