META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団花吹雪
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2023-09-13

劇団素描・「劇団花吹雪」・《芝居「道中夢枕」》

【劇団花吹雪】(座長・寿美英二、桜京之介)〈平成20年5月公演・浅草木馬館〉
関西の人気劇団、ゴールデンウィーク開催ということもあってか、館内は「大入り」、昨年、大阪・浪速クラブで見聞した時の雰囲気・情景が蘇ってきた。この劇団も、「人気」「実力」「財力」の三拍子揃った「本格派」であることは間違いない。
 芝居の外題は「道中夢枕」、主人公は江戸の三味線弾き(若座長・桜春之丞)、弟弟子に女房を寝取られ、「間男成敗」の道中、渡し船に乗り遅れて、近くの荒れ寺にやってきた。幽霊の出そうな雰囲気だが、玄関には酒瓶が置いてある。次の船が出るまで時を過ごそうと、その酒を口にしたところへ寺の住職(寿美英二)が登場。彼は無銭飲食を責めるわけでもなく、「まあ、いっぱいやりましょう」と言って、二人の酒盛りが始まった。酒の肴に「怖い話」などして笑い合う内に、村の娘(小桜あきな)がやってくる。「爺様が息をしていない。死んだかもしれんので、お経を上げに来てくんろ」、「よしよし」言って、住職退場。三味線弾きは、したたか飲んだ酒が回って、その場に昏倒状態。そこへ、草鞋を手にした若い男女(小桜真・   )が逃避行の風情で登場。暗闇の中で、三味線弾きに蹴躓いた。「いてえ・・」と、飛び起きた三味線弾き、二人の様子を見て「なさぬ仲」と邪推する。「一時の色恋沙汰で「現実の生活」がうまくいくはずがない。そもそものなれそめはどうなんだ?はじめにちょっかいを出したのは女の方に違いない。おい、お前、お前は騙されているんだ。今のうちならまだ間に合う。早く別れてしまえ・・・」などと独り合点して、男女と絡み合う景色が何とも面白く絶妙な舞台であった。いろいろと、問い詰めているところに、国定忠治(桜京之介)とその一行が「威風堂々と」登場。若い男女の「間男成敗」をするという。(女は忠治から逃げ出していたのだ)「やっぱりね!」と面白がる三味線弾き。それでも「やろうども、その男やっちまえ、女は生かしておけ」と指示する忠治に抗議する。「そりゃあおかしい!昔から間男成敗は二つに畳んで四つ斬りと決まっている。女を生かすなんて聞いたことがない」、忠治「それは、堅気衆の話、やくざにはやくざの定法がある」「だからこそ、おかしいと言うんだ。おれだって、自慢じゃないが、女房に逃げられた!たとえ、男を許すことはあっても、女だけは許さねえぞ!」と言ったとたん、一同、哄笑。忠治に殺られそうになっている男まで笑っている。いったいどうなってるんだ?訳のわからないうちに、なぜか立ち回り、三味線弾きが、はずみで手にしたドスが忠治の脇腹へ、「よくも親分をやりやがったな!」、日光円蔵の一太刀で、三味線弾きもあえない最後、意識を失った。ところがである。どこからともなく聞こえてくる女房の声、「あんた。あたしをもう探さないで。あたしは今、幸せにやってるんだから。お願い、もう探さないで・・・」その声に触発されたか、それとも「死ぬなよ」という客の声に応えたのか、三味線弾きがむっくりと起き上がる。「チクショウ、ヤラレタ、モウダメダ、イテエ・・・」などと、しきりに身体をかきむしっていたが「あれ?変だな・・・。どこにも傷がない。斬られていない・・・」と、言いながら、すべてを納得。これまでのできごと(住職退場後のなりゆき)は、「夢」だったのだ。「生きていたのは幸い、もう女房のことはあきらめ、一からやり直しだ!」と決心したところで幕となったが、大衆演劇の芝居では珍しい「力作」、若座長・桜春之丞の「熱演」が光っていた。さすがは、「劇団花吹雪」。舞踊ショーも「豪華絢爛」な内容で、本格的な「関西の舞台」を十分に満喫できた次第である。
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2023-08-21

劇団素描・「劇団花吹雪」・《芝居「下田の夜話」の油断》

【劇団花吹雪】(座長・桜春之丞、三代目桜京之介)〈平成24年初春公演・浅草木馬館〉
これまで座長を務めてきた桜京之介は、去年(平成23年)7月に退任、その名と座長の座を長男の桜真之輔(三代目桜京之介)に譲り、自らは桜京誉と改名した由。これまでは寿美英二・桜京之介(兄弟)の「二枚看板」に桜春之丞(寿美英二の長男)が「花を添える」といった舞台模様であったが、その様相は「一変」しつつある。劇団の若返り(世代交代)を図るためには当然の成り行きと思われるが、その結果が吉と出るか凶と出るかは「今後次第」ということであろう。今日の舞台を観る限り、明らかな「ペースダウン」(レベルダウン)が(私には)感じられた。芝居の外題は「下田の夜話」。遊郭の花魁(?)春駒(小春かおり)を、その間夫・卯の吉(三代目桜京之介)と、土地の帆立一家親分(春日隆)が「身請け競争」をするというお話。寿美英二は(間夫に味方する)遊郭の主人、桜京誉は間夫の兄、座長・桜春之丞は間夫の兄貴分とおぼしき股旅人を演じていたが、その筋書きはわかったようでわからない。BGMに「鯉名の銀平」が流れていたこと、卯の吉、帆立の親分などが登場したことから察するに、「雪の渡り鳥」あたりを下敷きにしたのであろうか・・・。要するに、①春駒と卯の吉は結ばれた。(のに)②帆立の親分は1年後もまだ未練がある。③そこで一家の用心棒(桜梁太郎)が、子分たちを使って春駒を拉致しようとした。④そこに割って入ったのが股旅人、春駒を助けたと同時に「一目惚れ」。⑤卯の吉を訪ねてきた帆立の親分が、はずみで(?)兄を斬り殺した。⑤卯の吉も帆立一家に襲われた(?)。⑥春駒は股旅人に助けを求める。その見返りとして、二人は「仮祝言」をとりかわす。⑦股旅人は帆立一家を成敗。⑧卯の吉と股旅人は春駒を譲り合う。⑨股旅人は卯の吉と春駒の「縁結び」をして立ち去る・・・、といった筋書きであったが、場面が「断片的」で、一貫した「眼目」が伝わらない。加えて、配役の(妙ならぬ)「難」(?)、仇役・帆立一家親分に老優・春日隆では「荷が重すぎた」。まして(娘の)小春かおりを三代目桜京之介と張り合うようでは、結果は見えている。大看板の寿美英二や桜京誉も「ちょい役」では、「根も葉もない花吹雪」然、往時とは比べものにならない(「惨状」に近い)舞台模様であった、と私は思う。もしかして、今日は「三が日」と「七草」の中間日、どこかに「つなぎ」「息抜き」の気分はなかったか。しかし、それは大いなる「油断」というものである。聞けば、「座長・桜春之丞誕生日公演」では、来場者全員にDVDをプレゼントするとのこと、だがしかし、観客(私)が求めている
のは「物品」ではない、今、目の前で展開される、役者の息吹、渾身の技によって展開する、かけがえのない「舞台絵巻」(人間模様)なのだ。大黒柱になった座長・桜春之丞曰く「役者にとっては舞台がすべて」。おっしゃるとおり、その心意気で精進を重ねていただきたい。さらに言えば、「後見の二枚看板」寿美英二・桜京誉、退くのはまだまだ、(若手座長の鑑として)よりいっそうの飛躍・活躍を期待したい。「これからは花も実もある花吹雪」チャンチャン。
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2023-04-13

劇団素描・「劇団花吹雪」・《芝居「一本刀土俵入り」(客演・三河家諒)の名舞台》

【劇団花吹雪】(座長・桜春之丞、三代目桜京之介)〈平成24年初春公演・浅草木馬館〉
芝居の外題は、御存知「一本刀土俵入り」。今日の舞台は第一部・ミニショーを省略、いきなり芝居・前編の幕を開け、途中休憩を挟んで後編、第二部が歌と踊りのグランドショーという構成であった。客演の三河家諒を迎え、より充実した舞台に挑もうとする劇団の意気込みが感じられ、たいそう頼もしい趣向であった。芝居の主なる配役は、駒形茂兵衛に三代目桜京之介、安孫子屋の酌婦お蔦に三河家諒、舟戸の弥八に桜愛之介、お蔦の情夫・辰三郎に桜春之丞、波一里儀十に桜京誉、利根川の漁師(?)に寿美英二、船大工に春日隆といった面々で、まず申し分ない。前編の幕が上がると、そこは取手宿・安孫子屋の店先、大声を上げて暴れ回る弥八を取り巻いて右往左往する行商人、板前、酌婦等々「その他大勢」で賑わう気配もよろしく・・・、よろよろと登場したのが浴衣姿の取り的姿・駒形茂兵衛。その様子は「勘三郎」もどき、みすぼらしくあわれな風情の描出はまことに見事で、三代目桜京之介、「努力精進」の跡が窺われる出来映えであった。やがて、安孫子屋二階の障子がパット開いて、酌婦・お蔦の艶姿が映し出される。「よおっ!三河家!」 というかけ声とともに客席からは大きな拍手、文字通り「苦界に咲いた一輪の花」といった三河家諒の景色は、一段と鮮やかであった。その後、お蔦と茂兵衛の呼吸もピッタリ合って、寸分の隙もない展開はお見事!、非の打ち所がなかった。とりわけ、「櫛、簪、巾着ぐるみ御意見まで頂いた」茂兵衛の泣き崩れる姿、うらはらに情夫・辰三郎への想いを秘めながら、あばずれを演じなければならないお蔦のやるせない姿のコントラストが鮮やかで、天下一品の舞台模様であった。いつまでもふり返りながら遠ざかっていく茂兵衛に向かって、「よおっ、駒形あーっ!」と渾身の声をかけて見送るお蔦の姿 は、「一幅の屏風絵」、その余韻を漂わせながら前編の幕は下りた。というわけで、前編は百点満点の出来映えであった、と私は思う。さて、重要なのはその後・・・、前場より十年の経過を、幕間でどのように描出するか。当然のことながら「利根の堤の秋草を 破れ草鞋で踏みしめる 駒形茂兵衛のふところに 残るお蔦のはなむけが 男心を温めて 何時か秋去り冬も行き、めぐる春秋夢の間に、十年過ぎたが 番付に駒形茂兵衛の名は見えず お蔦の噂も何処へやら 春の大利根今日もまた 昔変わらぬ花筏」という二葉百合子の「語り」(浪曲「一本刀土俵入り」)が不可欠と思われるが、残念ながら今日の幕間は「無音」・・・、客のざわめきが聞こえるだけで、むなしく過ぎてしまった。さて、後編の舞台は、様相が「一変」する。(「一変」しなければならない)。横綱を目指した茂兵衛の夢は破れ、(無様にも)「こんな姿に成り果てました」、他方、お蔦は(見事に)水商売の足を洗って、堅気姿の母親に・・・、このコントラストをどこまで際だたせることができるだろうか。幕が上がると、そこは利根川べりの船着き場。網の手入れに余念がない老爺の姿は、さすが寿美英二、「居るだけで」絵になっていた。やって来たのが股旅姿の駒形茂兵衛、その姿には「十年」という年輪が刻み込まれていなければならない。①夢を叶えられなかった悔恨、②現在、自分の姿の恥ずかしさ、③瞼の女・お蔦への思慕、④御恩返しの仁義沙汰、等々が「綯い交ぜ」にされているかどうか、私は興味深く見守った。
たしかに、純朴で母思い、泣きべそだった「取り的」は、今では、きりっと引き締まった渡世人に「変化」(へんげ)してはいたのだが、その心中(心模様)の描出までには時間がかかる。しかし、三代目桜京之介は、まだ弱冠22歳、駒形茂兵衛に比べて「十年早い」のだから、それを望む方に無理があるというもの、とまれ、彼は精一杯、この難役を演じきっていたと思う。老漁師や老(船)大工とのやりとりもそつなく、波一里一家との「絡み」「立ち回り」は申し分なかった。ただ一点、欲を言えば、女児の唄声を手がかりに、ようやくお蔦との再会が叶った、「その一瞬」を「絵」にすること。二葉百合子も「会えてうれしい瞼の人は 辛い連れ持つ女房雁 飛んで行かんせ どの空なりと これが白羽の仁義沙汰」と詠っているではないか。その景色・その風情を描出することが、今後の課題である、と私は思う。片や、お蔦は、と見れば・・・、闖入してきた舟戸の弥八に対して茂兵衛が噛ました「頭突き一発」、その一瞬を見て十年前を「思い出す」、三河家諒は、その心中を「体全体」で、瞬時に描出したのであった。「お見事!」、その言葉は何度言っても言いすぎることはない。そんなわけで、私が待ちこがれていた大衆演劇・「一本刀土俵入り」の名舞台は前編100点、後編80点、総合点は90点あたり、というのが私の感想である。末尾ながら、裏方、大道具の「大仕立て」、回り舞台(手動)による状景作り、丸い輪郭を消した「照明スポット」も秀逸、関係者一同の協力・努力に敬意を表する。感謝。
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2023-04-12

劇団素描・「劇団花吹雪」・《芝居「へちまの花」、客演は三河家諒》

川の流れのように ~美空ひばりをうたう川の流れのように ~美空ひばりをうたう
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芝居の外題は(御存知)「へちまの花」。今日は、斯界屈指の名女優・三河家諒が特別出演ということで、はたしてどのような舞台模様になるか、楽しみに来場した次第である。配役は、へちまの花のお米に三河家諒、その兄に座長・桜春之丞、村の庄屋に桜京誉、息子の若旦那に三代目桜京之介、番頭に寿美英二、出入りの植木職人に桜愛之介と桜梁太郎という面々で、まず妥当・申し分のないところであろう。筋書きは省くが、さて、その出来映えや如何に・・・。結論から言えば、「今一歩」、三河家諒の実力(貫禄)に若手の面々が「ついていけない」というのが、(私の)率直な感想である。彼女と五分に渡り合えるのは寿美英二、桜京誉まで、座長・桜春之丞、桜京之介といえども及ばない。結果として、主役・お米の風情は絶品であったが、全体の景色は「隙」「間延び」が目立ち、眼目の描出は「不発」に終わった感じがする。例証①、お米の兄を演じた桜春之丞、その言動が爽やかすぎて、黙々と野良仕事に励む百姓の朴訥さ、その中に潜む頑固さ、気むずかしさが感じられない。②若旦那役の桜京之介、「不細工」なお米にビックリするまではよかったが、その言動に「辟易」とする様子が不十分、③植木職人の愛之介、梁太郎に至っては、「芸」以前の「楽屋ネタ」で、諒と「五分に渡り合おうとする」(不届きな)了見も窺われて、見苦しかった。結果、この演目一番の見せ場、お米が若旦那の借金を返そうと、懐から金包みを取り出して、包装紙を一枚一枚はがしていく名場面が絵にならない。「剥いても剥いても皮ばかり」といった喜劇的な動きに、お米の悲しげなモノローグ(兄妹の「健気で切ない」物語)が重なる。そのトラジ・コミックな景色が不可欠なのに・・・。今日の舞台では、植木職人たちが入れる「チャチ」に惑わされてか、お米の物語が始まったのは、金を返した後、という按配で、段取りが「間延び」したことは、誠に残念である、などと、(身勝手な)私の思いは沈みがちであったが、第二部・グランドショーで、その気分は吹っ飛んだ。三河家諒の個人舞踊「みだれ髪」である。歌は美空ひばりではない。ピアノだけを伴奏にしてアカペラに近い女声の曲をバックに、彼女の一挙一動一頭足が「憎や恋しや」「辛や重たや」「暗や涯てなや」の景色を、思う存分、ものの見事に描き出す。その時間・空間は、文字通り「筆舌に尽くしがたい」風景であった。私がこれまでに観た「みだれ髪」の中では「ピカイチ」、まさに国宝(無形文化財)級の出来映えであった、と私は確信する。たった三分間の舞台は「動く美術品」として、私の心中に「永久保存」されたのである。三河家諒もまた、斯界の名人・喜多川志保に肩を並べ、その若さ、将来性を加味すれば、間違いなく「第一人者」に君臨するだろう、などと思いつつ劇場を後にした次第である。



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