META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 都京太郎劇団&玄海竜二一座
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2023-06-05

劇団素描・「都京太郎劇団」&「玄海竜二一座」・《芝居「四十両の行方」》

都京太郎劇団】(総座長・都京太郎)&「玄海竜二一座」(座長・玄海竜二)〈平成23年7月公演・浅草木馬館〉
芝居の外題は「四十両の行方」。ある武家で、手文庫から四十両が紛失、その行方をめぐって繰り広げられる物語である。登場人物は、武家の主人(都京太郎)、その妹(三都見金蔵)、使用人(片岡長次郎)、女中(藤乃かな)、女中の兄(玄海竜二)、武家の妹が慕う配下の侍(都京弥)、その他大勢、といった面々である。序幕、使用人が裏木戸で掃除をしているところに、妹が登場、何やら重たい荷物を、配下の侍のところまで届けるよう言いつけた。続いて女中登場、掃除をしているところに遊び人の兄がやってきて、金をせびる。(妹の)女中は、きっぱりと断って兄を追い返す。そこに、今度は主人が険しい面持ちで登場。「手文庫から四十両が紛失した。知っている者はないか」と問いただす。妹も再登場、「女中が怪しい」と進言する。女中、「全く見におぼえがありません」と否定しているところに、遊び人の兄が再登場。「お殿様、その銭を盗ったのはあっしでござんす」。一同あきれ果てたが、主人「武士の情けじゃ、100日間の猶予を与える。真面目に働いて金を作って来い」と赦免した。しかし、妹の気持ちはおさまらず、女中に向かっていわく「あんたはクビ!」。自分が恋い慕う配下の侍と、女中が「いい仲」になっていることは百も承知のうえ、嫉妬から出た仕打ちに違いない。かくて100日後、妹、使用人が兄の帰りを待ちわびているところに、配下の侍がやって来た。女中に向かっていわく「塾で教えている子ども達が、どうしても一緒に川遊びがしたい、といって貴女の来るのを待っています」。女中も喜んで行こうとするのだが、そこに、またまた、妹登場。侍に向かっていわく「川遊びには私が行きます。さあ、一緒にいきましょう」侍「ダメです。子ども達は貴女を怖がってる」。妹「そうですか、そういうことなら言いましょう。今から100日前、私が貴方に用立てた40両のお金を返してください」侍「わかりました。いつまでに?」妹「今日の暮れ六つ!」、と断じて立ち去った。されば、川遊びなどしていられない。侍、そそくさと金の工面に出かけたが・・・。そこへ真打登場、100日間、風呂にも入らずに働き詰めた兄、汗と垢にまみれた風情で「妹よ、43両と二分、たしかに稼いで帰ってきたぞ!」、とは言うものの、肝腎の財布が無い!オタオタ、アタフタしているところに、侍が飛んでくる。「甚兵衛茶屋で財布を落としませんでしたか?」「落とした、落とした。それだ、それだ、ほうれみろ、たしかに43両と二分あるじゃあないか」侍「ところで、お兄さん、そのお金を私に貸してもらえないでしょうか」「とんでもない、これは俺たち兄妹が、泥棒の汚名をはらすための金、お前なんかに貸せるもんか」。しかし、妹も懇願する。「兄さん、どうか貸してあげてください。兄さんの居ない間におっかさんが死にました。何から何まで私はお世話になっているんです」。まもなく、時は暮れ六つ。武家の主人と妹、「約束どおり、金はできたか」とやって来た。女中の兄、妹と侍の頼みを断りきれず、財布を手放した。侍、直ちにその財布を妹へ・・・。ところが、妹「それ、何のこと?私は知りません』侍「今から100日前、貴女からお借りした40両です」妹「そんなお金は知りません。私は貴方にお金など貸しておりません」。その押し問答に割って入ったのは使用人。「ご主人様、実は100日前、私はお嬢様から、何やら重たい荷物を(侍のところに)届けるよう、言い付かりました」。すべてを察した武家の主人、「泥棒を捕らえてみればわが子なり、とはこのことか」と嘆じて、妹を成敗しようとするのだが、必死で止める女中と使用人、その様子を見て妹は心底から反省、「改心」する、という段取りになるのだが、「都京太郎劇団」の若手・三都見金蔵の「女形」は、どうみても「三枚目」、良家の子女、改悛の風情を描出するには「荷が重かった」。それかあらぬか、収まらないのは女中の兄、その妹を筆頭に、侍、使用人、主人に向かってまで(傍若無人な)「啖呵を切りまくる」。以後は玄海竜二の「一人芝居」(独壇場)、一同は、ただ縮みあがって見守るばかり、といった景色に変わる。こましゃくれた妹の「思い上がり」が、どれだけ、周りのものを「苦しませたか」、その憤りは痛いほどわかる。その「思いの丈」をすべて吐き出して心を浄化するか、ぐっとこらえて「男の美学」を演出するか、そこらあたりが、「芸風」の違いとでも言えようか。私は、同じ演目を、「劇団京弥」(座長・白富士一馬)の舞台で見聞しているが、その舞台模様は、どちらかといえば後者、ぐっとこらえる「男の美学」が際立っていた。玄海竜二の話では、「去年(8月)は大阪(朝日劇場)、今年(7月)は東京(浅草木馬館)の舞台に立つのが《夢》でした」。その「夢」が、大盛況、大好評、大成功裡に終わるや、否や、その「鍵」は、文字通り「九州の魅力」をどのように発揮するか(その「芸風」をどうやって関東に浸透させるか)、という一点にかかっているだろう。残り半月弱の舞台がたいそう楽しみである。舞踊ショー、ラストの「ヤットン節」の出来栄えは、相変わらず、いつみても「抱腹絶倒」の舞台模様で、まさに「九州の魅力」(芸風)であることは間違いない。今日もまた望外の幸せを頂いて、帰路についた次第である。
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2023-06-03

劇団素描・「都京太郎劇団」&「玄海竜二一座」・《芝居「無法松の一生」》

【都京太郎劇団】(座長・都京太郎)&【玄海竜二一座】(座長・玄海竜二)〈平成23年7月公演・浅草木馬館〉
芝居の外題は「無法松の一生」。小倉生まれで玄海育ち、口も荒けりゃ気も荒かった富島松五郎が、軍人・吉岡大尉の息子・俊雄が怪我をしていたところを助け、家まで送り届けたことがきっかけで、その母親・吉岡良子と出会い、以後は「人が変わったように」おとなしくなる。まもなく吉岡大尉は病死、松五郎は、なにくれとなく、残された母子の面倒をみていたが、俊雄が成長するにつれて、松五郎を避けるようになった。音曲では「今宵冷たい片割れ月に 見せた涙は嘘じゃない 女嫌いの男の胸に 秘める面影だれが知る 男松五郎何を泣く」(詞・吉野夫二郎、曲・古賀政男、歌・村田英雄)と詠われているが、男松五郎もまた、失意の中に死んでいくという物語である。舞台は、無法松(玄海竜二)が芝居小屋への入場を断られ、弟分(都京太郎)を連れて大暴れ、土地の侠客・結城重蔵(藤美一馬・特別出演)に諫められるという場面から始まる。その後、吉岡大尉(都京弥)、良子(藤乃かな)、俊雄(沢村菊乃助)との出会いから、無法松が死ぬまでの経過を、三代目・片岡長次郎のナレーションを交えながら、小刻みな場面で構成していく。玄海竜二の無法松は、文字通り「玄海風」、阪東妻三郎、辰巳柳太郎、三船敏郎、勝新太郎らとは違い、いつでも、どこにでもいるような「親しみやすい」人物の風情で、たいそう魅力的であった。とりわけ、世間に対しては傍若無人な振る舞いで、あくまでも「無法」然、その「柄の悪さ」が、ひとたび良子の前に出ると一変、まるで「借りてきた猫」のようにおとなしくなってしまうコントラストの妙はお見事!。さればこそ、彼と絡み合う、相手役の面々がどのような景色・風情を醸し出すか、が重要になってくるのだが、玄海竜二の「貫禄」と「五分で渡り合える」役者は、三代目・片岡長次郎、都京太郎くらいだったであろうか。土地の侠客・結城重蔵、吉岡大尉、その妻・良子を演じた藤美一馬、都京弥、藤乃かな、にとってはまだ「荷が重かった」。この三人は、いずれも、松五郎より「格上」の人物、どこかで玄海竜二を「超えた」風情が不可欠であろう。とりわけ、無法松が胸に秘めた面影の人・良子には「凜とした」空気が漂わなければならない。たとえば高峰秀子、たとえば淡島千景、たとえば香川桂子、たとえば外崎恵美子、そしてたとえば(斯界の)喜多川志保、三河家諒、富士野竜花、都ゆかり、あたりの面々であったら、どのように演じたであろうか。加えて、結城重蔵が三代目・片岡長次郎、吉岡大尉は都京太郎であったなら・・・、などと身勝手な想像をしてしまった。かくて、今回の舞台は、またまた玄海竜二の「独壇場」へと変貌する。いうまでもなく、客席・舞台の衆目を集めての「祇園祭・太鼓のバチさばき(勇み駒、暴れ打ち)」は圧巻、さらに大詰め・小学校校庭での「立ち往生」(雪の中での後ろ向き大転倒)の一瞬は、「屏風絵」然、一同が息を呑む終幕となった。客筋のお目当ては、あくまでも玄海竜二の「一人芝居」(至芸)、なかでも、ことのほか「男の死に様」には「こだわり」があるようで、「あんな死に方」ができる役者は二人といない、という評判で持ちきりだった。それでいいのだ、と私は思う。とまれ、九州の覇者・玄海竜二が「限界」に挑む「離れ業」を心ゆくまで堪能・満喫できたことは、望外の幸せであった。感謝。
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