META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 筑紫桃太郎一座
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2024-02-01

劇団素描・「筑紫桃太郎一座」・《佐倉公演千秋楽で見せた、頭取・桃太郎の涙》

【筑紫桃太郎一座】(座長・筑紫桃之助)〈平成24年12月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
芝居の外題は「駿河の長吉」。内容は、要するに、清水の次郎長がお蝶と出会うまでの物語だが、お蝶の父親役になった頭取・筑紫桃太郎の独壇場といった景色で、贔屓筋にとっては「たまらない」場面の連続であった。筋書きは、あってないようなもの、頭取と「花の三兄弟」が、それぞれの「持ち味」を活かして「絡み合う」。長吉役の座長・筑紫桃之助は、あくまで「真っ当」だが、敵役の博多屋桃太郎は「三枚目」、玄海花道もお蝶に「振られる二枚目」といった風情で、その「楽屋ネタ」が、たいそう面白かった。お蝶に扮したのが(おそらく)筑紫円(座長の妻)、彼女に義父の頭取をはじめ、義弟の博多屋桃太郎、玄海花道らが、「しつこく」つきまとう。一方、頭取の妻女・筑紫桃香が一家の女中・おたけ役で、息子の玄海花道に「恋い焦がれる」。芝居と、楽屋裏の人間模様が「絶妙」に交錯して、えもいわれぬ「大家族劇団」の魅力を醸し出す。一座の大黒柱・筑紫桃太郎は、平成21年10月に「一線を退いた」が、老い込むにはまだ早い。今日の舞台では「中風」の親分役で終わるのが我慢できず、大詰めでは、颯爽とした侠客に「変身」したが、げに、ごもっとも、それでいいのだ、と私は思う。芝居と舞踊ショーの間、彼は「口上」で30分間、しゃべりまくった。いわく「大衆演劇の興亡は、ひとえに皆様の御支援にかかっております。どうか、その灯を消さないで下さい。九州では、八つの劇場が閉鎖しました。皆様の力で、この劇場を支えて下さい。社長の温かい御配慮で、私たちは来年も帰って参ります」。千秋楽だというのに、客席は50人を超えていない。本来なら、「関東の客は芝居の見方を知らない。九州の客は、拍手一つで役者を舞い上がらせる」とでも、啖呵を切りたいところだが・・・、という思いが私にはひしひしと伝わってきた。舞踊ショー、頭取の個人舞踊は、沢竜二の歌声(曲名不詳)に合わせて「旅役者」の思いを鮮やかに描出する。顔には一筋の涙が・・・。胸中には、昭和42年(1967年)4歳で初舞台を踏み、爾来50余年を「ドサ回り」に捧げてきた男の「激情」が、走馬燈のように去来して来たか、踊り終えた後、客席に平伏して、(不覚にも?)泣き崩れるのであった。舞台は今年の踊り納め、すぐにまた荷物を積み込んで、奈良の公演に向かうという。頑張れ、桃太郎! 突っ張れ、桃太郎!今日もまた、大きな元気を頂いて帰路に就いた次第である。
男の激情男の激情
(2009/11/18)
沢竜二

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2024-01-31

劇団素描・「筑紫桃太郎一座」・《芝居「喧嘩屋五郎兵衛」の舞台模様》

【筑紫桃太郎一座】(座長・筑紫桃之助)〈平成24年12月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
この劇団は、この劇場では初公演、私は今から2年前(平成22年5月)、浜松バーデンバーデン健康センターでの舞台を見聞している。以下は、その時の感想である。〈JR浜松駅下車、徒歩15分の「浜松バーデンバーデン健康センター」に赴く。大衆演劇「筑紫桃太郎一座 花の三兄弟」を観るためである。この3月に座長を襲名した筑紫桃之助は「挨拶回り」のため不在、おかげで劇団頭取・筑紫桃太郎の「芝居」「舞踊」「口上」を存分に見聞することができた。芝居の外題は「帰ってきた前科者」。いきなり序幕から生後9か月の「抱き子」が生身で登場しようとは・・・。その赤ちゃん、「実のバーバ」に抱かれて泣きもせず、時には「笑顔」、時には「アー、ウー」等の「台詞」まで発するほどの「実力者」なのだった。まさに「お見事!」という他はない。筋書きは大衆演劇の定番、島送り、前科者の汚名を着せられた義兄(頭取・筑紫桃太郎)のために、棟梁からまで白い目で見られ、仕事を干されてしまった腕利きの大工(弟座長・博多家桃太郎)とその女房(芸名不詳の女優、おそらく弟座長の母、頭取の妻、抱き子の祖母?)の物語。腕利きの大工、義兄のことを女房にも言えず、酒と博打にあけくれる生活になってしまう。そんなとき、刑期十年を務めて兄が妹の所へ帰って来た。兄(頭取・筑紫桃太郎)、客席より登場、酔客の私語がよほど腹に据えかねたのか、芝居を中断、「お父さん、黙って観てくれないのなら、帰ってよ。入場料はお返しします」。なおも、しつこく「絡んでくる」客に対して、言わずもがなの啖呵をきる。「静かに観たいと思ってるお客さんのために、わしら《命をかけて》芝居をやってるんや。それを邪魔するんやったら今すぐ、ここから出てってんか!」客席と舞台上からの「直接対決」、実を言えば、これほど面白い芝居はないのである。「そうか、頭取!そこまでやるか・・・」と、心の中で拍手を贈るうちに、客は「無条件降伏」。黙って舞台を見守らざるを得なかった。だがしかし、頭取の言動を指示する客の「拍手」がない限り、この勝負は曖昧に終わる。なぜって、頭取は、自ら「舞台の景色」を「独断」で毀してしまったのだから・・・。肝腎の「拍手」は、(観客一同、その場のなりゆきを見て呆気にとられたか?)皆無であった。心なしか、頭取の「力が抜けた」。(ように私は感じた)当たり前のことである。静かに観劇したいお客様のために「啖呵を切ったのに、今ひとつ客との呼吸が合わなかった」という後悔・口惜しさがあったかどうか、それはわからない。毀れてしまった景色の修復は至難の業、本来の「人情芝居」(盛り上がり)は不発のまま終幕した。(と、私は思う)とは言え、この頭取、タダモノではない。「口も荒けりゃ気も荒い」、あの「無法松」を絵に描いたような九州の「伊達男」といおうか、その「男臭さ」が、舞踊ショーでは瞬時に「妖艶な女」に変化する。その舞姿は「天下一品」であった。また、その「口上」が面白い。①斯界で九州の劇団は20余り、それぞれABCのランクが付いている。トップは「劇団花車」、②大衆演劇がメジャーになるのは容易ではない。せいぜい梅澤富美男、松井誠くらいか、早乙女太一はまだ未知数。③九州の客筋は、「拍手」で役者を乗せる。東海、関東の客は「拍手」が足りない、④「女形」を演じるとき、役者は自分が理想とする女性をモデルにしている、⑤一幕物の芝居は「盛り上げるのが大変」、いっぺん景色が毀れると(客との呼吸がずれると)それでお終い、⑥大衆演劇の役者は、客の一挙一動を見ながら(その反応を踏まえて)芝居をしている、だから「舞台の景色」は客次第、同じ演目でも「千変万化する」等々について「語り」ながら、高齢者への「心配り」を忘れない。温かい言葉を投げかけ、劇団グッズをプレゼント。「どうか、長生きしてね。ナンマンダブ、ナンマンダブ」と合掌する姿が、いかにも下世話な風情(冗談風)で「絵になっていた」。それでよいのだ、と私は思う。「心配り」は高齢者に対してだけではない。劇場の入り口、また館内にも、「10日、座長・筑紫桃之介不在」「○○日、弟座長・博多家桃太郎不在」などという貼り紙が施されている。通常なら、「○○日、○○座長ゲスト出演!」のように宣伝する手筈だが、劇団幹部の「不在」を表明する劇団は数少ない。誠実・正直な頭取の人柄が浮き彫りされている光景であった。さだめし、あの富島松五郎が生きていたなら、このような立ち居振る舞いをしたであろう。大きな「元気」を頂いて帰路につくことができた。ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・〉。さて
、今日の舞台や如何に?芝居の外題は、御存知「喧嘩屋五郎兵衛」、主役・五郎兵衛に玄海花道、その兄貴分に博多屋桃太郎、子分に座長・筑紫桃之助、縁談話を持ち込んできた出入りの商人に玄海太郎、という配役で、頭取の筑紫桃太郎は「不在」であった。(昨日、四日市ユーユーカイカンで、九州劇団の座長大会があり、そのままそこに居続けているとのこと)文字通り「親分不在」、花の三兄弟競演の舞台であったが、その景色は、まさに九州旅芝居の典型、役者がヤクザを演じているのか、ヤクザが芝居を演じているのか、見分けがつかないほどの異様さで・・・、客席は、舞台の迫力(登場人物の柄の悪さ)に圧倒されてか、水を打ったように静まりかえる。「わしら、命をかけて芝居をやっているんや」という頭取の思いが、三兄弟に乗り移ったかのような「気配」であった。大詰め、五郎兵衛自刃の場面も、死にきれずに何度も刃を腹に突き当てる。その「しつっこさ」は、まさに九州の「こってり味」で、たいそう「見応え」があった、と私は思う。打って変わって舞踊ショー、さきほどのヤクザはどこへ行ってしまったのか、といった雰囲気で、可憐・妖艶・華麗な「女形」が、次々と登場。心も軽く気も軽く、佐倉駅の売店で、(熱燗の)ワンカップをゲット、ほろ酔い気分で帰路に就いたのであった。
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2023-11-07

劇団素描・「筑紫桃太郎一座・花の三兄弟」・《頭取・桃太郎の風情は、そのまんま「無法松」》

【筑紫桃太郎一座・花の三兄弟】(座長・筑紫桃之助)〈平成22年5月公演・浜松バーデンバーデン健康センター〉                                                                                           JR浜松駅下車、徒歩15分の「浜松バーデンバーデン健康センター」に赴く。大衆演劇「筑紫桃太郎一座 花の三兄弟」を観るためである。この3月に座長を襲名した筑紫桃之助は「挨拶回り」のため不在、おかげで劇団頭取・筑紫桃太郎の「芝居」「舞踊」「口上」を存分に見聞することができた。芝居の外題は「帰ってきた前科者」。いきなり序幕から生後9か月の「抱き子」が生身で登場しようとは・・・。その赤ちゃん、「実のバーバ」に抱かれて泣きもせず、時には「笑顔」、時には「アー、ウー」等の「台詞」まで発するほどの「実力者」なのだった。まさに「お見事!」という他はない。筋書きは大衆演劇の定番、島送り、前科者の汚名を着せられた義兄(頭取・筑紫桃太郎)のために、棟梁からまで白い目で見られ、仕事を干されてしまった腕利きの大工(弟座長・博多家桃太郎)とその女房(芸名不詳の女優、おそらく弟座長の母、頭取の妻、抱き子の祖母?)の物語。腕利きの大工、義兄のことを女房にも言えず、酒と博打にあけくれる生活になってしまう。そんなとき、刑期十年を務めて兄が妹の所へ帰って来た。兄(頭取・筑紫桃太郎)、客席より登場、酔客の私語がよほど腹に据えかねたのか、芝居を中断、「お父さん、黙って観てくれないのなら、帰ってよ。入場料はお返しします」。なおも、しつこく「絡んでくる」客に対して、言わずもがなの啖呵をきる。「静かに観たいと思ってるお客さんのために、わしら《命をかけて》芝居をやってるんや。それを邪魔するんやったら今すぐ、ここから出てってんか!」客席と舞台上からの「直接対決」、実を言えば、これほど面白い芝居はないのである。「そうか、頭取!そこまでやるか・・・」と、心の中で拍手を贈るうちに、客は「無条件降伏」。黙って舞台を見守らざるを得なかった。だがしかし、頭取の言動を支持する客の「拍手」がない限り、この勝負は曖昧に終わる。なぜって、頭取は、自ら「舞台の景色」を「独断」で毀してしまったのだから・・・。肝腎の「拍手」は、(観客一同、その場のなりゆきを見て呆気にとられたか?)皆無であった。心なしか、頭取の「力が抜けた」。(ように私は感じた)当たり前のことである。静かに観劇したいお客様のために「啖呵を切ったのに、今ひとつ客との呼吸が合わなかった」という後悔・口惜しさがあったかどうか、それはわからない。毀れてしまった景色の修復は至難の業、本来の「人情芝居」(盛り上がり)は不発のまま終幕した。(と、私は思う)とは言え、この頭取、タダモノではない。「口も荒けりゃ気も荒い」、あの「無法松」を絵に描いたような九州の「伊達男」といおうか、その「男臭さ」が、舞踊ショーでは瞬時に「妖艶な女」に変化する。その舞姿は「天下一品」であった。また、その「口上」が面白い。①斯界で九州の劇団は20余り、それぞれABCのランクが付いている。トップは「劇団花車」、②大衆演劇がメジャーになるのは容易ではない。せいぜい梅澤富美男、松井誠くらいか、早乙女太一はまだ未知数。③九州の客筋は、「拍手」で役者を乗せる。東海、関東の客は「拍手」が足りない、④「女形」を演じるとき、役者は自分が理想とする女性をモデルにしている、⑤一幕物の芝居は「盛り上げるのが大変」、いっぺん景色が毀れると(客との呼吸がずれると)それでお終い、⑥大衆演劇の役者は、客の一挙一動を見ながら(その反応を踏まえて)芝居をしている、だから「舞台の景色」は客次第、同じ演目でも「千変万化する」等々について「語り」ながら、高齢者への「心配り」を忘れない。温かい言葉を投げかけ、劇団グッズをプレゼント。「どうか、長生きしてね。ナンマンダブ、ナンマンダブ」と合掌する姿が、いかにも下世話な風情(冗談風)で「絵になっていた」。それでよいのだ、と私は思う。「心配り」は高齢者に対してだけではない。劇場の入り口、また館内にも、「10日、座長・筑紫桃之介不在」「○○日、弟座長・博多家桃太郎不在」などという貼り紙が施されている。通常なら、「○○日、○○座長ゲスト出演!」のように宣伝する手筈だが、劇団幹部の「不在」を表明する劇団は数少ない。誠実・正直な頭取の人柄が浮き彫りされている光景であった。さだめし、あの富島松五郎が生きていたなら、このような立ち居振る舞いをしたであろう。大きな「元気」を頂いて帰路につくことができた。ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・。
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