META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団京弥
2ntブログ
QLOOKアクセス解析
2024-02-02

劇団素描・「劇団京弥」・《芝居「喧嘩屋五郎兵衛」&白富士きよとの登場》

【劇団京弥】(座長・白富士一馬)〈平成24年12月公演・みのりの湯柏健康センター〉
昼の部、芝居の外題は、御存知「喧嘩屋五郎兵衛」。大衆演劇の定番で、どこの劇団でも演じる演目だが、この劇団の景色は他を凌駕している。本日は、座長不在(「劇団千章」の応援)のため、主役・喧嘩屋五郎兵衛は副座長・白富士健太、その姉・胡蝶つき子、縁談話を持ち込んできた出入り商人(八百屋の藤助)・若座長・白富士龍太、一家にわらじを脱いだ旅鴉・白富士洸、越後屋の娘・白富士つばさ、という配役であったが、その出来映えは、座長在時と比べて遜色ない。それというのも、五郎兵衛の姉(女親分)を演じた胡蝶つき子の「貫禄」が、群を抜いていたからである。その立ち居、振る舞いは、寸分の隙もなく、登場しただけで舞台全体の空気がキリリと引き締まる。今や、彼女は斯界女優陣の「第一人者」と言っても過言ではないだろう。五郎兵衛役の健太、藤助役の龍太も素晴らしい。主役、相手役でありながら、演技は「控えめ」、五郎兵衛の「清々しさ」に、藤助の「渋さ」も加わって、見応えのある舞台に仕上がっていた。誰一人として悪人はいない、ちょっとした「勘違い」、しかし、譲るわけにはいかない意地と意地との葛藤が生んだ「悲劇」とでもいえようか。姉を救おうとして負った火傷、その顔を看板に「男」になった五郎兵衛が、再び姉の刃で絶命する。「こうする他はなかったんだ」と呟く姉の表情に、心なしか「動揺」も垣間見え、大詰めの場面は舞台・客席ともに「凍り付いた」空気が漂う。要するに、旅鴉を許せない五郎兵衛の煩悩、その五郎兵衛を、煩悩から救うために「殺さざるをえない」姉の苦悩が結実化した名場面であった、と私は思う。夜の部、芝居の外題は「源太郎街道」。一家親分をだまし討ちされ、敵を討とうとしたが失敗、今は盲目となって兄貴・源太郎(白富士健太)の帰りを待つ、新二郎(白富士洸)の物語である。一家はちりじり、ただ一人、不自由な長屋暮らしを
しているが、大家の娘・おふく(白富士きよと)が何かと面倒を見てくれる。そんな折、待ちに待った源太郎が帰ってきた。新二郎いわく「俺は目が見えねえ、おふくちゃんと所帯をもちたいが、どんな顔をしているか、おめえ見てくれねえか」。源太郎、おふくの顔を見て驚嘆、「ぬかるみでぼた餅をふみつぶしたような顔だぜ」、新二郎「じゃあ、おめえ、追い出してくれ」、源太郎、体よく追い出したまではよかったが、食い物がない。 馴染みの寿司屋に出かけていった。その留守に敵役一家・権九郎(白富士龍太)の子分(白富士真之介)が登場、「源太郎はいねえか」と言いつつ、新二郎に一太刀浴びせて帰って行った。新二郎、「畜生、兄貴も帰ってきたことだし、もう思い残すことはねえ。俺が親分の敵を討つんだ」と、止めるおふくを振り払って、駆けだしていく。そこに帰ってきたのが泥酔状態の源太郎。おふく「大変だよ、新さんが敵を討つといって、出て行ってしまった」。その一言に源太郎、(途端に)酔いはさめたが片足が動かない。おふくが差し出す赤布で(片足を)縛りあげ、「新二郎、待ってろよ。俺もすぐにいくからな」といった展開だが・・・。私が目を見張ったのは、おふくを演じた白富士きよと。彼はまだ(おそらく)十六・七歳。その姿・形からして、誰あろう、あの大月聖也であったのだ。父・大月瑠也とともに「劇団翔龍」に居たが、いつのまにやら父が脱け、彼もまた(私にとっては)「行方不明」状態に。今、こんなところで、聖也に巡り会えようとは、「お釈迦様でも気がつくめえ」という心持ちであった。それにしても、変われば変わるもの、白富士きよとの「おふく」は、可愛らしく、何とも魅力的であった。まさにこの世は「有為転変」、しかし、斯界のサラブレッド・大月聖也が、白富士きよとに「変化」(へんげ)して修行を積めば、斯界の新しい戦力になることは間違いあるまい。「劇団京弥」に、その種は蒔かれた。後は開花を待つだけか、今日もまた、心うきうき、大きな元気を頂いて帰路に就いた次第である。
雪の渡り鳥/一本刀土俵入り雪の渡り鳥/一本刀土俵入り
(2006/04/26)
三波春夫

商品詳細を見る




にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1


2023-10-09

劇団素描・「劇団京弥」・《「身代わり街道」、白富士龍太、洸に「成長の証」》

【劇団 京弥】(座長・白富士一馬)〈平成21年4月公演・浅草木馬館〉
 この劇団、これまで「劇団白富士」と称していたが、初代座長・白富士龍子から、その甥・白富士一馬が座長を引き継いでから5年、それを機会に座長の実父・小月京弥の名を襲って「劇団京弥」と看板を改めた由。世代代わりをアピールすることが目的かどうか、内輪の細かい事情は不明だが、たしかに、舞台の景色・風情は少しずつ「変化」(へんげ)しているように感じられた。芝居の外題は「身代わり街道」、小田原までの街道(東海道)筋に巣くう悪党4人組(浪人・白富士一馬、毒婦・白富士健太、ペテン師・白富士龍太、毒婦の弟分・白富士洸)の物語。幼い頃「神隠し」にあって行方不明になっていた、庄屋の娘(白富士千春)を見つけ出したペテン師、娘を実家に届け、礼金をたんまり貰うばかりか、婿になって三万両の財産をものにしようと企むが、娘の死で失敗、事情を知った毒婦、まんまと娘になりすまして、弟分と庄屋に潜入。何も知らない奥様(胡蝶つき子)や家人たち(白富士蘭、白藤つばさ)を騙してひそかに千両箱を狙っている。だがしかし、何の疑いもかけずに歓迎してくれる奥様と暮らすうち、毒婦の邪心は消滅、弟分と一緒に「親孝行のまねごと」をしようということに・・・・。そこへやってきたのが、浪人とペテン師、「真実をばらされたくなかったら千両箱をもってこい」と恐喝する、お決まりの筋書きだが、悪役・白富士龍太、弟分・白富士洸の「演技」が冴えてきた。善から悪、悪から善へと「微妙に揺れ動く」心の変化を、精一杯、懸命に描出しようとしていた努力に拍手を贈りたい。  
 なるほど、舞台の景色は「白富士」という清廉潔白なイメージからやや「変化」、「ぬくもり」「温かさ」といった「色合い」(泥臭さ)も感じられるようにはなってきた。
 舞踊ショーで見せた、胡蝶つき子の「舞姿」は「天下一品」、金田たつえの音曲(曲名は不詳、ところどころ「こぼれ酒」「港宿」などという歌詞が聞き取れたが・・・)そのものを、寸分の狂いもなく「所作化」(身体表現)できる実力は半端ではない。この舞踊一曲、見聞できただけで、「入場料(元)は取り返した」という思いがいっぱい、感激して帰路についた次第である。
東海道五十三次 歌川広重 画(完全版復刻55枚セット)【送料無料】東海道五十三次 歌川広重 画(完全版復刻55枚セット)【送料無料】
()
トップアート

商品詳細を見る




にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1


2023-07-20

劇団素描・「劇団京弥」・芝居「侠客十万石」と「五十両の行方」・眼目は《改心(人間の可能性)》

【劇団京弥】(座長・白富士一馬)〈平成22年8月公演・柏健康センターみのりの湯〉
昼の部、芝居の外題は「侠客十万石」。座長は「演劇グラフ」(2008年11月号)の中で以下のように述べている。〈襲名したばかりの親分が、悪い親分からいじめられながらも最後には立派な親分になる、「侠客十万石」という出世狂言があるんです。5年前の襲名の時にやりたっかったんですが、できなかったので今度はできればと思います。楽しみにしていてくださいね〉おっしゃるとおり、襲名したばかりの親分(座長・白富士一馬)が悪い親分(白富士龍太)のところにあいさつ回りに出向いたが、「お前はまだ三下だ!貫禄(経験)もないくせに二代目襲名など十年早い」と罵られ、額を割られる。三年後にその割返しを果たすといった筋書きで、いわば「勧善懲悪」的な眼目だったが、大詰めで、今は「日本一」となった二代目親分が、悪い親分に深々と頭を下げ、「私が日本一になれたのは、あなたのおかげ。あなたに額を割られたおかげで、今の自分になれたのだから・・・」。それを聞いた悪い親分、もう改心する他はない。あえなく二代目親分の配下にくだるという幕切れでチョン、恐れ入りました。夜の部、姉妹の外題は「五十両の行方」。ある大店を舞台にした人情劇で、その出来栄えは群を抜いていた。大店(店主・胡蝶つき子)の娘(白富士蘭)は使用人の手代・与三郎(白富士洸)に惚れている。ゆくゆくは夫婦になって店を継いでもらいたいという魂胆、そんな時、与三郎の母が重病で余命三カ月、ただし唐人参の薬物治療を施せば治るかも知れない。唐人参を手に入れるためには五十両が必要だ。それを知った娘、与三郎に店の金を無断で貸与する。その使い走りを頼まれたのが店の番頭(座長・白富士一馬)、「この品物(五十両)を、何のために」と娘にたずねるが「そんなことはお前に関係のないこと、黙って与三郎に届けて頂戴!」といったやりとりが、なんとも微笑ましく魅力的であった。だがしかし、ことはそれでは納まらなかった。手代・与三郎には、末を誓った恋人、同じく使用人の下女・おみつ(白富士つばさ)がいたからである。娘はそのことに「うすうす気付いた」由、五十両の紛失を訝しがる店主に「おみつが盗んだに違いない」と、自分の罪をなすりつけた。そこに突如として現れたのが、おみつの兄(副座長・白富士健太)。飲む・打つ・買うの遊び人だったが、「おみつが、そんなことをするはずがない。盗んだのはあっしでござんす」と弁明する。店主、あきれはてたが、まじめに働いて三年後に五十両を返済するという示談が成立・・・。かくて三年後、甲府の金山でまじめに働き五十両を手にした兄が帰還、店主に返済する段取りとなったが、もとはと言えば、その五十両、おみつも兄も盗んではいない。ではいったい誰が、といった謎を解くのが番頭、娘の行状をそれとなく店主に告げる風情が、「粋」で「奥ゆかしく」、私は涙が止まらなかった。すべてを知ったおみつの兄、、「もう、ゆるさねえ!」と娘に手を上げるが、それを必至で制止するおみつ、その様子を見つめる店主、与三郎等々の登場人物の舞台模様が「屏風絵」のように鮮やかで、深い感動を覚えた次第である。この芝居の眼目も「勧善懲悪」に違いはないが、「悪」をそのままで終わらせないところに、この劇団の「哲学」があるのだろう。因果応報ではなく「改心」(人間の可能性)に光を当てているところが「もの凄い」のである。今日もまた「生きる元気」を存分に頂いて、帰路につくことができたのであった。感謝。
最後のひと葉―オー・ヘンリー傑作短編集最後のひと葉―オー・ヘンリー傑作短編集
(1989/09)
オー ヘンリー

商品詳細を見る




日本直販オンライン
QVCジャパン
にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1


2023-06-10

劇団素描・「劇団京弥」・《芝居「喧嘩屋五郎兵衛」「花の渡り鳥」の出来栄えは最高》

【劇団京弥】(座長・白富士一馬)〈平成22年8月公演・柏健康センターみのりの湯〉
芝居の外題は昼の部「喧嘩屋五郎兵衛」、夜の部「花の渡り鳥」。この劇団の舞台は、平成20年4月郡山東洋健康センターで、同年9月高尾の湯ふろっぴぃで、平成21年4月浅草木馬館で見聞済みだったが、今回の「出来栄え」は最高、その「変化」(へんげ)ぶりには度肝を抜かれた。なるほど、劇団名を「白冨士」から「京弥」に改めた意味を心底から納得した次第である。芝居「喧嘩屋五郎兵衛」は大衆演劇の定番、「花の渡り鳥」も潮来の伊太郎をモデルにした「何の変哲もない」筋書だが、役者の「実力」が違ってきた。座長・白冨士一馬を筆頭に、副座長・白冨士健太、若座長・白冨士龍太、花形・白冨士洸、女優・白冨士蘭、白冨士つばさといった面々の「演技力」は着実に上昇し、今や斯界屈指の「実力派劇団」に成長したと確信する。どの役者をとっても、「立ち位置」「所作」「目線」「表情」だけで心情を表現できる実力が備わっている。加えて、口跡は明瞭、役者相互の「間」(呼吸)も絶妙といった按配で、まさに「お見事」、思わず拍手を送りたくなる場面の連続であった。「オレの話を聞いておくんなさい」、と言った後の「話」が、実に端的で「歯切れ良く」、客を厭きさせない、文字通り「要領を得ている」のである。各自の「所作」「表情」「口跡」を見聞しているだけで、その心情が「真っ直ぐに」伝わり、観客は何の衒いもなく「笑い」「泣く」ことができるのである。「笑わそう」「泣かそう」といった小細工は皆無、役者が誠実・真摯に演じようとするだけで、客は感動するのである。また、「喧嘩屋五郎兵衛」では、胡蝶つき子、白冨士一馬、白冨士龍太、「花の渡り鳥」では、白冨士健太、白冨士洸、白冨士蘭というように「主役」「準主役」が分担されているところも素晴らしい。「ダジャレ」「悪ふざけ」も皆無、誠心誠意、「真っ向勝負で」舞台に取り組む姿勢に深い感銘を受けた。最近では、どこの劇団でも座員の異動が激しく、舞台の景色は「停滞」「凋落」気味、居眠りしながらの観劇を繰り返してきたが、今回、久しぶりに「目の覚める」ような感動をおぼえた。「ここまで劇団が成長した要因は何だろうか、この劇団の芝居を全部見てみたい」という気持ちが沸き上がり、大きな元気をもらって帰路につくことができたのであった。
Talking Silents4「鯉名の銀平 雪の渡り鳥」「小雀峠」 [DVD]Talking Silents4「鯉名の銀平 雪の渡り鳥」「小雀峠」 [DVD]
(2007/11/28)
阪東妻三郎

商品詳細を見る




にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1


スポンサードリンク


プロフィール

e184125

Author:e184125
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキングNO1
ブログランキングNO1