META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 2023年04月26日
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2023-04-26

劇団素描・「新川劇団」・《喜劇「六発のトラ」&悲劇「唐人お吉」》

【新川劇団】(座長・新川博也)〈平成23年2月公演・みのりの湯柏健康センター〉
昼の部、芝居の外題は、喜劇「六発のトラ」。大工トラ(リーダー・新川博之)の女房(副座長・新川笑也)とその父(座長・新川博也)が、棟梁(峰そのえ)の家に駆け込んできた。トラが酒を飲んで暴れているという。「出刃を振り回して追いかけてくる」そうな。棟梁、育ちそびれた息子が持っていたおもちゃのピストルを取り上げて一思案。女房とその父を隠して、やって来たトラに言う。「おまえの女房と姑は怪しい。さっき、ここへ来てから川筋の水茶屋の方に出かけていった。出刃よりピストルの方がいい。これを持って間男成敗してこい!」。泥酔状態のトラと、気っ風のいい棟梁の「絡み」が、なんとも可笑しく、抱腹絶倒の連続であった。棟梁、トラの酒癖を治そうと、弟子の大工連中、水茶屋の手代、自分の息子、トラの女房、姑に「一芝居打ってくれ」と頼み込む。トラが暴れてピストルを撃ったら「死んだ真似をしてもらいたい。その時は礼金をはずむから」とのこと。一同は喜んで承諾。なりゆきは棟梁の思惑通り、それぞれが「死んだ真似」をして、トラは反省しきりのうちに閉幕といった、他愛もない筋書だが、出来栄えは絶品、ナセンス・コメディの見本のような舞台であった。見せ場は三つ。その一はトラと棟梁の絡み(関西の夫婦漫才よりも面白い)、その二は、トラのピストルに撃たれたから死ぬまで、各自が思い思いに繰り広げる「踊り」の風情(中でも、女房役から突如、股旅役に変身した新川笑也の景色は絵になっていた)、その三は、トラが反省する中で見せる声色(高倉健、長谷川一夫、片岡知恵蔵、大河内伝二郎、芦屋雁之助)の見事さである。まさにリーダー・新川博之の真骨頂が現れる名舞台であった。打って変わって夜の部、芝居の外題は、悲劇「唐人お吉」。主演のお吉に座長・新川博也、その恋人・鶴松に副座長・新川笑也、船大工の棟梁にリーダー。新川博之といった配役で、他の劇団とは「一味違った」風情を醸し出していた。とりわけ、座長・新川博之の「女形」は際だっており、その口跡は「天下一品」だと、私は思う。遠くは若葉しげる、山口正夫、近くは市川千太郎、大隅瑠也、白竜、中村英次郎、春大吉等々、「女形」を達者に演じる役者は数多いが、声音まで「女形」に徹することができるのは、他に姫猿之助くらいであろうか。俗に「一声、二振り(顔)、三姿」といわれるが、新川博也の「声」は「至芸」値する。口上での話。「お吉を初演したのは十九歳、二十二歳の頃『いい声だ、でも若いから出せるんだ』と言われました。私はもうすぐ三十歳(?)、『どんなもんじゃい!』。おっしゃるとおり!お見事!と言う他はない。彼のお手本は、大歌舞伎・中村福助とやら・・・。なるほど、玉三郎と言わないところが渋い渋い。「型を重んじる」芸風の由縁がわかったような気がする。さて、「唐人お吉」の出来栄えだが、酒浸り、ボロボロになった年増女の描出には「今一歩」、今日は裏方(序幕アナウンス)に回った名女優・峰そのえ(彼の母)の風情には「まだ遠く及ばない」のではあるまいか、などと勝手な想像をしながら帰路に就いた次第である。
唐人お吉物語唐人お吉物語
(2006/10)
竹岡 範男

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