META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 2023年04月
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2023-04-30

劇団素描・「劇団暁」・《芝居「奥様仁義」・配役の妙と三咲暁人の「魅力」》

【劇団暁】(座長・三咲夏樹・春樹)〈平成27年3月公演・小岩湯宴ランド〉
芝居の外題は「奥様仁義」。私はこの芝居を、以前「市川千太郎劇団」の舞台で見聞しているが、今日の出来映えは「いずれ菖蒲か杜若」、この劇団ならではの魅力が随所に散りばめられていた。幕が開くと、そこは居酒屋の店先か、土地の親分(三咲大樹)が百姓姿の兄(三咲龍人?・夏樹座長の三男)に絡んでいる。「前々からお前の妹(三咲憧・春樹座長の長男)に惚れている。オレの女になるよう説得しろ」。それを聞いて、客席が笑い出した。見れば、兄も妹もまだ(おそらく)○○○。親分「何が可笑しい!」といきり立って、客席をにらみつける。その一瞬で、舞台と客席の「呼吸」がピタリと合った。兄、「それでは妹に聞いてみましょう、お前どうする、親分の女になるか、そうか、嫌か、親分、妹は嫌と言っております」、親分、その様子を見て「まだ、妹は何もいっていないじゃねえか」と言ったやりとりは定番、「そうですか、ではもう一度」と言って確かめれば、妹「嫌です、気持ち悪い、ダイッキライ!」。親分、もうこれまでと連れ去ろうとしたが、すかさず菅笠が飛来、現れたのは旅姿の女侠客(座長・三咲春樹)、「やめないか」と言うなり、親分の腕をねじ上げ、顔面に一発平手打ち、そのピシャリという音が客席後方まで届く。親分「アイタ-、芝居なんだからもう少し手加減してくれよ」とぼやきながら逃げ去った。その顛末を見ていたのが呉服屋大店の女主人(三咲さつき)と若旦那(座長・三咲夏樹)。若旦那は見るからに「つっころばし」、そのなよなよとした風情がたまらなく魅力的であった。女侠客を惚れ惚れと見つめながら「おっかさん、あの方を嫁にしたい。」呆れかえる女主人に「もし一緒になれなければ、首を吊って死にます」だと。女主人、しぶしぶ女侠客と交渉、何度も追い返されるが、若旦那の気持ちは変わらない。かくて、女侠客は、めでたく呉服屋大店の「若奥様」に収まった。そこにやって来たのが百姓姿の兄妹、応対したのが一番番頭(三咲暁人)。兄曰く「母は大病で明日をも知れぬ命、妹の花嫁姿を一目見て死にたいと言います。花嫁衣装を買いに来ました」番頭「花嫁衣装なら揃っていますよ、どれにしますか」と言いながら三着ほど用意した。妹、お気に入りの一着を指させば、兄「値段はいかほど?」「ハイ、二十両です」「私たちは貧乏人、少しまけてくれませんか」「いいでしょう、いくらに?」「・・・二分に!」、それを聞いて番頭、ずっこけながら怒り出す。「冷やかしなら止めてください、私は忙しいんだ」。その騒ぎを聞きつけて若奥様登場。「どうしたんだい?」兄妹の話を聞いて、三着すべてを無償提供、見舞金10両まで手渡した。おさまらないのは番頭、女主人を呼び出して訴える。「こんなことをしていたらお店の身上はつぶれます!」女主人も同意して、若奥様を追い出そうとしたが、そこに若旦那登場。「いいではないですか、人助けをすれば、お店の評判もあがります」。女主人、あきれて「いいえ許しません。姑去りを申しつけます」「それでは私も出て行きます!」と言われて「そんなことはできない。もう勝手にするがよい」と諦めた。その場は一件落着となったが、おさまらないのが若奥様、退場しようとする若旦那に一言「番頭に話がありますのでお先に」。その一言を聞いて、番頭は恐怖の極致、その固まった風情が「絵になっていた」。「よくもベラベラと告げ口をして」というなり、竹刀を持ち出し番頭を追いかけ回す。番頭は客席を逃げ回って楽屋裏に引っ込んだが、激しい衝撃音と悲鳴が聞こえてくる。やがて番頭、ぼこぼこに打擲された様子で、ヨロヨロと登場、またもや女主人に訴えるという繰り返しは、抱腹絶倒場面の連続であった。以後は、仕返しにやって来た冒頭の親分一味を成敗して、若奥様は旅に出る、その後を若旦那が追いかけ、なぜか女主人までも追いかける、その様子を番頭が呆然・憮然として見送るうちに幕となったが、客席には「美味しい料理を食べ終わった」ような満足感が、いつまでも漂っていた。以上の舞台模様を総括すれば、その魅力を支えているのは、一に配役の妙、二に客席との呼吸、三に脇役の存在ということになるだろう。中でも、夏樹座長の長男・三咲暁人の「実力」は、半端ではない。表情、所作、歯切れのよい口跡、一挙一動の全てが観客を惹きつける。登場しただけでオーラが漂う役者として、今後の成長が楽しみである。その昔(昭和40年代)、浅草木馬館には「観音温泉・踊りの先生」と呼ばれる女性客がいた。常連としてあまた多くの舞台を見聞したであろう彼女は、いつも一言「コドモが一番うまいや!」と呟いていた。その言葉を思い出しながら、今日もまた大きな元気を頂いて、岩盤浴に向かった次第である。感謝。
浅草木馬館日記浅草木馬館日記
(1996/04)
美濃 瓢吾

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