META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団千章
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2024-01-27

劇団素描・「劇団千章」・《芝居「瞼の母」&「質屋の娘」》

【劇団千章】(座長・市川良二)〈平成24年9月公演・小岩湯宴ランド〉
この劇団には、かつて六代目・市川千太郎が居た。市川智二郞も居た。白龍も居た。しかし、諸般の事情(詳細は全く不明)により、彼らの姿はすでに無く、代わりに、沢村新之介が居る。(これまた何故か、特別出演の)中村英次郎(元「劇団翔龍」)が居る。梅乃井秀男(元「劇団花凜」)も居る。劇団の模様は、文字通り「有為転変」、まさに「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫はかつ消えかつ結びて留まるところ無し」(方丈記)といった風情そのものなのである。これまでの座長・市川千太郎に代わって、兄の市川良二が座長を務めているものの、それは「無理」というものである。良二の「持ち味」は、あくまで千太郎の相手役、その「脇役」に徹してこそ、「いぶし銀」のような輝きを発揮することができたのに・・・、といったあたりが常連・贔屓筋の評判ではないだろうか。さて、芝居の外題は昼の部「瞼の母」、夜の部「質屋の娘」。どちらも大衆演劇の「定番」、とりわけ「瞼の母」の主役・番場の忠太郎は「立ち役」の魅力が勝負所、千太郎よりも良二の方が「適役」ではないだろうか・・・、などと思いつつ幕開けを待った。配役は、忠太郎に市川良二、その母・おはまに市川千章、妹・おとせに市川誠、おはまに無心に来た夜鷹に梅乃井秀男、素盲の金五郎に中村英次郎といった陣容で、まず申し分はないのだが、相互の「呼吸」が今一歩、まだ練り上げられた景色として「結実化」するまでには時間がかかるだろう。芸達者なそれぞれが、それぞれに芝居をしている感は否めない。それもそのはず、今月公演の演目は「日替わり」で1日2本、およそ60本の芝居を「演じ通す」のだから。すべてが「ぶっつけ本番」、その懸命さには頭を垂れる他はない。夜の部「質屋の娘」、主役はもとより美貌の娘・おふく、○○期の病気がもとで「魯鈍気味」、その「あどけない」(無垢な)風情を、どのように描出するか。彼女を育む父親・中村英次郎の景色は絶品、市川良二の「女形」も悪くはなかったが、千太郎には及ばなかった。良二は良二、千太郎は千太郎、それぞれの「かけがえ」は代えることができないのである。というわけで、「劇団千章」は、かつての「市川千太郎劇団」ではない。六代続いた伝統の行方はいずこへ・・・、一抹の寂しさを噛みしめつつ帰路の就いたのであった。
瞼の母―長谷川伸傑作選瞼の母―長谷川伸傑作選
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2023-11-24

劇団素描・「劇団千章」・《芝居「人生の並木路」・千太郎!カム・バック!!》

【劇団千章】(座長・市川良二)〈平成25年9月公演・小岩湯宴ランド〉
芝居の外題は「人生の並木道」。貧しい漁師(座長・市川良二)と、その妹(神楽坂美佳)の悲しい物語である。妹は幼いとき、浜の櫓で遊んでいた網元(市川千章)の息子・新吉(市川誠)が、誤って転落するのを受け止め、息子は無事だったが、自分は「山が見えたり隠れたり」の障害者になってしまった。網元は「妹のおかげで息子が助かった」と感謝、「末は息子の嫁に」と許嫁の約束を交わしていたが、時は流れて十余年、妹の父はすでに亡く、兄と二人で、貧しいながらも地道に暮らし、花嫁衣装も整えた。まもなく、旅に出ていた新吉も帰郷し、めでたく祝言をあげる運びであったが・・・。心変わりは人の常、喉元過ぎれば熱さを忘れたか、網元が息子の嫁に選んだのは隣村のお大尽の娘であった。そのことを告知に来た網元に向かって兄、「そんな話は聞けない」と抗うが、網元は頑として応じず、縁談は破談となった。加えて、網元の身内衆が大勢で押しかけて、妹の歩様を「囃し立てる」始末。折しも今日は祝言の日、妹は屈辱に耐えきれず網元の屋敷へ・・・。まもなく、その屋敷から火の手が上がった。煙に巻かれながら必死で逃げる妹、その姿を見咎める兄、さらにその兄妹の後を追う十手持ちの役人(澤村新之助)の「思い入れたっぷり」に舞台は暗転、大詰めへ。家に逃げ帰った妹に向かって兄曰く、「おまえが火付けをしたことはわかっている。何の罪もない隣村の新婦は焼け死んだ。おまえも死ね。兄ちゃんもすぐに後から逝く。さあ、早く死ぬんだと言って出刃包丁を差し出した。「いやだ、オラ、新ちゃんの嫁になるだ!」「何をバカなことを言っている。もうオラ達はこの村に住めねえ、おまえは磔、獄門。そんな姿を兄ちゃんは見たくねえ。さあ、死ぬんだ!」などと争ううち、役人がやって来た。あわてて、妹を奥にやる兄、「妹はいないか」という問いかけに「妹はいない。親類の家に使いに行っている」。「網元の屋敷に火付けをしたのは、おまえの妹・・・」「違う、違う!火付けをしたのはオラだ・・・」。実を言えば兄と役人は幼友達、竹馬の友、気心は十分にわかっているだけに、役人も辛い。心を鬼にして兄を捕縛しようとしたその時、新郎の新吉が飛び込んできた。「もし、お役人さん!先ほどの火事は、女中の粗相火からでした」「何!女中の粗相火?!」。そうだったのか、それなら妹の疑いは晴れた、妹は奥に居る、早く知らせてと一同、奥を探すが見当たらず、やがて兄が見つけたのは花嫁衣装が飾られた屏風の陰、出刃包丁で自害した妹の亡骸であった。「泣くな妹よ、妹よ泣くな、泣けば幼い二人して・・・」という「人生の並木路」が流れる中、幕は静かに下りていった、という次第。座長の口上によれば、この芝居はもともと「新派」を下敷きにしている「劇団のお家芸」とのこと、どこか「鹿島順一劇団」の「浪に咲く花」にも似て、たいそう趣のある舞台模様であった、と私は思う。欲を言えば、貧しい漁師役の座長・市川良二、まさに「エンジン全開」とった様子で、懸命な姿勢に脱帽するが、力が入りすぎ、声も疲れて「荒れ放題」、役者の条件は「一声、二顔、三姿」というではないか。肝心要の「声」を大事にしてもらいたい、などと身勝手なことを考えてしまった。前回(平成24年9月)の見聞で私は〈、「劇団千章」は、かつての「市川千太郎劇団」ではない。六代続いた伝統の行方はいずこへ・・・、一抹の寂しさを噛みしめつつ帰路の就いたのであった〉と綴ったが、劇団の演目は「市川千太郎劇団」時代のものを踏襲、どこか千太郎の面影も残っている。だとすれば、一日も早く本物の六代目・市川千太郎が復帰することが肝要、その日が来るのを「一日千秋の思い」でファン(私)は待っているのである。千太郎!・・・、カム・バック!!
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2023-11-21

劇団素描・「劇団千章」・《芝居「瞼の母」再演!》

【劇団千章】(座長・市川良二)〈平成25年9月公演・小岩湯宴ランド〉
 昼の部、芝居の外題は「瞼の母」。私はちょうど1年前、同じ劇団、同じ演目の舞台を、同じ劇場で見聞している。以下は、その時の感想(の一部)である。〈「瞼の母」の主役・番場の忠太郎は「立ち役」の魅力が勝負所、千太郎よりも良二の方が「適役」ではないだろうか・・・、などと思いつつ幕開けを待った。配役は、忠太郎に市川良二、その母・おはまに市川千章、妹・おとせに市川誠、おはまに無心に来た夜鷹に梅乃井秀男、素盲の金五郎に中村英次郎といった陣容で、まず申し分はないのだが、相互の「呼吸」が今一歩、まだ練り上げられた景色として「結実化」するまでには時間がかかるだろう。芸達者なそれぞれが、それぞれに芝居をしている感は否めない。それもそのはず、今月公演の演目は「日替わり」で1日2本、およそ60本の芝居を「演じ通す」のだから。すべてが「ぶっつけ本番」、その懸命さには頭を垂れる他はない〉。さて、本日の配役は、忠太郎、おはまに変わりはなかったが、妹・おとせに神楽坂美佳、夜鷹に澤村新之助、素盲の金五郎に市川誠といった面々で、その出来映えは前回より数段「向上」していた、すべてが「ぶっつけ本番」は前回同様であったが、相互の呼吸が(客との呼吸も)ピッタリで、幕開けから大詰めまで、寸分の隙もない名舞台に仕上がっていた。とりわけ、座長・市川良二の忠太郎は絶品、父・市川千章が自家薬籠中のものにしている女形・おはまの「至芸」に胸を借りて醸し出す「母子の逢瀬」は絵巻物のように鮮やかであった。夜鷹から話を聞いてしばらく逡巡、意を決して料亭・水熊に駆け込んでいくまでの様子、おはまから「這い込み」だと決めつけられ「あっしを銭もらいだと仰るんですか」と言いながら、大切に胸に暖めてきた百両の小判を、サラサラと畳に落としてみせる景色は珠玉の名場面、私の涙は止まらなかった。願わくば、そこに流れる音曲が「永い歳月(としつき) 別れて住めば、遠くなるのか 気持まで 俺は 俺は馬鹿だよ おっかさん おっかさん なまじ逢わなきゃ 泣くまいに・・・」(作詞・横井弘、作曲・遠藤実、唄・二葉百合子)であったらなあ、などと身勝手なことを考えてしまった。座長・市川良二(本来)の魅力は、あくまでも「地味」な脇役、主役の「派手さ」を際立たせる「いぶし銀」の輝きこそが彼の真骨頂であるはずなのに、今は座長の立場を全うしなければならない。その「辛さ」が、忠太郎の風情にも加わって、文字通り「迫真の演技」を展開することができたのではないか、と私は思う。隣の女性客いわく「いつもは舞踊ショーしか見ない。でも今日は題目がよかったから、芝居も観に来た・・・」。その甲斐あってか、閉幕後のビンゴゲームでは、なんと一等賞、5千円分の食事券をゲット。「今日は題目がよかったから」という判断に誤りはなかったようである。まさに「御同慶の至り」、オメデトサン!当方は、リーチのままで終わったカードを眺めつつ、岩盤浴に向かったが、本日の舞台5千円以上の価値があったことは間違いない。
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