META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 新演美座
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2023-10-07

劇団素描・「新演美座」・《芝居「人生劇場」・舞踊「十四変化」は得意の長丁場》

【新演美座】(座長・旗丈司、小林志津華)〈平成21年4月公演・川越三光ホテル〉                                                                         午後1時から、川越三光ホテル小江戸座で大衆演劇観劇。「新演美座」(座長・旗丈司、小林志津華)。この劇団の観劇は久しぶり、当時の感想を綴ったブログ記事「ちゃんばら流し」は、なぜか、アクセス数ベストスリーに、今でもランキングされている。その内容は、「型破り」の度が過ぎて客が怒り出したという、いわば「悪口っぽい筆遣い」だったのだが・・・。そういえば、その他の人気記事にしても、「褒めそやしたり」「感激の極み」といったものは少ない。劇団の「課題」や「不足」「不満」を述べた記事に、「人気が集まる」という現象は興味深いことである。
 さて今日の公演は月末の土曜日とあって、特別仕立て。昼の部は芝居のみで「人生劇場」(前・後編)、夜の部は舞踊ショーのみで「小林志津華の十四変化」という演目だった。芝居の配役は、飛車角・小林志津華、吉良常・旗丈司、おとよ・深水つかさ、宮川・常磐龍之助(特別出演)といった案配で、申し分ないのだが、実力者・金井保夫が敵の「ちょい役」に回ったのはいかがなものか。1時から3時30分までの長丁場、そのほとんどが志津華、丈司の「絡み」で終わったような印象、つかさの「演技」もいつになく「力み」すぎて、観ている方が疲れた。惚れていたのは宮川か、飛車角か?判然としない風情は「泥臭くて」よかったのだが・・・。もし、飛車角・金井保夫、宮川・小林志津華、敵・常磐龍之助又は辻野光男といった配役だったなら、全く違った景色(出来映え)の舞台になったのではあるまいか、などと自分勝手に夢想した次第である・
夜の部、舞踊ショーは小林志津華、女形七変化、立ち役七変化の合計十四変化、その懸命な「努力」に拍手を贈りたい。だがしかし、6時30分から9時45分まで、「延々と」、金太郎飴のような「舞姿」を見せられ続けたのでは、いささか「食傷気味」、「このショー、いったいいつまで続くの?」という不安をかき立てるのも、この劇団の「芸風」と思えば腹も立たないか・・・。
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2023-09-22

劇団素描・「新演美座」・《芝居「十三夜」》

【新演美座】(座長・旗丈司)<平成20年3月公演・川崎大島劇場>
 柏公演で二代目座長・小林志津華が「連日、50人は集めてみせます」と豪語していたので、その様子を見聞に来た次第だが、客の入りは22人ほどだった。芝居の外題は「十三夜」。「新派」もどきの「人情劇」、任侠剣劇が多い関東の劇団の中では貴重な舞台だった。登場人物は、貧農の兄・鉄蔵(金井保夫)と妹・おこよ(春野すみれ)、妹の許嫁・茂作(旗丈司)、材木問屋の若旦那(深水つかさ)、その兄(小林志津華)、村人(雲井松美、大和直斗、大和歩夢)。年に一度の村祭りの日、おこよは茂作と見物に行く約束をしていたが、兄・鉄蔵は「仕事がある」といって連れ戻そうとする。おこよは応じない。可憐だが気の強そうな娘を、春野すみれが好演していた。そこへ、茂作登場。言葉遣いもたどたどしく、どうみても「一人前」ではない。鉄蔵のことを「あにやん」と呼んでいる。「わしが、兄やんちの仕事を手伝うから、見物にいかせてくんろよ」と説得、鉄蔵もしぶしぶ認めた。二人は手に手を取って神社の境内に消え、兄も退場しようとしたが、そこへ江戸の大店・材木問屋の若旦那、苦しそうにあえぎながら登場、まもなく「行き倒れ」た。まもなく、おこよ再登場。「人混みの中で茂作にはぐれた、一緒に探してくれ」と鉄蔵に頼む。そうこうしているううちに、二人は若旦那に気づく。「たいそう立派な身なりをしているが、きっと江戸のお金持ちだんべ」「あにやん、この人、もうすぐ子供が生まれるのか?」「どうして?男が子を産むわけがなかろうに」「でも、おなかがふくれてる」「そうか、この人は腸満という病気、うつってはいけないから、早く家に帰ろう」しかし、おこよは応じない。「助けてやろうよ」、執拗な説得に、鉄蔵もしぶしぶ医者に連れて行く羽目になった。それから半年、若旦那の病気は全快したが、まだ鉄蔵宅に逗留している。鉄蔵宅をのぞきながら(おこよと若旦那は外出して不在らしい)村人の話。「近頃、おこよの様子が変だ。祭りの日から変わってしまった」「若旦那とできてしまったようだ」「かわいそうなのは許嫁の茂作、バカだから何にも知らない」「茂作は、本当にバカだからなあ・・・」それを聞き留めた茂作(おそらく二人の様子を探りに来たのだろう)、鉄蔵に訴える。「みんなが、おれのことをバカにする。おこよは、もう、おれの嫁になるつもりはなくなったのだろうか」「そんなことはない。こんな貧乏人の娘が、あんな金持ちの嫁になれるわけがない」「そうか、それで安心した。安心したら腹がへった」「じゃあ、家に入って冷や飯でも食おう」そこへ、若旦那とおこよ登場。「若旦那、江戸へ帰ってしまうのか?」「はい、でもあなたを連れて帰ります。どうか私と一緒に暮らしてください」「本当か!」思わず驚喜して若旦那に抱きつくおこよ、それを見とがめた鉄蔵、一喝する。「お前たち、いったい何をしてるんだ。昼日中からみっともない」しかし、おこよは動じない。「誰も見ていない、何が悪いんだ?」あきれる鉄蔵。若旦那、鉄蔵に平伏して懇願する。「どうか、おこよさんをお嫁にください。悪いこととは知りながら、どうしてもおこよさんを思い切れないのです」途方にくれる鉄蔵。そこへ茂作がふらふらと出てきた。「あにやん、もういいよ。おこよは、若旦那の嫁になればいい。人間、好きな人と暮らすのが一番だ」
「お前、それでいいのか」「よかあねえけど、しかたあんめえ・・・」と、憔悴極地の風情。かくて、若旦那とおこよの結婚は確定的となった。茂作「じゃあ、もう、おれ帰るわ。もうあにやんの所にはこねえよ」「どうして?」「だって、おこよが他所に嫁に行けば、もうあにやんではなくなるもの」「そんな、水くせえこというな。おれとお前は今まで通り、兄弟だ」「本当か、また来てもいいのか?」「ああ、いいともさ」「ありがてえ・・・」というところで幕が降りるかと思えば、意外にも、若旦那の兄、村人に案内されて颯爽と登場。「村一番の貧乏人の家とはここですか。もし、村一番の貧乏な人!、ちょっとごめんなさいよ」呼びかけに出てくる鉄蔵、若旦那、おこよ。兄は、いきなり若旦那を叱りつける。「お前、こんなところで何をしているんだ。材木の目利きに旅立ったまま音信不通。心配して探しに来たんだ」経緯を説明、おこよとの婚約を報告する若旦那。しかし、兄は応じない。「何を血迷ったことを!こんな貧乏人の娘を嫁にできるわけがない。行き倒れのお前を助けたのだって『金目当て』に相違ない。いったいいくら欲しいんですか」鉄蔵、頭に来た。「あんたたちにはわからねえ。金では買えない『義理人情』という大切な宝物があるんだ!」と、精一杯の啖呵をきるが、相手には通じない。生木を裂かれるように引き離される若旦那とおこよ、元通りおこよを嫁にもらえることになり大喜びの茂作、なんとも複雑な心境の鉄蔵、若旦那の悲痛な叫び「おこよさん、あの『十三夜』の晩のできごと、私はいつまでも忘れません」、おこよも必死に応じる。「若旦那、あの『十三夜』の晩のできごと、ずっと、ずっと憶えていてくださいね!」という叫びのうちに閉幕となった。
 この芝居の眼目は「義理人情」を超えた「不条理」(悲恋)の世界に及んでいる。なるほど、関東の「人情劇」も、ここまでくれば「天下一品」といえるだろう。私は深い感銘を受けた。旗丈司、金井保夫、春野すみれ、深水つかさといった「名優」に混じって、二代目・小林志津華の「拝金主義」ぶりも光彩を放っていた。
 舞踊ショーの感想。小林志津華の舞踊を中心に構成されている。舞踊の「実力」は「水準」並、「長良川艶歌」を「立ち役」で踊る「試み」はよいと思う。ただし、歌詞の内容は「女唄」なので「一工夫」することが肝要。つまり、女が思い描いている「男」を描出できるかどうか、が決め手になるだろう。そういう観点から観ると「まだ中途半端」の感があった。深水つかさ、春野すみれの「舞踊」、旗丈司、金井保夫の「歌唱」はすべて「一級品」、かつての「千住寿劇場」の舞台を思い出しながら、なつかしく、また「隔世の感」をもって鑑賞することができた。子役・かずきの「舞踊」も基礎・基本に忠実、「決まった場面」で、客と目線を合わせることができれば「一級品」になること間違いない。大和直斗、大和歩夢、雲井松美の「舞踊」も「型どおり」にこなしている。歌詞を踏まえた「表情」が加われば、魅力が倍増するだろう。
 小屋の表看板に「辻野光男」という懐かしい名札を見つけて、涙が出てきた。今は昔、「千住寿劇場」「篠原演芸場」で何度その幟を目にしたことだろうか。しかし、今回、その舞台姿を観ることができなかったことは誠に残念である。
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2023-09-21

劇団素描・「新演美座」・《芝居「百両首」》

【新演美座】(座長・旗丈司)〈平成20年1月公演・柏健康センターみのりの湯〉
 前回観た感想を郵送して2回目。芝居「百両首」(旗丈司主演)の様子は一変していた。まず、旗丈司はワイヤレスマイクを使用していない。前半は、金井保夫、春野すみれ、深水つかさ(男役)ら「実力者」で舞台を引き締めたので、客席は「水を打ったように」集中した。敵役の金井保夫が「おれとおまえは兄弟分、おまえが勝手に堅気になろうたって、そうはいかねえ。どこまでも、つきまとってやるからな・・・」と憎々しげに旗丈司(主役)に言うと、客席から「つきまとうな!」と、女性客の黄色い声がとんだ。それに対して「うるさい!静かにしろ」と、男性客がたしなめる。舞台と客席が一つになって芝居を盛り上げる。まさに大衆演劇の醍醐味を味わうことができたのである。「やればできるじゃないか」、旗と金井の「二枚看板」、それを「売り」にしていく他はないのだから・・・と、私は思っていた。二代目座長・小林志津華も「型どおり」の演技に終始し、舞台を混乱させることはなかった。舞踊ショーも「水準」を維持して「型どおり」に進行、旗丈司には30万円、金井保夫には10万円の花(祝儀)が付いた。明日が千秋楽と合ってラストショーの後、主な役者が舞台に勢揃い、一人ずつ「あいさつ」を述べた。その中でわかったこと、①旗丈司は今日、還暦をむかえたこと、②小林志津華は「劇団武る」(座長・三条すすむ)の指導・勝次朗の実子であること、③司京太郎は豪華な衣装を持っていること、④澤村千代丸は先代(現・紀伊国屋章太郎)の実子であること、④各劇団は一時期「舞踊ショー」を重要視したが、徐々に「芝居重視」に変わりつつあること、⑤新演美座は3月、川崎大島劇場で公演するが、集客能力(常時50人以上)には自信があること、⑥立川大衆劇場では自信がないこと、等々だが、例によって「間延び」した小林志津華の(型破りの)司会が災いし、なんと閉幕は9時50分、すんでのところで最終送迎バスに乗り遅れるところであった。
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2023-09-20

劇団素描・「新演美座」・《芝居「ちゃんばら流し」》

【新演美座】(座長・旗丈司)〈平成20年1月公演・柏健康センターみのりの湯〉
劇団紹介のパンフには「プロフィル・東京大衆演劇協会所属。前身である「演美座」は東京を中心に絶大なる人気を誇った劇団。平成15年1月に劇団名を「新演美座」と改め、座長・旗丈司と二代目座長・小林志津華を中心に活動。その斬新かつ派手な舞台は大衆演劇界に新たな波を巻き起こしている」「二代目座長 小林志津華・昭和58年5月2日生まれ。大阪府出身。血液型O型。14歳で初舞台を踏み、その後「樋口劇団」より「新演美座」に移籍。二代目小林志津華として芝居・舞踊の演出を手掛ける。斬新かつ衝撃的なその舞台は「大衆演劇の革命児」とも呼ばれ、今や関東の大衆演劇には欠かせない役者である」とある。また「老舗の伝統を重んじながら、常に新たな実験・挑戦を試み続ける劇団。涼やかな面差しに、野心あふれるエネルギーを秘めた二代目小林志津華と、それを大いなる懐で受けとめる座長・旗丈司。先代の名優・深水志津夫(故人)の愛娘、深水つかさらの活躍も見逃せない」という説明もあった。
 芝居の外題は「ちゃんばら流し」。一家の代貸し(旗丈司)が親分(金井保夫)の姐さんと「間男」して、親分を追い出す。その時、一太刀浴びせたが、とどめを刺さずに逃げられた。親分は必ず復讐に来るだろう。代貸しは、そのことを思うと夜もおちおち眠れない。子分に親分の居所を探らせると、戻り橋の下に林立する非人小屋に潜んでいることが分かった。子分に「殺(や)ってこい」と命令するが、尻込みする。これまでの親分に手向かうことは良心がとがめるのだ。代貸しは「それもそうだな、じゃあ、おれが行こう」と出かけようとしたとき、一家にわらじを脱いでいる旅鴉(小林志津華)登場。「一宿一飯の恩義、あっしに任せてください」と言って、非人小屋に向かう。旅鴉は、手負いの親分を見つけ出し、一太刀浴びせた。とどめを刺そうとしたとき、どこからともなく聞こえる法華太鼓、良心がとがめて首を落とせない。そこへ親分腹心の子分(女優・深水つかさ?)がやってきた。あわてて隠れる旅鴉。子分は動転する。「親分!どうしなすった!?」「代貸しが雇った旅鴉にやられた」、「チクショー」、子分があたりを見回すと、あっさり見つかる旅鴉、「おまえか、親分を切ったのは!?」、「そうだ。渡世の義理だ。文句があるか!」「ゆるせねえ!叩っ切ってやる」たちまち始まる立ち回り。しかし、意外にも旅鴉は弱い、すぐに刀を墜としてしまった。(戦意喪失、初めから負ける気で立ち合ったのだろう)子分があっけにとられていると、「あの代貸しは悪党だ、あっしに助っ人させてください」と言う。かくて、めでたく「敵討ち」となる筋書きだが、この芝居に、なんと2時間あまり延々と「付き合わされた」観客の反応が面白かった。いつも来ている常連の客は、顔をしかめて「もう8時すぎてるよ、やんなっちゃう。いつまでやる気かしら」と怒り出す。もう一人が「惹きつけるものがまるでない」と吐き捨てる。芝居の中に「楽屋話」(役者の私情)「世情のニュース」をアドリブで取り入れることは、大衆演劇の常道である。いわゆる「型やぶり」の演出だが、その効果があるのは「型」八分、「やぶり」二分くらいの割合を守る時だろう。今日の舞台は、その反対で「型」二分、「やぶり」八分という状態であった。つまり、通常は1時間で終わる内容の芝居を、「型破り」の演出で、倍以上に「水増し」したことになる。常連客の反感を買うという、気の毒な結果になってしまった。「常に新たな実験・挑戦を試み続ける劇団。野心あふれるエネルギーを秘めた二代目小林志津華と、それを大いなる懐で受け止める座長・旗丈司」という説明は、まさにその通りだが、「実験」「挑戦」「野心」が「型やぶり」に集中しすぎると、舞台の景色は混乱してしまう。この芝居の眼目(主題)は、登場人物が「良心の呵責」を感じることであり、その心情表現が「惹きつけるもの」になるのだが、演出者は「型やぶり」イコール「惹きつけるもの」だと誤解してしまったのではないだろうか。
「新演美座」には、旗丈司、金井保夫という「実力者」が揃っている。かつての「新国劇」、辰巳柳太郎、島田正吾のような「二枚看板」をめざし、小林志津華を緒形拳のように育てられれば、大衆演劇界の「革命」も夢ではない。
 舞踊ショーのラストで演じた「役者音頭」は、「梅澤武生劇団」の十八番であり、懐かしかった。「踊り手」を「上手」に選抜した演出は見事であった
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