META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団喜楽
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2023-08-24

劇団素描・「劇団喜楽」・《芝居「三人出世」の名舞台》

【劇団喜楽】(座長・旗丈司)〈平成24年5月公演・大宮健康センター湯の郷〉
この劇団は旧「新演美座」。斯界関東の名優、故深水志津夫の弟・旗丈司が劇団を引き継ぎ、隆盛を極めていたのだが、なぜか数年前、(斯界の「革命児」と謳われた)小林志津華、(深水志津夫の愛娘)深水つかさらが脱け、名を「劇団喜楽」と改めた。ではいったい、その穴をどのように埋めたのか、その舞台模様を一見したいと、興味津々の心持ちで来場した次第である。なるほど、新参者は旗丈司の「兄弟分」・松川友司郎の孫・桂木小祐司・松川翔也兄弟と、その母・松川さなえであったか・・・。加えて、この劇団には、元「金井劇団」座長・金井保夫が「後見」として鎮座、裏方(照明)には、元「辻野劇団」座長・辻野光男が控えているといった按配で、昭和40~50年代に一世を風靡した(関東の)群雄が結集しているのである。さて、芝居の外題は「三人出世」、大衆演劇の定番だが、さすがは「劇団喜楽」、たいそう見応えのある名舞台に仕上がっていた、と私は思う。時は江戸時代、ある寒村の若者三人、サダやん(座長・旗丈司)、シマやん(大和歩夢)、トモやん(松川さなえ)が、庄屋(翔ゆうじ)や村人たち(松川翔也・雲井松美・さやか)に送られて、江戸へ出立する。サダやんは大店の番頭、シマやんは金貸し、トモやんは十手持ちと、それぞれの夢を抱いてから三年の年月が流れた。一番に夢が叶ったのはシマやん、今では立派な金貸しになってトモやんからも借金を取り立てている。トモやんも十手持ちの子分になったが、恋人(桂木小祐司)の父親の(弔いの)ために一両借り、その期限は過ぎていたのだ。親分(金井保夫)から、今、手配中の「怪盗定吉」を召し捕ったら百両もらえると聞き、「絶対にオレが捕まえてみせる、そうすれば借金も返せる」と思っていたのだが・・・。あにはからんや、件の「怪盗定吉」とは、あのサダやんであったとは、という筋書きである。見どころは、若者三人が三年後、「三者三様」に変貌する風情であろうか、一人は極悪非道の盗人に、一人は強欲非情の金貸しに、しかし(どこかスローで頼りない)トモやんだけは、昔ながらの純情を保っていた・・・。この「純情」こそが、芝居の眼目に違いないが、女優・松川さなえは、その景色を(表情・振り・口跡で)ものの見事に描出していた。恋人役の息子(女形)・桂木小祐司の初々しい「可憐さ」も花を添え、両者の「絡み」は錦絵のように魅力的であった。さらに、サダやんの座長・旗丈司は、決してピンマイクを装用しない。その澄んだ口跡が一段と冴え渡って、「悲劇」は大詰めへ。十手持ち親分・金井保夫の温情に深々と頭を下げる「怪盗定吉」の旗丈司、両者に光を当てる(裏方)辻野光男の風景もまた、「三者三様」の「出世模様」ではなかったか。今は昔(昭和40年代)、「千住寿劇場」で場数を踏んでいた「演美座」「金井劇団」「辻野劇団」「桂木劇団」らの面々が、数十年の時を経て、未だに活躍し続けている姿は感動的である。今日もまた、大きな元気を頂いて帰路に就くことができたのであった。
大衆演劇への旅―南条まさきの一年二ヵ月大衆演劇への旅―南条まさきの一年二ヵ月
(1994/01)
鵜飼 正樹

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