META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 藤間智太郎劇団
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2024-01-20

劇団素描・「藤間智太郎劇団」・《相舞踊「お島千太郎」の名舞台》

【藤間智太郎劇団】(座長・藤間智太郎)〈平成26年9月公演・島田蓬莱座〉
今日はシルバーウィークの2日目、さだめし充実した舞台が展開されるだろうと期待して来場したのだが・・・。芝居の演目は「長崎物語」?、「大人の童話」?、「源吉渡し」?、しかし残念にも、演じられたのは平凡な任侠芝居であった。対立する一家同士の男・女(座長・藤間智太郎と藤間あおい)は幼友達、久しぶりに神社の境内で再会、一言二言、会話を交わしたが、その様子を見咎めた女の身内(藤間歩)が、女の亭主(橘夫美若)に告げ口する。「兄貴のおかみさんは間男しております。相手は○○一家の、○○○」。亭主、激高して男の成敗に向かったが、もののはずみで「返り討ち」。かくて女は、「亭主の仇」と男を追いかけるという筋書きだが、すべては女に横恋慕する身内の「奸計」に因る結果・・・。つまるところ、中学3年生の息子(藤間歩)が、母親(藤間あおい)に横恋慕、他人(橘夫美若)を使って、父親(藤間智太郎)への仇討ちをけしかけるという舞台裏の人間模様が仄見えて、どこか「無理」があった。とはいえ、「佐吉子守唄」の名舞台では、同様の役回りを見事にこなしていたのだから、今ひとつ、「気が入らなかった」のは何故?。もしかして、祖父・藤間新太郎、従兄弟・藤こうたの欠場が響いたか・・・。いずれにせよ、舞台は水物、こんな日もあるのが「大衆演劇」なのだろう。それかあらぬか、芝居の外題が何であったか、一向に思い出せない。一方、舞踊ショーの舞台は見応えがあった。藤間歩の「女形」は天下一品、姿・形の「美しさ」は見飽きることはない。加えて、圧巻は松竹町子と藤間あおいの相舞踊「お島千太郎」(唄・美空ひばり)、たった3分間の舞台であったが、1時間の芝居以上に「感動的」であった。「花は咲いても他国の春は どこか淋しい山や川 旅の役者と流れる雲は 風の吹きよで泣けもする 渡り鳥さえ一緒に飛べる 連れがなければ辛かろに 口でけなして心でほめて お島千太郎旅すがた 人の心と草鞋の紐は 解くも結ぶも胸次第 苦労分けあう旅空夜空 月も見とれる夫婦笠」(詞・石本美由紀、曲・古賀政男)という名曲に込められた「山や川」「流れる雲」「旅空夜空」の「月」の景色が、二人の舞姿を通して、まざまざと浮かんでくる。また、文字通り、旅の役者の淋しさ、辛さ、苦労を分けあう夫婦の心情も綯い交ぜにされて、筆舌に尽くしがたい風情であった。どこまでも清々しく、それでいて色香ただようお島、彼女に優しく寄り添い、しっかりと手を握る千太郎の(どこか淋しげな)表情は浮世絵のように鮮やかであった。この姑にしてこの嫁あり、そのたしかな絆に励まされて、私もまた「旅空夜空」の余生を重ねる他はないことを実感、思わず落涙した次第である。
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2024-01-18

幕間閑話・「藤間劇団」の《魅力》

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私が初めて「藤間劇団」(座長・藤間智太郎)の舞台を見聞したのは、1年半前(平成22年5月)、大阪梅南座、芝居の外題は「源吉渡し」。観客数は20人程であったが、何とも味わい深い舞台模様で、文字通り「極上の逸品」、ぜひ(この劇団の舞台を)「見極めたい」と思いつつ劇場を後にしたのであった。以来、機会に恵まれなかったが、このたび幸運にも、関東(佐倉湯ぱらだいす)での1ヶ月公演が実現、思う存分、その名舞台を堪能できた次第である。見聞した芝居は、件の「源吉渡し」を筆頭に、「天竜筏流し」「佐吉子守唄」「伊太郎笠」「稲葉小僧新吉」「白磯情話」などの時代劇、「羽衣情話」「長崎物語」「大人の童話」「大阪ぎらい物語」などの現代劇 、いずれも、眼目は「親子」「兄弟」「隣人」同士の(人情味あふれる)「人間模様」の描出にあると思われるが、それらが見事に結実化した舞台の連続で、大いに満足させていただいた。座員の面々は、責任者の初代藤間新太郎、令夫人の松竹町子、息子の座長・藤間智太郎、嫁(?)の藤間あおい、孫の三代目藤間あゆむ、といったファミリーに加えて、女優・星空ひかる、藤くるみ、若手・藤こうた、客演の橘文若が参加する。初代藤間新太郎の芸風は、一見「木石」の態を装いながら、内に秘めた「温情」「洒脱」「侠気」がじわじわと滲み出てくるという按配で、誠に魅力的である。特に、その「立ち居」は錦絵の様、口跡は、あくまでも「清純」で、聞き心地よく、斯界屈指の名優であることは間違いない。続いて、松竹町子。「達者」という言葉は、彼女のためにあるようだ。爺や、仇役、侠客、遊び人、商人などの「立ち役」はもとより、女将、鳥追い女、芸者などの(艶やかな)「女形」から、その他大勢の「斬られ役」に至るまで、何でもござれ、といった芸風で、文字通り「全身全霊」の演技を展開する。それを見事に継承しているのが藤間あおい。やや大柄な風貌を利しての「立ち役」(仇役)から、乳飲み子を抱く女房役、可憐な娘役まで「達者に」こなす。その凜として、清楚な景色は「絵に描いたように」魅力的である。さて、座長の藤間智太郎、当年とって33歳との由、「形を崩さずに」誠心誠意、舞台に取り組む姿勢が立派である。
旅鴉、盗賊、罪人、板前、漁師、阿呆役などなど、これまた「達者に」演じ分ける。加えて、「長崎物語」のお春(母親)役、「白磯情話」の銀次(女装)役はお見事!、どこか三枚目の空気も漂って、出色の出来映えであった、と私は思う。以上四人の「達人」に、三代目藤間あゆむの初々しさ、橘文若の「個性」、星空ひかるの「女っぽさ」が加わるのだから、舞台模様は充実するばかりであろう。さらに言えば、新人(?)藤くるみ、藤こうたの「存在」も見逃せない。芝居では、ほんのちょい役、舞踊ショーでも組舞踊に登場する程度だが、精一杯、全力で舞台に取り組もうとする「気迫」(表情・所作)が素晴らしい。その姿が、他の役者を活かしているのである。今はまだ修行中(?)、しかし、この劇団にいるかぎり(努力精進を重ねる限り)、「出番はきっと来る」ことを、私は信じて疑わない。「藤間劇団」の魅力は、何といっても「誠心誠意」、いつでも、どこでも「決して手を抜かない」(油断しない)、(座員の)集中力・結集力にあるのではないだろうか。舞台には、つねに役者相互の(立ち回りのような)「緊迫感」が漂っている。「阿吽の呼吸」と言おうか、「切磋琢磨」と言おうか、「しのぎを削る」と言おうか・・・。今月の関東公演、初めての劇場お目見えとあって、観客数は毎回「数十人」ほどであったかもしれない。時には「十数人」のこともあった。にもかかわらず、舞台の景色は「極上」の「超一級品」、私が最も敬愛する「鹿島順一劇団」、芝居巧者の「三河家桃太郎劇団」「劇団京弥」、成長著しい「劇団天華」らに匹敵する輝きを感じたのであった。また、舞踊ショーの途中で行われる座長の口上も聞き逃せない。毎度毎度紹介(宣伝)するのは、次月(「南條隆とスーパー兄弟」)、次次月(「宝海劇団」)に来演する劇団のことばかり、千秋楽前日には、「来月の劇団は、遠く九州からやって来ます。チラッと耳にした話では、初日の公演は、夜の部からになるかもしれないと言うことです。どうか、フロントで確かめてから御来場下さい」という念の入りようで、まず自分のことより「仲間うち(当劇場、他の劇団)を大切にする」誠実さ(爽やかさ)に、私は深い感銘を受けた次第である。今後ますますの活躍、発展を祈りたい。(2011.11.29)



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2024-01-09

劇団素描・「藤間劇団」・《芝居「長崎物語」は、大衆演劇の「真髄」》

【藤間劇団】(座長・藤間智太郎)〈平成23年11月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
相変わらず、この劇場の客席は閑散としている。土曜日の昼だというのに観客数は20人弱・・・。夜の部ともなれば10人以下になることもしばしばだとか。この前などは、開演時刻になっても4人しかいない。急遽、芝居はとりやめ、舞踊ショーだけになってしまった。観客(常連)の多くは、「原因は、劇場の方にある」と思っている。要するに、劇場が「客を集める努力をしていないからだ」ということ、事実、今日も私が入場券をフロントで手渡そうとしたとき、従業員の女性は「電話をかけながら」ロッカーキーを差し出す始末で、「いらっしゃいませ」の一言もなかった。加えて、そのロッカーキーは「女性用」ときている。なるほど、常連客が怒るのも、もっともな話である。にもかかわらず、舞台の上は別世界、今日もまた「藤間劇団」極上の芝居を二つ、(幸運にも)堪能できたのである。昼の部の外題は「馬喰一代」。馬市で自分の育てた馬が三十両で売れた馬喰(座長・藤間智太郎)から、土地の親分(初代藤間新太郎)が、その売上金ばかりか恋女房(藤間あおい)までも騙し取るというお話。その方法は、常道のイカサマ博打、壷を振ったのが馬喰の親友(橘文若)という設定で、この四人の「絡み」は絶妙の呼吸で、寸分の隙もない見事な舞台模様であった。圧巻は、初代藤間新太郎の「悪役」振り、「御祝儀博打」と言いながら、はじめは五両、次は二十五両、最後は女房まで奪い取ろうとする、その手口の鮮やかさ(あくどさ)はお見事、さすがは初代、永年の舞台経験で鍛え上げた風格、貫禄に、私は惚れ惚れとしてしまった。さればこそ、馬喰の軽率さ、親友の悔恨、恋女房の哀れさが、いっそう際立つのである。役者の台詞回しではなく、表情、所作、絡みだけで「悲劇」を描出する、極上の芝居に仕上がっていた、と私は思う。夜の部の外題は「長崎物語」。幕が上がると、けたたましい女の悲鳴、札付きのワル、上海の虎(藤間あおい)が、長襦袢姿の娘(藤間くるみ)を拉致しようと追いかけてきた。助けに入ったのが着流しの遊び人(松竹町子)。「いったいこの娘さんをどうしようとするんです」「上海に売り飛ばすんだ!」「へええ、この娘(と、まじまじと顔を見つめながら)、売れるんですか」「若けりゃあ売れるんだよ、顔は少々不細工でも」といったやり取りがなんとも面白かった。遊び人、娘をかばって立ち回ったが、多勢に無勢、虎の仲間に絡めとられ、海に投げ込まれてしまった。そこに表われたのが朴歯を履いた書生(藤間あゆむ)、「待ちたまえ、その娘さんをどうするのだ」虎「いろんな奴が出てきやがる。娘は上海に売り飛ばすんだ」「人身売買は法律で禁止されている。やめたまえ」「・・・何?」などという絡みも魅力的、同様に立ち回りとなったが、今度は書生が優勢、虎、ピストルを持ち出したが、それを奪い取ると娘を連れて花道へ、振り向きざまに一発発射、虎はあえなく崩れ落ちた。虎を演じた藤間あおい、姑(?)松竹町子同様に、「立ち役」を、なんなりとこなす。娘役、女房役、老け役、「立ち役」二枚目、敵役、何でもござれの名優である。札付きのワル・虎においても、その歯切れのよい風情がたいそう魅力的であった。舞台は替わって、ここは長崎の料亭「海賊亭」。件の書生、娘を連れてやってくる。「ただいま、お母さん、今、帰りました」。出てきたのは女主人・お春(座長・藤間智太郎)。座長の女形姿を芝居で観るのは初めてであったが、今日の役どころにはピッタリで、たちまち、その艶姿に魅せられてしまった。聞けば、娘の窮地を救った由、「いいことをしなすった。このお菓子をたべて、一休みしなさい」「ありがとう。おかあさんの手作りですね」「ちがうわよ、コンビニで買ったのよ」という絡みが笑いを誘う。「おかあさん、この娘さんに着物を貸してあげてください」「いいわよ」「おかあさん、地味でない着物がありますか」「まあ、失礼な、なんなら花魁の衣装、出してきましょうか」などと言いながら一同退場。やってきたのが、鳥打帽の警吏(橘文若)、どうやら海賊亭の常連らしい。「ごめんください、お春さん」出てきたお春「まあ、タチバナサン!まだお店は開いていませんよ」「いえ、今日は違うんです。息子さんに聞きたいことがあってきました。メリケン波止場で殺人があり、息子さんが逃げていったという話があるんです」「あらそうですか、息子はまだ帰っていませんよ」。入れ替わりにやってきたのが、どこかの女中頭(星空ひかる)、「大蔵卿・種島某(初代藤間新太郎)の使いで来ました。大蔵卿が息子さんに会いたい由・・・」。実を言えば、件の書生はお春の「拾い子」、大蔵卿が妾腹の実子であったのだ。お春「今さら、そんな話は聞けません」と追い返すが、よく考えれば、息子は殺人犯、書生に真相を明かした上、「お父様に助けてもらいなさい」と因果を含める。書生は泣く泣く大蔵卿のもとへ参上、「親子名乗り」を果たしたが、そこへやってきたのが警吏、「息子さんを殺人容疑で逮捕します」。書生「お父さん、助けてください」と縋ったが、大蔵卿、冷淡にも「人殺しの息子など、見たくもない。さっさと連れて行け」さっき「親子名乗り」で抱き閉めてくれた父親が、手のひらを返すような仕打ちに書生は激昂したが、万事休す、あわれな曳かれ身となった。大詰めは、メリケン波止場、書生を見送るお春と娘、「お母さん、罪を償って帰ってきたら、家に入れてくれますか」「もちろんですとも、私は育ての親、あんな薄情なお父さんとは違います」などと言葉を交わしているところに、序幕の遊び人、ふらりと登場する。「警吏さん、その書生さんは犯人じゃあありませんぜ」「・・・?、では、だれが犯人だというのか」「あっしですよ。上海の虎の傷を見ましたか?たしか、背中にあったはずですよ。あっしが海から這い上がり、後ろから撃ったんだ」一同は唖然、収まらないのはお春、「いいかげんにしないか、タチバナサン!」といって警吏を突き飛ばす。その様子は痛快の極致、わずか二十人弱だが観客の拍手は鳴り止まなかった。警吏に手錠をはめられながら遊び人曰く、「タチバナサン、手錠をはめるの慣れていませんね。いつもはめられる方だから・・・」という「落ち」も添えられて、めでたしめでたし、極上の舞台は大団円を迎えたのであった。この芝居、座長・藤間智太郎のお春を筆頭に、上海の虎の藤間あおい、遊び人の松竹町子、書生の藤間あゆむ、大蔵卿の初代藤間新太郎、女中の星空ひかる、娘の藤くるみ、虎の部下・藤こうたに至るまで(主役から端役まで)、全員が文字通り「適材適所」、オールスターで輝いていた。まさに「極上」の芝居が、人知れず、閑散とした劇場の中で展開されている。それが「大衆演劇」の宿命(真髄)なのかもしれない、と思いつつ、季節外れの驟雨の中帰路についた次第である。
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2024-01-07

劇団素描・「藤間劇団」・《芝居「大人の童話」の名舞台》

【藤間劇団】(座長・藤間智太郎)〈平成23年11月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
昨日は休前日だというのに、夜の部の公演は「観客不足」(観客は私一人)のため中止となった。いわば「幻の舞台」になってしまったわけだが、今日は、ぜひともその「幻の舞台」を観たいという思いでやって来た。昨日、昼の部、劇団極め付き「源吉渡し」の舞台を見聞できたことは、望外の幸せであった。その舞台模様は、昨年5月・大阪梅南座と同様に、斯界屈指の出来映えであった、と私は思う。にもかかわらず、それを見聞した観客はわずか十人余り、加えて、夜の部公演が中止とあっては、ここ「佐倉の地」の文化程度(の低さ?高さ?)を嘆くしかない。千葉県民、佐倉市民には、この劇団の(舞台の)素晴らしさを感受する鑑賞眼が「致命的に」不足しているのである。まあ、そんなことはどうでもよい。今日の芝居、外題は「大人の童話」、なるほど、私の予感どおり「幻の舞台」に匹敵する「超一級品」の舞台模様であった。幕が上がると、そこは、ある居酒屋の店内、女将・おしま(藤間あおい)が、父(初代藤間新太郎)と息子金一(三代目藤間あゆむ)の帰りを待っている。「二人ともどこに行ったんだろう?早く帰ればいいのに・・・」など言ううちに、やがて二人が帰ってきた。「おじいちゃん、バットとグローブ買ってよ」「そのうちに買ってやるよ」、おしまの父(金一の祖父)曰く「運動具店まで行ったが、バットとグローブで4800円だって、わしの懐には2000円しかなかった、ずいぶんと物価が上がったもんだ。ところで福三さん(おしまの夫)はどこへ行った?」おしま応えて、「トンカツ屋の小泉さんの所へ行ったわ、いつもの通り、夫婦げんかの仲裁よ」。そこに慌ただしく飛び込んできたのが旧知のお米(星空ひかる・好演)。「大変、大変!滝沢さんが倒れて危篤状態だって・・・。奥様の話だと、おしまさんと金坊に一目会いたいんだそうよ」思わず顔を見合わせるおしまと父・・・。実を言えば、おしまは滝沢という御大尽の元妾、息子の金一はその御落胤だったのである。その真相を知っているのは、おしまとその父、お米夫婦というところか。おしまはすぐにでも駆けつけたい素振り、はじめは渋っていた父も「これが最後だ。福三さんを一生愛し続けると約束できるなら、一人で死に水をとってこい」と許した。お米、「善は急げ」とタクシーを呼びに出て行った「でも、福三さんに何と言い訳しよう?」「お米さんとコンコン様参りに行ったとでも言えばよい」ヨシキタと、おしま、外出の衣装に着替えて出てきたが、間の悪いことに夫の福三(座長・藤間智太郎)が、トンカツ屋の小泉(橘文若)を連れて帰ってきた。おしま、平静を装って「お前さん、どうだった?」「どうもこうもない、いつものことさ。なあ、小泉さん」小泉曰く「皆さん、聞いてくださいよ。私と家内が歩いていると、家内のやつ、男をつかまえて話し出した。聞けば、学校時代のクラスメートだって言うんです。許せますか?」「小泉さんと出会う前の友達じゃあないか。二人で映画でも楽しんでおいで、くらい言ったってどうということはない。・・・なあ、おしま?」おしま、返事に窮して「・・・、お父さん、どう思いますか」、父も窮して「・・・まあ、いいんじゃないの」といった絡み具合が絶妙。はたして、福三が、おしまと滝沢の結びつきを知ったとき、「出会う前のこと」と許してくれるだろうか、何も知らない福三の鷹揚な言動に半ば胸をなでおろし、半ば怖れをいだくおしまと父の気配は、文字通り「迫真の演技」で、たいそう面白かった。結局、おしま、外出を思いとどまったが、間の悪いことに、お米の亭主(松竹町子)がやって来る。髪はボサボサ、分厚い眼鏡をかけた、風采の上がらぬ風情が何とも魅力的で、「迎えの車が来たぜ」など言ってみたが相手にされず、何が何だかわからないうちに追い返されてしまった。かくて、一件は落着し、福三と金一はキャッチボールをしに外出、おしまと父、やれやれと胸をなで下ろしている所に、お米夫婦が、またまた、あわてて飛び込んでくる。「大変、大変!滝沢さんが遺言で、金坊に3000万円贈るだって・・・」父「そんな金もらうわけにはいかない」、おしまも同様に断ったが、お米曰く「もったいない!もらえばいいじゃない。お父さんが宝くじに当たった、とでも言うのよ」父「そんな嘘はつけない」と渋ったが、金はいくらあっても邪魔にはならない、という誘惑には勝てなかったか、片棒を担ぐ羽目になってしまった。帰ってきた福三、一同が揃っているのを訝っていると、新聞を手にした父、お米にせっつかれながら「当たった、当たった」、福三「何?当たった?それは大変だ」と言いながら洗面器を持ってくる。父の新聞をひったくって洗面器に敷きながら、背中をさすり始めた。父「何をするんだ」福三「当たったんでしょう。早く吐きなさい。食あたりは怖いんだ」父(新聞を取り戻して)「違う違う。宝くじに当たったんだ!3000万円!」福三「えっ!どれどれどこに」と新聞紙をのぞき込む。父「おれが当たったと言うんだから間違いない。さあ貰いに行こう」と、おしま、お米を連れて逃げるように外出。なぜか、残されたのがお米の亭主、福三に呼びとめられ、何かと思えば「まあ一杯、祝い酒といきましょう。何せ3000万円の宝くじに当たったのだから・・・」亭主、断るわけにもいかず、一杯、二杯と飲み干すうちに、「しかし、たいしたもんだ。3000万円の宝くじを遺産に残すなんて」と、口走った。福三「今、何て言った?遺産?」と問い詰める。亭主、しどろもどろに言い訳をしていたが、「本当のことを言え!」と福三に一喝されるや、真相を暴露、そのままバッタリとテーブルに俯してピクリとも動かない。やがて駆け込んできたお米に叩き起こされ、こけつまろびつ、引っ込む景色は「天下一品」、抱腹絶倒の名場面であった。さて、舞台は大詰め、すべてを知った福三、「家を出る」と決意するが、金一に「行かないで、お父さん」と泣いて縋られては抗えない。「・・・わかった。もう出て行くなんて言わないよ。お前は俺の子だもの・・・」生みの親より育ての親、その胸中は「納得」だが、女房おしまと舅にだまされ続けた心の傷をどう癒す・・・、幸か不幸か、3000万円の小切手を手にして帰った舅に向かって一言、「滝沢銀行からおろしてきたんだろう?」。その寂しげな(座長・藤間智太郎の)風情は珠玉の「逸品」、今日もまた、極上の舞台を堪能できたことに感謝したい。座長の話では、この芝居、「松竹新喜劇」の演目だとの由、ではいったい藤山寛美の役どころや如何?、そうだ、あのお米の亭主に違いない、などと勝手な想像をめぐらしつつ帰路に就いた次第である。
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2024-01-02

劇団素描・「藤間劇団」・《芝居「佐吉子守唄」の名舞台》

【藤間劇団】(座長・藤間智太郎)〈平成23年11月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
私はこの劇団の舞台を昨年5月、大阪梅南座で見聞している。以下は、その時の感想(の一部)である。〈インターネットでは〈藤間劇団 1985年に初代座長・藤間新太郎(現太夫元〉が旗上げ。まじめに一生懸命にをモットーに劇団全員が力を合わせて、日々の舞台を勤めている。2005年5月に新太郎太夫元の長男・智太郎が座長を襲名した〉と紹介されている。その文言に偽りはなく、太夫元の上品で誠実な芸風が座員一人一人に染みわたり、今日のような舞台模様を創出できたのだ、と私は思う。舞踊ショーでも見所は多く、子役・藤間あゆむの「人生劇場」「酒供養」(女形)、太夫元の「細雪」(女形)「よされ三味線」(立ち役)、松竹町子の「恋の酒」(立ち役)、座長の「女形」が強く印象に残った。座員は他に、小町さくら、アイザワ・マコト(いずれも女優)らの若手がいる。いずれも「個性的」で、のびのびと「舞台を勤めている」様子が窺われ、劇団の魅力を倍増させている。今日の舞台を見聞できたことは私にとっては大きな収穫、はるばる大阪まで遠征した甲斐があった、というものである。加えて、劇場の雰囲気も最高、手作りのおでんを賞味できたことは望外の幸せであった。ぜひ明日も来たい(前売り券を買いたい)と思ったが、すでに予定は「決定済み」、後ろ髪引かれる思いで帰路についた次第である〉。以来ほぼ2年近く「後ろ髪を引かれ」続けたわけだが、今回ようやくその舞台を再見できるようになった次第である。これまでに、芝居「稲葉小僧新吉」「天竜筏流し」「佐吉子守唄」の舞台を見聞したが、やはり期待通り、充実した珠玉の名舞台が展開されていた。「稲葉小僧新吉」では、三代目藤間あゆむが、小娘役の女形で大活躍、まだ12歳とは思えぬほどの達者ぶりに舌を巻いた。「天竜筏流し」では、草津一家親分(太夫元・藤間新太郎)の悪役ぶりが何とも魅力的、とりわけ山主に扮した松竹町子との絡みが絶妙で、まさに夫婦ならではの呼吸、「味」(わい)がたまらなかった。さて、極め付きは「佐吉子守唄」。ある一家に草鞋を脱いだ旅鴉・佐吉(座長・藤間智太郎)の物語である。佐吉には妹・おみよ(星空ひかる)も同行、そのおみよが一家の若親分(藤間あおい・好演)と「いい仲」に・・・。お腹の中には若親分の子どもまでも宿してしまった。若親分は父親の親分(橘文若)に「添わせてほしい」と懇願するが、応えは「断じて否!」。やむなく若親分、おみよを連れて一家を出ようとするが、親分「そうはさせねえ」と刀を抜いた。仲に入ったのが子分の銀次(藤間あゆむ・好演)。「どうでしょう、若親分。1年間、男修行の旅に出ては・・・、おみよさんは一家で面倒みますから」。若親分、その言葉を真に受けて旅修行に出立、見送った子分と親分は顔を見合わせてニヤリ、おみよの面倒をみる気などさらさら無かった。旅鴉の佐吉、妹の面倒を見てと親分に頼んだがケンモホロロ、やむなく一家を出て長屋にわび住まいしながら、若親分の帰りを待つことになった。1年後、おみよにはめでたく男児が誕生。佐吉は乳飲み子をあやしながら、乳をもらいに外出。おみよ、独りになったところへ件の親分、子分がやって来た。「今すぐ、この土地から出て行ってもらいたい」「若親分が戻るまでは、出て行くわけにはいきません」「それが困るのだ、せがれとお前を添わせるわけにはいかねえ」などと揉み合ううち、親分、思わず脇差しを抜いて、おみよに斬り付けた。親分一味はあわてて遁走。戻ってきた佐吉、手傷を負ったおみよの姿に驚いた。「親分にやられた。私はくやし。その子を若親分が抱いてくれる姿を見たかったのに・・・」と言い残して、おみよは絶命。佐吉、敢然と赤児を抱いて仇討ちへ向かう。出くわした街道筋で、難なく親分を成敗した。以後は若親分を探しての子連れ旅へ・・・。舞台は三景、ここは山間の峠茶屋、やってきたのが男修行を終えた若親分が茶を飲んでいると、旅姿で通りかかったのは子分の銀次、聞けば「親分が佐吉にやられた」と言う。若親分、激高して佐吉を追いかけに退場。残った銀次はなぜか、茶屋の中へ・・・。入れ替わりに、佐吉、赤児を抱いて登場、茶屋の中から飛び出してきた銀次との一騎打ちに。と、そこに、おみよと瓜二つの娘が出てきて曰く「その赤ちゃん、私が預かります。存分に勝負しなさい」、赤児を抱いて立ち去った。あっけにとられる佐吉。「あれはいったい誰なんだ!」銀次との勝負どころではなかったか。実を言えば、この娘は川向こう一家親分・仙右衛門(太夫元・藤間新太郎)の一人娘・おゆき(星空ひかる・二役)であった。四景は仙右衛門宅。草鞋を脱いだ佐吉に一目惚れ、赤児と一緒に添わせてほしいと、父・仙右衛門に頼み込んだ。「そんなわけにはいかねえ」と突っぱねたが「じゃあ、池に身を投げる」とごねられ、「もし話がつかなければ腹を切る」約束までさせられた。仙右衛門、佐吉を呼んで曰く「うちの娘と一緒になってはくれまいか」、佐吉が「そういうわけにはめえりません」と固辞すれば、「そうですかい!では・・・」と言いながら、おもむろに羽織を脱ぎ捨てると、脇差しを抜き手ぬぐいを巻いて切腹の構え、驚いた佐吉、「待っておくんなせい、何をなさるんで!」、仙右衛門、平然として「娘と約束したんだ。もしこの話がつかなければ腹を切ると」。その飄然とした姿が何とも魅力的であった。佐吉、やむなくおゆきとの縁談を受諾。「妹とそっくりの娘を嫁に・・・」と思い悩む暇もなく、乗り込んできたのが若親分。「親父の仇討ちだ、勝負しろ!」。佐吉、「わかった」と一言、一立ち回りのあと、若親分の腕をねじ伏せて曰く「お前さん、人を斬ったことがあるか!」、若親分、応えられずにいるうち、佐吉は、自分の刀を投げ捨てる。「人を斬るのは、こうするんだ!」と言うなり、若親分の刀を自分の腹に突き立てた。佐吉の「すべきこと」は、妹・おみよの遺児を若親分に抱かせることだけ、もとより自分の命など惜しくはない。苦しい息の元で経緯を語る佐吉の話を聞いて、若親分は銀次を成敗、ようやくわが子を抱き上げることができたのであった。「その姿を一目、妹に見せたかった」という思いを胸に、佐吉、最後の力を振り絞って、赤児をあやす。舞台には二葉百合子の名曲「佐吉子守唄」も添えられて、悲しくも温かな幕切れであった。お見事!「一級品の芝居」は健在であった。それにしても、ここの劇場、観客は昼も夜も二十人程度、極上の名舞台を満喫するには「侘びしすぎる」が、座員一同が誠実・懸命に舞台を務める姿は感動的である。心底から拍手を贈りたい。
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2023-11-17

劇団素描・「藤間智太郎劇団」・《芝居「源吉渡し」の出来栄えは「一級品」》

【藤間智太郎劇団】(座長・藤間智太郎)〈平成22年5月公演・大阪梅南座〉                 土曜日(夜の部)だというのに観客数はまばらで20人弱、さだめし他の劇場、他の劇団では「大入り」の活況を呈しているに違いないと思いながら、開幕を待った。第一部・顔見せミニショーはトップステージの組舞踊で左端の役者(おそらく女優・「立ち役」)が目立つ程度で、他は「どうということはなかった」が、第二部・芝居「源吉渡し」になると、舞台の景色は一変した。品川周辺、渡し船の船頭親子の物語。そこの村人たちは平穏に暮らしていたが、ある時、ならず者の連中が村の廃寺に侵入して、賭博を開帳、村人たちの金品や土地(財産)を取りあげ始めた。それを救おうとして船頭の息子が対決、お決まりの暴力沙汰に、息子は「図らずも」ならず者連中を殺傷、小伝馬町への「牢送り」となった。村人たちは減刑の嘆願をしたがお裁きは「死罪」、運がなかったものと船頭の老父はあきらめていた。そこに突然、息子が帰宅する。驚いた老父、さては「牢破りか?」と訝ったが、そうではない。牢屋が火事になり、囚人たちに「三日間」の御赦免が許されたという。実をいえば、この息子には女房と胎児がいたのだ。捕縛されてから1年あまり、できることなら処刑前に老父、恋女房、愛児に「一目会いたい」とやってきた。老父には会えたが、女房は不在。尋ねれば、なんと「二度の亭主を持った」という。胎児はめでたく出生したものの、そのままでは「罪人の子」又は「父なし子」として蔑まれることは必至、そこで老父は知恵を絞って、息子の嫁を再婚させたとのこと、しかも相手は息子の友達(自首すれば刑も軽くなるだろうと息子を説得し、縛につかせた「十手持ち」)だったとは・・・。その結末を知った息子の心中や如何?、驚くやら、憤るやら、怒るやら・・・、そのたびに老父は息子に「事情を説明」、息子もそのたびに「納得する」という孝行の風情が、なんとも「やるせなく」、とりわけ、息子がすべてを了解、愛児と最後の別れを惜しみ、悲しく「子守唄」を唄う場面では、おそらく観客全員が落涙していたに違いない。久しぶりの観る「超一級品」の出来映えであった。配役は船頭の老父・松竹町子、息子・藤間智太郎(二代目座長)、その女房・藤間あおい、十手持ち・藤間新太郎(初代座長)といった面々で、とりわけ女優・松竹町子の「実力」が光っていた。インターネットでは〈藤間劇団 1985年に初代座長・藤間新太郎(現太夫元〉が旗上げ。まじめに一生懸命にをモットーに劇団全員が力を合わせて、日々の舞台を勤めている。2005年5月に新太郎太夫元の長男・智太郎が座長を襲名した〉と紹介されている。その文言に偽りはなく、太夫元の上品で誠実な芸風が座員一人一人に染みわたり、今日のような舞台模様を創出できたのだ、と私は思う。舞踊ショーでも見所は多く、子役・藤間あゆむの「人生劇場」「酒供養」(女形)、太夫元の「細雪」(女形)「よされ三味線」(立ち役)、松竹町子の「恋の酒」(立ち役)、座長の「女形」が強く印象に残った。座員は他に、小町さくら、アイザワ・マコト(いずれも女優)らの若手がいる。いずれも「個性的」で、のびのびと「舞台を勤めている」様子が窺われ、劇団の魅力を倍増させている。今日の舞台を見聞できたことは私にとっては大きな収穫、はるばる大阪まで遠征した甲斐があった、というものである。加えて、劇場の雰囲気も最高、手作りのおでんを賞味できたことは望外の幸せであった。ぜひ明日も来たい(前売り券を買いたい)と思ったが、すでに予定は「決定済み」、後ろ髪引かれる思いで帰路についた次第である。
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2022-10-29

劇場界隈・京阪御殿山「渚の湯」・《公演は「藤間智太郎劇団」》

午後5時から、大阪「渚の湯」で、大衆演劇観劇。「藤間智太郎劇団」(座長・藤間智太郎)ここは、街中の銭湯に付帯しているが、れっきとした劇場であることに変わりはない。京阪本線・御殿山から徒歩6分の街道沿いにある。「渚の湯」ホームページには以下の説明があった。〈千年の昔 平安朝の頃、皇位を奪われた悲運の皇子惟喬親王の営む「渚の院」の故事に因んでデザインに工夫をこらしました。現代感覚に王朝美を映し直して、施設にものがたり性を与え、温浴をひとつのカルチャーとして捉え直しました。1階をロビー、大広間、飲食コーナー、脱衣室、などで構成し、2階を全面浴室としました。これまでのように男女を固定した浴室とするのではなく、2つのお風呂を機能・デザイン・レイアウトともに全く異なったものとし、男女毎日入替入浴を行うこととしました。一方を花筏の湯、他を薄霧の湯と優美に名づけ、こころゆくまでお客様に楽しんでいただけるよう工夫しました。お客様は、お風呂を2倍楽しめることとなります〉。到着が5時を過ぎていたので、入浴は後回し、すぐさま劇場に直行したが、なんと観客数はゼロ・・・、しかし心配御無用、開演のブザーが鳴ると同時に4人の観客が入場、ミニショーの舞台はめでたく開演となった。芝居の外題は「浅間の喜太郎」。渡世の義理から、ある一家の親分を手にかけた喜太郎は、その子分、二代目から「敵」と狙われる身、死ぬ前に「一目会いたい」と親元に帰還する。しかし父はすでに亡く、頑固な母と対面したが「何しに戻った、この親不孝者!」と追い返される。そこにやってきたのが二代目、敵を討とうとしたが、喜太郎の「侠気」を見抜いて、あきらめる。さらにまた、喜太郎と母の「間」を取り持ってメデタシ、メデタシというお話である。通常なら、喜太郎に座長・藤間智太郎(又は藤間あおい)、母親に松竹町子、二代目に藤間あおい(又は藤間智太郎)という配役だろうが、今日の舞台では、(思い切って?)三代目・藤間歩(中学1年生)を主役・喜太郎に抜擢した。なるほど、観客数は5人、未来の後継者に場数を踏ませようとする座長の目論見は、痛いほどよくわかる。「それはそれでよい」、祖母と孫の「親子名乗り」が通常の景色に及ばないのは当然として、いわば舞台裏の「稽古風景」を観られたような心地がして、私は大いに満足した次第である。三代目・藤間歩は「子役」から「若手」への転形期、どこか「なげやりな」(ツッパリタイ)風情が感じられたが、それもまた痛いほどよくわかる。「カエルの子はカエル」、その風情を「魅力」に磨き上げることに、それほど時間はかかるまい。対照的だったのが、(おそらく同輩?の)藤こうた、舞踊でも芝居でも「懸命に」舞台を務める。一瞬として「力を抜く」(油断する)ことがない。その「一途」(健気)な舞台態度は、たいそう爽やかであった。さて、舞台終演後は入浴タイム、本日の「おとこ湯」は「薄霧の湯」。〈お湯は無色透明のアルカリ性で皮膚の表面を軟化させ脂肪や分泌を洗い流せます。そのため肌がすべすべし美人の湯と言われています。また泉質は柔らかく刺激が少ないので、高齢者や病後の保養などにも最適です。有名温泉地として愛媛の道後、岐阜の下呂等があります。 温泉の効能  疲労回復、肩のこり、冷え性、腰痛、神経痛、リウマチ、五十肩、うちみ、筋肉痛 くじき、あかぎれ、健康増進、婦人病、荒れ性、痔疾 温泉の成分 ナトリウムイオン (Na+) 63.0ppmカリウムイオン (K+)10.5ppm ヒドロ炭酸イオン (HCO3-) 43.6ppm 炭酸イオン (CO3 2-) 39.6ppm硫酸イオン (SO4 2-) 33.8ppm塩素イオン (CI-) 9.5ppm 〉(前出ホームページより引用)といった「天然温泉」を十分に堪能し、帰路に就いたのであった。
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