META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 里見劇団進明座
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2023-05-28

劇団素描・「里見劇団進明座」・《芝居「天保蘇我」の舞台模様》

【里見劇団進明座】(座長・里見要次郎)〈平成20年7月公演・浅草木馬館〉
 「劇団紹介」のキャッチフレーズには〈粋な立ち役、妖艶な女形で魅せます!! 大衆演劇界の先を行く、「里見劇団進明座」が繰り広げる本格派の舞台。大正6(1917)年に創立された老舗劇団。昭和56(1981)年に座長を襲名以来、劇団だけではなく、大衆演劇界をもリードし続ける座長・里見要次郎。芝居一本、舞踊一本を大切に、舞台から感動を贈る・・・。ぜひ、こだわりの舞台をお楽しみください〉であった。里見要次郎といえば、知る人ぞ知る大衆演劇の「立役者」、私は約20年前(昭和63年9月)、十条篠原演芸場での舞台を見聞している。当然のことながら、若手座長として初々しく、艶やかな女形、抜群の歌唱力で「人気絶頂」だった。最近では、今年の1月、大阪・鈴成座の舞台を観た。その感想(「劇団素描)は、以下の通りである。                  
【里見劇団進明座】(座長・里見要次郎)<平成20年1月公演・大阪鈴成座>
約20年ぶりに観る里見要次郎は懐かしかった。かつての「艶姿」は健在であり、それに20年間の舞台経験を重ねた「貫禄」が加わっている。一部の「顔見せショー」では、かつての座員は一人も登場しなかったが、二部の「芝居」では、座長の母・美富士桂子(70歳)、旧座員・里見かずのりの姉(芸名・忘念)が登場、外題は「女小僧三吉」、歌舞伎の三人吉三、弁天小僧、播随院長兵衛をミックスしたような筋立て(喜劇)であったが、女小僧三吉役の座長・里見要次郎、長兵衛「もどき」の里見龍星、その女房・(芸名忘念の女優)、水野十郎左右衛門「もどき」のタカダヒロユキ、日本駄右衛門「もどき」・盗賊の頭(美富士桂子)、南郷力丸「もどき」の三枚目・里見直樹と「役者は揃っており」、安心して(往時をしのびながら)鑑賞することができた。とりわけ、かずのり・姉の成長ぶりは目を見張るほど、かつては純情可憐な娘役がはまっていたが、今や、体格ともども「大年増」を堂々と演じられるようになっていた。
昨年来、ほぼ40余りの劇団を見聞してきたが、どの座長も、特に関西の若手座長は、里見要次郎の芸風を「お手本」にしているような気がする。都若丸、大川良太郎、小林真などの女形舞踊は、その「表情」「所作」「衣装」において「瓜二つ」であり、極言すれば、彼より年下(45歳未満)の役者すべてに大きな影響力を与えているようだ。関東では、梅澤富美男が突出していたが、彼の芸風を継承している役者は見当たらない。今、林友廣の影響力が大きく、林京助、小林志津華、桂木昇らの「男っぽい」「立ち役」が主流を占めているのではないか。
 大歌舞伎界と同様、大衆演劇界においても、関東と関西の違いは歴然としている。関東は「無骨」「淡麗」「粋」「男伊達」、関西は「華麗」「繊細」「ど派手」「愁嘆」を目玉にする傾向は当然だが、いわゆる「くさい芝居」を「くさい」ままに終わらせないところに関西の「実力」(魅力)が秘められているように思う。言い換えれば、関東は「あっさり」していて後に残らない。関西は「こってり」しているが、その「しつこさ」が後を引く、ということである。どちらを好むか、それは観客の自由だが、その両方を兼ね備えているのが「鹿島順一劇団」ではないかと私は思う。

 芝居の外題は「天保蘇我」、歌舞伎・曽我物語「もどき」の「時代人情剣劇」とでもいおうか、三千石の武家には腹違いの三兄弟(長男・ゲスト高羽博樹、次男・里見龍星、三男・里見直樹)がいた。長男は、父(座長・里見要次郎)と気が合わず「日にち毎日」遊蕩三昧、次男は武者修業の旅で留守、三男は「育ちそびれ」て頼りない。あるとき、長男が芸者(里見ベティ)を連れて帰宅、「嫁にしたい」と父に言う。父は「ひと目、見ただけで」拒絶、芸者に向かって「つくばエキスプレスに乗って、北千住から、どこなへと消え失せろ!」と一喝。しかし、長男は従わず、部下と一緒に父を斬殺する。その場を目撃した三男、長男から「今の出来事を見ていたな!」と問い詰められるが、「何も見ていない、見ていない・・・」としらばっくれ、座敷牢に幽閉された。そこに立ち戻った次男、牢の前にさしかかると、三男、突然「正気に返り」、「兄上、この時を待っておりました。二人で父上の仇を討ちましょう」と顛末を報告する。それを知った長男一党、短筒で二人を攻撃。次男は目、三男は足を負傷した。なぜか、長男の朋輩として、いなせな旅鴉(里見要次郎・二役)登場、長男から、「次男と三男が父の敵」と吹き込まれ、二人を成敗しようとしたとき、どこからともなく聞こえてきた「法華の太鼓」、成敗を思いとどまり話を聞くと、事情は「あべこべ」。旅鴉、「朋輩とはいえ許せねえ!、あっしがお味方いたしやす」と改心、ともかく二人の傷を癒そうと「不動の滝」へ案内。食べ物を調達に出かけたが、その隙に長男一党が登場、手負いの二人を斬殺した。何も知らず戻ってきた旅鴉、血まみれの遺骸をみて驚愕、驚きはやがて「憤り」「怒り」へと変わり、「神も、仏もあったもんじゃあねえや。なんでえ、なんでえ、なにが不動様だ。もうこうなったら、しかたがねえ。おい、不動様とやら。オレとこの二人の命を取り換えてくんな。オレの命を捧げるから、どうか二人を生き返らせてみろ!」と叫ぶ。あざやかに自刃するかと思えば、「イテテ・・・」といくつかの「ためらい傷」。それでも、旅鴉、苦し紛れに自刃した。舞台は暗転、何ともいえぬ「絶望感」「寂寥感」に包まれたが、ややあって、「奇跡」は起きた。旅鴉の願い通り、次男、三男は(傷も癒えて)蘇り、命を捧げた旅鴉までもが生き返ったのである。まさに「信心」の「御利益」を眼目にした「宗教劇」の典型、以後は三人揃って、長男を討つという筋書で、めでたしめでたしのハッピーエンド。いかにも「里見劇団」らしく、「明るく」「楽しい」終幕となった。
「キャッチフレーズ」にもあるように、里見要次郎が〈大衆演劇界をリードし続け〉ていることは、間違いない、芝居でも、舞踊でも、この劇団の「景色」が、他の劇団に「取り入れられている」例は、枚挙に暇がないほどである。まさに、現代「大衆演劇」の「源流」といっても過言ではない、と私は思う。
 だがしかし、当然のことながら「老い」は隠せない。その分、脇役が光彩を放たなければならないのだが、現状は「今一歩」、若手陣の奮起を期待する。
ちなみに、「劇団プロフィール」は以下の通りである。〈里見劇団進明座 関西大衆演劇親交会所属。大正6(1914〉年、現座長の祖父・桃中軒雲童(故人)が創立。今年(2008年)で94年目となる老舗劇団。初代座長は山村桃太郎。歌舞伎から流れた役者が60人ほど集まり旗揚げ。現在の里見要次郎座長は、歴代17番目の座長。三味線に生バンドなど、多種多様な舞台でお客様を楽しませている。里見要次郎 昭和38(1963)年生まれ。福岡県出身。血液型O型。「とっかん小僧・里見豆タンク」の名前で、2歳半の時に初舞台。昭和56(1981)年、当時、最年少座長として、二代目・里見要次郎を襲名。平成15(2003)年、新歌舞伎座特別公演を成功させる。御園座などの大舞台でも活躍。



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2023-04-15

劇団素描・「里見劇団進明座」・《芝居「女小僧三吉」》

【里見劇団進明座】(座長・里見要次郎)<平成20年1月公演・大阪鈴成座>
約20年ぶりに観る里見要次郎は懐かしかった。かつての「艶姿」は健在であり、それに20年間の舞台経験を重ねた「貫禄」が加わっている。一部の「顔見せショー」では、かつての座員は一人も登場しなかったが、二部の「芝居」では、座長の母・美富士桂子(70歳)、旧座員・里見かずのりの姉(芸名・失念)が登場、外題は「女小僧三吉」、歌舞伎の三人吉三、弁天小僧、播随院長兵衛をミックスしたような筋立て(喜劇)であったが、女小僧三吉役の座長・里見要次郎、長兵衛「もどき」の里見龍星、その女房・(芸名忘念の女優)、水野十郎左右衛門「もどき」のタカダヒロユキ、日本駄右衛門「もどき」・盗賊の頭(美富士桂子)、南郷力丸「もどき」の三枚目・里見直樹と「役者は揃っており」、安心して(往時をしのびながら)鑑賞することができた。とりわけ、かずのり・姉の成長ぶりは目を見張るほど、かつては純情可憐な娘役がはまっていたが、今や、体格ともども「大年増」を堂々と演じられるようになっていた。
昨年来、ほぼ40余りの劇団を見聞してきたが、どの座長も、特に関西の若手座長は、里見要次郎の芸風を「お手本」にしているような気がする。都若丸、大川良太郎、小林真などの女形舞踊は、その「表情」「所作」「衣装」において「瓜二つ」であり、極言すれば、彼より年下(45歳未満)の役者すべてに大きな影響力を与えているようだ。関東では、梅澤富美男が突出していたが、彼の芸風を継承している役者は見当たらない。今、林友廣の影響力が大きく、林京助、小林志津華、桂木昇らの「男っぽい」「立ち役」が主流を占めているのではないか。
 大歌舞伎界と同様、大衆演劇界においても、関東と関西の違いは歴然としている。関東は「無骨」「淡麗」「粋」「男伊達」、関西は「華麗」「繊細」「ど派手」「愁嘆」を目玉にする傾向は当然だが、いわゆる「くさい芝居」を「くさい」ままに終わらせないところに関西の「実力」(魅力)が秘められているように思う。言い換えれば、関東は「あっさり」していて後に残らない。関西は「こってり」しているが、その「しつこさ」が後を引く、ということである。どちらを好むか、それは観客の自由だが、その両方を兼ね備えているのが「鹿島順一劇団」ではないかと私は思う。
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