META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 玄海竜二一座
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2023-06-11

劇団素描・「玄海竜二一座」・《芝居「へちまの花」と舞踊「ヤットン節」》

【玄海竜二一座】(座長・玄海竜二)〈平成22年8月公演・大阪朝日劇場〉
5時数分後に入場するとすでに椅子席は満員、200円追加して桟敷席に向かう。ミニショーでは、久しぶりに観る東雲長次郎の舞姿(女形)が実に鮮やかで、文字通り「筆舌に尽くしがたい」景色であった。芝居の外題は「へちまの花」。これまでに私は同じ狂言を、「劇団京弥」(座長・白富士一馬)、「三河家劇団」(座長・三河家桃太郎)、「劇団新」(座長・龍新)の舞台で見聞している。この芝居の眼目は、「人を見た目で評価してはいけない」「大切なのは容貌よりも心の美しさ」といったあたりだと思われるが、それを舞台模様として描出することは容易ではない。ともすれば、その見た目を「晒し者」にするだけで閉幕となってしまう。出来栄えの成否は脇役陣の「実力」にかかっている。今日の配役は、主役のお花が座長・玄海竜二、相手役の画学生が長谷川京也ということで、まず申し分ないところだが、いかんせん、お花の風情が「強烈すぎる」ように、私には感じられた。これまで男衆から声をかけられることなど皆無であったお花が、画学生から「好きです」と言われ、思わず「発情」、下腹部に手を当てる仕種は、実社会では無理もない、大いに共感できるのだが、舞台上で「絵にする」ことは至難の業、ただの「下ネタ」で笑いをとることと変わりがないのではないか・・・。「心の美しさ」は仕種にも現れて当然、さすれば現在、お花の心情やいかに?、などと理屈っぽいことを考えてしまったのである。まあそれはそれ、九州の芸風と割り切ってしまえばよいのかもしれないが・・・。そんなわけで、他の劇団を凌ぐほどの感動は生じなかった。一方、今日の舞台の極め付きは、何と言っても「舞踊ショー」大詰めの「ヤットン節」。その景色、面白さはまさにピカイチ。座員全員が舞台に整列、玄海竜二を中心に、おのがじし勝手な「お面」を身につけて、あたかも「ラジオ体操」のごとく整然と踊りまくる。その一挙一動一頭足がピタリとそろえばそろうほど、「お酒飲むな、酒飲むなの、御意見なれど・・・」で始まるナンセンスな歌詞が生き生きと冴えわたってくるから不思議である。その、「可笑しく滑稽な」空気に、もいわれぬ「艶やかさ」が加わるといった趣で「お見事!」という他はなかった。昭和20年代、一世を風靡した未曾有のナンセンスソング「ヤットン節」は、ほぼ60余年の時を経て、今まさしく甦り、平成の庶民に大きな「元気」「勇気」をもたらしてくれたのだ。その「おこぼれ」を存分に頂いて帰路に就いた次第。
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(2011/09/22)
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2023-06-08

劇団素描「玄海竜二一座」・《芝居「男十三夜」は九州の「真髄」》

【玄海竜二一座】(座長・玄海竜二)・〈平成22年8月公演・大阪朝日劇場
案内チラシには「待ってました!朝日劇場に初お目見え!玄海竜二」という文字が刷り込まれている。斯界日本一の劇場で、九州随一の旅役者が演じる舞台はさぞかし充実しているだろうと、胸躍らせて赴いた。芝居の外題は「男十三夜」。聞けば玄海竜二が十五歳で座長を襲名した折りの「出世狂言」とやら、なるほど面白い。「弐場」の構成だが、まず冒頭で、町内の大工が血相変えて捜し物、一朱の金を落としたという。居合わせた知り合いたちも、あちこち手分けして捜したが見つからない。そこへ十手持ちの親分(大島竜志)も登場して大工にいわく「一朱といえば大金だ。ところでいつ無くしたんだ?」。大工答えて「へえ、三日前なんで・・・」。一同唖然として退散といった景色が何とも面白かった。この場面、芝居の本筋とは無縁、単なる「味付け」に過ぎないが、第弐場(一年後)の冒頭でも再現される。十手持ちの親分登場して大工にいわく「一朱といえば大金だ。いったいいつ無くしたんだ」「へえ、一年前なんで・・・」というやりとりで駄目を押す。客を舞台に惹きつけて厭きさせない、気の利いた演出が見事だと思う。ところで、この大工を演じた役者は誰だろうか。たぶん、菊池川真の助だと思われるが、そんな「ちょい役」で存在感を示すことができる「実力」は半端ではない。さて、本筋は、料亭の仲居頭・お蔦(藤乃かな)とスリ(座長・玄海竜二)の物語。お蔦には身持ちの悪い亭主(三代目・片岡長次郎)がつきまとい、働きもせず金の無心にやってくる。今日も今日とて、「ケガの治療に五両要る」とのこと、お蔦はやむなく店の主人から五両調達、亭主に渡そうとしているところにスリと弟分(長谷川京也)が登場、いきなりその金をひったくる。お蔦、あわてて「返して・・・」と交渉するが、金はどこにもない。二人で揉めているところに
十手持ちの親分登場。弟分に渡っていた金を取り戻し、スリを捕縛した。金を返してもらったお蔦、「親分、お金も戻ったことだし、今回は見逃してあげて」と言いつつ、スリに諫言する。「どうか、もう悪いことをしないで・・・」、泣きながら自分の簪を差し出し「これを戒めにして、真面目に働いてください」。瞑目して聞いていたスリ、心底から「改心」した。見るからに「性悪」「傍若無人」な風情が、次第次第に変容、真人間の移り変わっていく様子を、玄海竜二は「所作」「表情」だけで、見事に「演じきった」。なるほど、彼は斯界屈指の「旅役者」であることを「掛け値なく」納得した次第である。その姿を見て、親分も納得したか。「ホラ、あれを見ろ。きれいなお月さまじゃないか・・・」などと言いながら、それとなく縄をほどいてスリを逃がしてしまう・・・、といった按配で、舞台模様はまさに「一級品の出来栄え」であった。「弐場」、スリは堅気(荷物を背負った行商人)の姿で再登場、大恩あるお蔦に会おうと店先を窺う。今は店主に見初められて女将となったお蔦であったが、元の亭主は未だに性懲りもなくつきまとい、五十両もの大金をせびる始末。その様子を見聞したスリ、元の亭主を追い返そうと「睨み合い」、背負った荷物を下に置いた途端に形相が変わった。悪党時代の風情に戻って、元の亭主と渡り合う、その景色は迫力満点、匕首を奪い合う立ち回りは見応えがあった。それもそのはず、相手は名にし負う三代目・片岡長次郎、その風貌からして元の亭主は「はまり役」、九州大衆演劇の真髄を十二分に堪能できたのであった。玄海竜二は現在53歳(?)、その舞台姿(男の魅力)は、どこか(私が敬愛する)二代目・鹿島順一(現・甲斐文太)に似ているが、はたして両者に「つながり」ありや、なしや・・・?そんな思いを巡らしつつ帰路についた次第である
九州旅情九州旅情
(2008/04/23)
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