META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 南條隆とスーパー兄弟
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2024-01-19

劇団素描・「南條隆一座とスーパー兄弟」・《芝居「花街の母・パートⅡ」》

【南條隆一座とスーパー兄弟】(総帥・南條隆、座長・龍美麗、南條影虎)〈平成23年12月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
芝居の外題は「花街の母・パートⅡ」。主演は、総帥・南條隆の妻女でスーパー兄弟の母・大路にしき、彼女は関東の有力劇団「章劇」の座長・澤村章太郎の姉ということで貫禄十分、酸いも甘いもかみ分けた「うば桜」役にはうってつけ、まさに「はまり役」であった。本人の弁では今年48歳、花街の母の名前は「奴」、向島の花屋という店で働いている由。家には、娘夫婦が乳飲み子と共に住んでいる。この娘も母親譲りの「男勝り」な性格で、家事一切は夫(南條勇希)まかせ・・・。
ある時、娘が行き倒れの若者(座長・龍美麗)を連れてきた。25歳のイケメンで、聞けば、大阪・料理屋の坊ちゃんで、名前はヒデトシと言う。様子を見れば、激しい腹痛の態、「奴」はヒデトシに一目惚れ(?)、すぐさま医者を呼びにやる。出てきた、この医者の風情が絶品で、医療器具はレジ袋の中、「どれ、口を開けてごらん」と言って取り出した舌圧子は、よくみれば中華そば屋のレンゲ・・・、糸電話もどきの聴診器で診察する様子等などの場面は、抱腹絶倒の連続で、まことに見応えがあった。ところで、この医者を演じたのは誰であったか。もしかして、特別出演の筑紫桃太郎?さて、「奴」の介抱が実り、ヒデトシは順調に回復、それかあらぬか、「奴」を嫁にもらいたいなどと言い出した。さすがに「奴」とまどって、「私の歳、いくつだと思っているの」「23歳でしょ」「もっと上、もっと上」「では怒らないでください、・・・29歳ですか」「怒らない、怒らない、もっと上!」では30、35、40、45、46、47・・・と、小刻みにつり上げてい「奴」とヒデトシの(実は親子の)やりとりが何とも面白かった。つまるところは48歳、それでもヒデトシは動じない。「ぜひ、私と結婚してください」、「奴」も抗えず「それもそうね、愛があれば年の差なんてないもの。24の娘を二人もらったと思ってね」。かくて、両者の縁談は成立したかにみえたが、周囲の者は大反対。「つりあわない」「うまくいくはずがない」等、押し問答の最中に、「奴」、にわかの腹痛でバッタリと倒れ込む。医者の見立てによれば「胃ガンの末期」・・・。場面は一転して愁嘆場へと変わり、「奴」泣く泣く縁談をあきらめた・・・、と思いきや、大詰めで、件の医者、自分につなげた点滴の台車を押して再登場、その容器はペットボトルといった按配で、笑いが止まらない。何を言い出すかと思えば「いやあ、すまない。奴さんの病気は胃ガンではなかった、ただの胃拡張!」、といった落ちがついて舞台は大団円。世の中思うに任せず、そのせつない「うば桜」の風情が、ひときわ鮮やかな幕切れであった。さて、この劇団、達者な役者が揃いすぎて、名前と顔が一致しない。誰が誰やら・・・、などと思ううち、舞踊ショーに颯爽と登場したのは、あの名女優・南京弥(前「南條光貴劇団」)であった。思わぬ宝物を見つけた心地して、心うきうき帰路に就いた次第である。
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2023-11-18

劇団素描・「南條隆とスーパー兄弟」・《芝居「瞼の母」の舞台模様》

【南條隆とスーパー兄弟】。(総座長・龍美麗、座長・三代目南條隆)。〈平成27年5月公演・浅草木馬館〉
 第一部、芝居の外題は御存知「瞼の母」。配役は番場の忠太郎に三代目・南條隆、金町の半次郎に南條勇希、その母に南京弥、忠太郎の母おはまに大路にしき、妹おとせに龍魔沙斗、素盲の金五郎に南條光貴、夜鷹おとらに総座長・龍美麗といった面々で申し分ない。三代目・南條隆は数年前より着実に腕を上げ、所作、口跡が洗練されてきた。これまでは一本調子の力みすぎが目立っていたが、徐々に力が脱けメリハリのある演技が増してきた。加えて総座長・龍美麗もまた着実に成長している。これまでは、どこか「二枚目」の芸風から抜け切れなかったが、「汚れ役」「三枚目」の風情も「絵になってきた」。したがって、本日の舞台、配役同様に申し分のない出来映えで合ってよいはずだが・・・。なにか「ひとつ」足りない。芝居の眼目は、いうまでもなく「人情」の描出、その心象表現が「今一歩」というところであった。それぞれの役者が誠実・真摯・懸命に舞台を務め、手抜きのないことはよく分かる。それを「寸分の隙のない」作品に仕上げるためには、役者相互の「呼吸」「間合い」を極めなければならない、と私は思う。さらにまた、背景に流れる「音響効果」にも細心の留意が必要でろう。本日は、中村富士夫の浪曲、五木ひろし、三波春夫の歌謡が使われていた。それらはいずれも忠太郎の心象を主眼とした「男唄」、その中に二葉百合子、伊丹秀子、天津羽衣らの「女唄」が添えられたら舞台の景色も一段と艶やかになったのではないか、などと余計なことを考えてしまった。 
 とはいえ、今回は世代替わりした劇団の第一歩、これから益々の充実・発展をとげることは間違いないだろう、と私は確信、今後の精進・活躍を祈りつつ帰路に就いた次第である。
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2023-10-31

劇団素描・「南條隆とスーパー兄弟」《芝居「河内十人斬り」の名舞台》

【南條隆とスーパー兄弟】(総座長・龍美麗、座長・三代目南條隆)〈平成27年5月公演・浅草木馬館〉
この劇団は昨年、ほぼ2か月に亘って「裏舞台」(2チャンネル)を湧かせたが、大女将・大路にしきの采配(孤軍奮闘)もあって、見事「風評との闘い」に勝利した。今年1月に座長・南條影虎が三代目・南條隆を襲名、関東でもその披露公演が行われている由、加えて今月は二代目南條隆の長男・南條光貴がゲスト出演している。芝居の外題は「河内十人斬り」。この芝居は「1893年(明治26年)に大阪府南東部の金剛山麓の赤阪水分(あかさかすいぶん)村で起こった殺人事件」を題材にしている。ウィキペディア百科事典にはその発端、顛末が以下のように紹介されている。〈この事件の犯人は、村民で博打打ちの城戸熊太郎とその舎弟の谷弥五郎で、熊太郎の内縁の妻おぬいが、村の顔役の松永傳次郎の弟、松永寅次郎と密通していた事が発覚したことから、事件は起きた。熊太郎が激怒して別れ話を切り出したが、おぬいの母おとらが「お前とおぬいが一緒になる時に自分に毎月仕送りをする約束だったのに、全然仕送りを貰っていない。別れるなら払わなかった分を全部払ってから別れろ」と熊太郎をなじった。仕方なく熊太郎は金を払うことにしたが、博打打ちでその日暮らしの熊太郎には、まとまった金が無く金策に奔走した。そして昔、博打で勝っていた時に、松永傳次郎に金を貸していたことを思い出し、返してくれるように頼んだが、傳次郎は記憶に無いと言い張って、子分を使い熊太郎を袋叩きにした。松永一家に女を盗られ、借金まで踏み倒されて半殺しにされた熊太郎は、舎弟の弥五郎に押されて仕返しを決める。犯行当日(明治26年5月25日)、刀を差し、猟銃を抱えた熊太郎・弥五郎は雨の深夜を狙って犯行に及んだ。熊太郎の妻おぬいとおぬいの母親おとら、松永一家に乗り込んで松永傳次郎と傳次郎の妻と傳次郎の子供2人、そして傳次郎の長男松永熊次郎の家に乗り込み、松永熊次郎と熊次郎の妻と熊次郎の子供3人と生まれて間もない子供も含め11人を殺害した。しかし、事件の発端となったおぬいの浮気相手の松永寅次郎は京都の宇治へ行って難を逃れていた。それから乗り込んだ家に火薬を仕込み灯油をまいて放火して金剛山へ逃亡した。翌日26日に地元の富田林警察署に通報が入り、事件が発覚する。大阪府警本部からの応援も駆けつけ、逃亡したと思われる金剛山に非常線を張ったが、二人はなかなか捕まらず、食料を強奪されたとの報告が来るばかりだった。痺れを切らした捜査本部は、山狩りを開始したがイタチごっこが続いた。しかし事件から2週間後、金剛山中で二人の自殺死体が発見され、事件は解決した〉。
芝居の筋書きは脚色されており実話とは異なるが、大筋に変わりはなかった。松永傳次郎に二代目・南條隆、城戸熊太郎に南條光貴、谷弥五郎に龍美麗、おぬいに芸名不詳の女優、松永寅次郎に南條勇希、おとらに南京弥、熊太郎の母、金剛山中の老婆二役を大路にしき、老婆の孫(?)に龍魔沙斗という配役で、三代目・南條隆の出番はなかったが、熊太郎を演じた南條光貴、弥五郎役の龍美麗の風情が絶品で、たいそう見応えのある舞台に仕上がっていた、と私は思う。見どころは満載で、①仇役・二代目南條隆の「柄の悪さ」、②おとら・南京弥の剽軽な悪役振り、③熊太郎・南條光貴の「本心」を隠した軟弱振り、④弥五郎・龍美麗の一本気な凄み、⑤それと絡む龍魔沙斗の茶目っ気等々が、舞台の景色を際立たせる。とりわけ、総座長・龍美麗の所作・口跡に「大きな成長」の跡が感じられる。昨年の「不本意」(悔しさ)をバネにして、それを舞台で跳ね返そうとする証しであろう。筋書きでも弥五郎は「ムショ帰り」という設定、大路にしきに「あの子は刑務所が好きなんだから」と揶揄される場面が、ことのほか絵になっていた。文字通り「災い転じて福と成す」名場面であった。
 第二部の舞踊ショーで、いよいよ三代目・南條隆登場。「立ち役」「女形」で艶やかな舞姿を披露していたが、出来映えは「今一歩」、心象表現が単調すぎた。というのも、ゲスト出演・南條光貴の「女形」が群を抜いていたからである。曲目は「流恋草(はぐれそう)」(詞・里村龍一、曲・聖川湧、唄・香西かおり)。詠って曰く「流す涙は乾いても 淋しい心はかくせない 星も見えないこの街で あなたしかない私」。「コーキ!」というハンチョウが飛び、登場しただけで、その「淋しい心」が露わにされるのである。「ああ お酒ください ああ 寒い胸に 涙が凍る心が燃える あなたが欲しい ひとりが辛い こんな夜は あなたを許せない」と続く中で、踊る側と観る側の「心」が一体になる。「あなた」とは自分に他ならないことを観客(私)は思い知らされるのである。とどめには「雨の小道に散る花に この世のはかなさ知りました ひとつ拾って手にのせりゃ 悲しみがこぼれます ああ 抱いて下さい」。「よし!、抱きしめたい」と思う間もなく南條光貴の姿は消え失せ、三分間のドラマの幕は下りる。聞くだけでは「ナンボのもん」と思われる流行歌が、舞踊によって稀代の名曲に変身してしまうから不思議である。
 今日もまた芝居の名舞台、舞踊の至芸を堪能、元気いっぱいで帰路に就くことができた。感謝。



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2023-09-08

劇団素描・「南條隆とスーパー兄弟」・《芝居「紅千太郎仁義旅」&ラストショー「平家物語 壇の浦決戦」》

【南條隆とスーパー兄弟】(座長・南條影虎)〈平成26年4月公演・湯ぱらだいす佐倉〉
玄関のポスターには、以下のような出演者名が張り出されていた。「南條隆、南條影虎、南條勇希、南條欣也、一條風馬、龍魔裟斗、若葉隆之介、大路にしき、天生蛍、北條めぐみ、一条椿、南京弥、南紅里、二代目キティー花子、琉衣弥、彩羽、倉之助、白虎、裏方(略)」。なるほど、南條欣也といえば「南條光貴」劇団の副座長、北條めぐみといえば、「橘菊太郎劇団」の若座長・橘大五郎の妹(?)、加えて、座長の兄・龍美麗はいずこへ?、といった按配で、「斯界きっての人気劇団・スーパー兄弟」にも「有為転変」の兆しがあらわれたか、と思いつつ劇場へと向かった。芝居の外題は「紅千太郎仁義旅」。筋書きは大衆演劇の定番。ヤクザ同士のイザコザから旅に出た千太郎(座長・南條影虎)、帰途の途中で「辻占売り」の老女(芸名不詳の女優A)を助けたが、その老女いわく、「ヤクザに憧れて家を出て行った息子を捜しています。人の話では、今では“人斬り某”と言われているそうな。是非とも連れ帰って堅気にさせ、死んだ亭主の墓守をさせます」。千太郎、「あっしもやくざ、息子さんに出会ったら、その話を伝えましょう」。やがて、千太郎も一家に戻ってきたが、待っていたのは弟分の清吉(一條風馬)聞けば「兄貴のイザコザ後、親分は闇討ちで殺され、自分も目つぶしを食らって、盲目になってしまった」由。「そうだったのか!、よしオレが敵討ちをしてやる」「ありがとう兄貴。ひとまずオレの長屋で旅の疲れをとってくれ」ということで、二人は長屋へ・・。一方、かつて千太郎から額を割られた按摩一家の親分(若葉隆之介)、千太郎が帰ってきたことを知り、一家に草鞋を脱いでいた“人斬り某”(南條勇希)に、「あの二人を殺ってくれ」と金を渡す。長屋についた清吉、千太郎を呼び止めて「兄貴、目の見えないオレを親身に世話してくれている娘がいるんだ。どんな女か顔をみてくれねえか」千太郎、承知して長屋に入れば、出てきたのは仰天するような不細工な娘(芸名不詳の女優B)、その旨を清吉に伝える。「おめえは目がみえねんだから、不細工だってかまわねえじゃねえか」「いやだ、兄貴、追い出してくれ」。千太郎、いわれるままに娘を追い出したが、食べるものが無い。やむなく近くの寿司屋に出て行ったが、そこにやって来たのが“人斬り某”、千太郎が不在とわかると、清吉を「一突き」して帰って行く。不細工な娘、食事の用意に戻ってきたが、手負いの清吉を見つけて仰天、清吉、苦しい息の中で「このままでは兄貴が殺られる。ドスを持ってこい」と言うと、健気にも按摩一家に殴り込んだ。何も知らずに帰ってきた千太郎、娘から事情を聞いて駆けつけたが、時すでに遅し、清吉は「朱に染まって」息絶えていた。千太郎、「よくもやりやがったな。仇を討ってやる」と親分一味を成敗したが、最後に残ったのは“人斬り某”。「親分は片づけた。無用な殺生はしたくない」という千太郎に、“人斬り某”「金をもらっている以上、お前を殺るのがオレの仕事だ!弟分を一突きしたのもオレの仕事、仇を討て!」と挑みかかる。かくて二人は一騎打ちの勝負、しばらく渡り合ったが、“人斬り某”刀を落とされ、覚悟を決めた。「どこからでも、おやんなせえ。ただひとつ、頼みがある。親不孝の詫びにためた五十両、国の両親に届けてもらいてえ」そこにあらわれたのは辻占売りの老女、「これは、私の息子!どうかお助けを・・・」かくて千太郎、念願成就した親子に見送られ、再び凶状旅に一人出立するという場面で閉幕となった。この芝居、鹿島順一劇団の「夜鴉源太」とほぼ同じ、《眼目》は、義兄弟、親子の絆といったところか。座長・南條影虎の風情は絶品、場数を踏んできた「座長」としての貫禄がかんじられた。仇役の若葉隆之介も座長級の貫禄で申し分なかったが、清吉役の一條風馬はまだ「発展途上」、“人斬り某”の南條勇希も「今一歩」といった出来映えで、今後の成長を待つほかはなかった。そのいずれかを、もし南條欣也が演じていたらどんな景色になっただろうか、などと身勝手なことを考えてしまった。一方、老女役を演じた女優A、不細工な娘役を演じた女優Bは、いったい「だあれ誰?」。その実力が半端ではなかったためか、私の謎は深まるばかりであった。
 舞踊ショー、座長・南條影虎の「立ち」は「赤いハンカチ」と「チャンチキおけさ」、「女形」は「おもいで酒」・・・、いずれも珠玉の名品で大いに満足したが、極め付きはラストショーの群舞、「平家物語 壇の浦決戦」(唄・三波春夫)。最期を迎えた平家一門(知盛中心)の勇壮・悲壮な闘いぶり、勝利した源氏一門(義経中心)の「鎮魂」が彩なされて、絵巻物のような景色が展開する。劇団の総力を結集した、斯界屈指の傑作である、と私は思った。それにしても、知盛を演じたのは座長・南條影虎だと判ったが、義経を踊ったのは誰?(もしかして龍魔袈斗?)、またまた、もう一つの謎が添えられて、舞台は大団円となった。明日、劇団は、川崎市教育文化会館で催される「第1回 全国座長大会」の下座を務めるとのこと、御一同の、ますますの御活躍・御健闘を祈りつつ帰路に就いた次第である。感謝。
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2023-04-19

劇団素描・「南條隆とスーパー兄弟」・《大衆演劇「量的拡大」の旗手》

【南條隆とスーパー兄弟】(座長・龍美麗、南條影虎)〈平成21年1月公演・佐倉湯ぱらだいす〉
 「劇団紹介」によれば、〈プロフィール 南條隆とスーパー兄弟 演友会所属。初代・南條隆座長が、昭和10(1935)年に、熊本の二本木劇場で「南條隆劇団」を旗揚。宙づりなどのオリジナル芝居で大人気となる。昭和39(1964)年に現在の座長である二代目・南條隆座長が襲名。舞台では美しい夢を見せるというのが、初代からの劇団の伝統。平成7(1995)年より、年間150本にも及ぶ全国ツアーを続けている。スーパー兄弟による、宝塚のような美しく華麗なショーは、多くのファンを魅了している。 座長 南條隆 昭和22(1947)年9月8日生まれ。熊本県出身。血液型B型。演友会会長代行。初代・南條隆の次男。3歳で初舞台を踏む。昭和39(1964)年に17歳で二代目・南條隆座長を襲名。「ショーは宝塚であれ」「美しくあれ」をモットーに、大衆演劇を全国に広めている。座長 龍美麗 平成元(1989)年8月3日生まれ。福岡県出身。血液型AB型。南條隆座長の長男として生まれ、3歳で初舞台を踏む。それ以後、「ちび玉兄弟」として、弟・南條影虎と人気を集めテレビなどでも取り上げられる。平成19(2007)年5月に、座長を襲名。女形の美しさはさることながら、長身を生かした華麗な洋舞も見どころの一つである。座長 南條影虎 平成2(1990)年11月27日生まれ。福岡県出身。血液型O型。南條隆座長の次男として生まれ、2歳の時に舞踊「次男坊がらす」で初舞台を踏む。それ以後、「ちび玉兄弟」のコピーたかしの名で、兄・龍美麗と人気を集めテレビなどでも取り上げられる。平成19(2007)年5月、座長を襲名。若いながら古典舞踊や歌舞伎舞踊などを得意としている〉とある。また、キャッチフレーズは、〈全国ツアーも展開する名門「南條」の舞台! 年間150本に及ぶツアーを展開する「南條隆とスーパー兄弟」。熱く繰り広げられる芝居と宝塚のように華やかなショーを存分にお楽しみください〉であった。
 私がこの劇団の舞台を初めて観たのは、平成19年秋、名古屋・鈴蘭南座であった。この劇場は「昔ながらの芝居小屋」と銘打っているように、そのたたずまい、桟敷席・客筋の雰囲気、売店の「おでん」等々、大衆演劇を楽しむには「最高の環境」を準備している。特に、客席後方の投光器の足元では、本物の「招き猫」が客に愛想を振りまいているなど、入館しただけで、日頃の疲れが癒されるという仕組みになっている。そんな中で、南條隆の「立ち役舞踊」、南條影虎の舞踊「俵星玄蕃」と「夢千代日記」は、天下一品の出来栄えとして光り輝いていた。あれから1年以上経過したが、当時の「華麗な舞台」は、そのまま健在であった。プロフィール、キャッチフレーズにもあるように、この劇団の使命が「大衆演劇を全国に広めること」だとすれば、その責務は十分に果たされているといえるだろう。その方向は、いわば「量的な拡大を図ること」、どちらかといえば「質的な向上」が「二の次」になることはやむを得ないかもしれない。事実、今回の舞台、1年以上前に比べて大きな「変化」(へんげ)は感じられなかった。芝居の外題は「上州百両首・月夜の一文銭」。みなしごの義兄弟が「堅気になって、出世争い」を決意、再会を約して一文銭を交わし合う。そして約束の日、兄は盗賊、弟は目明かしの下男として再会、弟が兄を召し捕って閉幕という大衆演劇の定番。だがしかし、この劇団の役者は「二枚目」ばかり・・・。
「三枚目」の弟役を龍美麗が「藤山寛美もどき」で演じたが、「所作」「表情」が「今一歩阿呆になりきれない」。
 まあ、それはそれでよし、「大衆演劇を全国に広めるために」活躍を期待したい。
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2018-04-15

寸評・「南條隆一座とスーパー兄弟」の《裏舞台》

 「人の噂も75日」というが、「南條隆一座とスーパー兄弟」に関する風評も、巷間(2チャンネル)では「一息ついた」ようである。というより、「息の根を止められた」と言った方が正確かも知れない。劇団幹部が逮捕されたのが8月下旬、2チャンネル(スレッド名「スーパー兄弟」「スーパー兄弟2(暴行劇団)」「スーパー南條」)では、8月28日から10月2日まで、総計1791件の「書き込み」があった。以後「スーパー南條」と称するスレッドには1件の「書き込み」もない。その間36日、なんと75日の半分で、《人の噂》は消滅してしまったのだから・・・。それにしても、この「裏舞台」で有象無象連中(名無しさん連中)が繰り広げる「三文芝居」は面白かった。筋書きは、あるようでないようで、判然としない。主役は一條雷矢、仇役は南條一味という構図は明らかだが、その眼目がどのあたりにあるのやら・・・。「書き込み」の要点を、独断と偏見で整理すると以下のようになる。①「南條隆一座」は暴行劇団である。②劇団幹部が傷害・暴行容疑で逮捕されているのに「謝罪」もせず、興行を続けた。留守役の大路にしきは「真実は一つ、戦います」と言っている。③劇場の看板には、出演できない役者の名前が掲げられ、その穴を他の劇団員がゲスト出演で埋めている。⑤ゲスト出演した一人の役者は、今回の一件について「謝罪」し、翌日の予告をしたが、出番を取り消された。⑥「暴行劇団」を受け入れる劇場主、興行主、応援に駆けつける劇団員、贔屓筋は「みな同罪」である。⑦九州の劇団は、「九州演劇協会」(会長・玄海竜二)、「同魂会」(会長・紅あきら)、「和・一信会」(会長・南條隆)というグループを作って勢力争いをしているので、今回の一件について、すっきりと「けじめ・すじめ」をつけられる実力者がいない(関西には山根、関東には篠原という実力者がいる)。⑧「南條隆一座」の10月の公演先は関西、はたして「興行」を続行できるか。
 そして、今は10月の半ば、表舞台の「南條隆一座」は「スーパー南條」と看板を替えて、「平然と」興行を続け、「大入り」を重ねている。要するに、「真実は一つ、戦います」という大路にしきの宣戦布告どおり、この劇団は「勝利への道」を一歩一歩辿っていることになるのだろう。大路にしきにとって「けじめ・すじめ」をつけるのは、あくまで「警察」、件の仇役が「保釈(釈放?)」された今、何の臆することがあろうか。というわけで、「南條隆一座」の《裏舞台》は「突然」(あるいは必然的に)閉幕した次第、今さらながら、ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせられ続けた(体臭演劇)「クズ・カス集団」の「強かさ」(矜持)に、私は感動している。
 しからば、「真実は一つ」とは?その謎(眼目)が解き明かされぬまま、この「三文芝居」が閉幕してしまうことは、誠に残念なことではある。(2014.10.14)
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2018-04-14

寸評・「南條隆とスーパー兄弟」・《真実は一つ》とは?

 南條隆とスーパー兄弟が逮捕されてから1週間が過ぎた。劇団の興行は予定通り、空白になった3人の穴をゲスト陣が埋め、しかも初日は「ダブルの大入り」であった由、そのことを「御同慶の至り」と寿ぐか、「開いた口がふさがらない」と蔑むかは、個人の自由だが、裏情報(2チャンネル)によれば、容疑者の妻女であり(義)母でもある大路にしきが、舞台上から、「戦います」「真実は一つ」と訴えたそうである。ではいったい、その「真実」とは何だろうか。報道によれば、①容疑者3人が被害者に重傷を負わせたこと。②被害者が「退団したこと」は(まぎれもない)「事実」である。大路にしきは、まさかこの2点までも「真実ではない」とは言うまい。だとすれば、その「事実」(の因果関係)をどのように解釈するか、という点で「真実か否か」に分かれることになる。しかし、その「解釈」が表沙汰になることはないだろう。「それを言ってはおしまいだよ」という空気は斯界にとって「自家薬籠中」のものだから・・・。そこで「裏舞台」(2チャンネル)の出番となるのだが、私の独断と偏見により「邪推」すれば、事の発端は、(酒席での)(部外者にとっては)「他愛もない」、しかし当事者にとっては「許すべからざる」破戒行為ではなかったか。つまり、師匠の禁を破った、その結果、制裁が加えられた。大路にしきの言う「真実」とは、被害者が「師匠の禁を破ったこと」「反省もなく師匠に刃向かったこと」、したがって「非は被害者にある」ということかもしれない。因みに、師匠はどのようなことを禁じたか。部外者にとっては他愛もないこと「言わぬが花」というものであろう。(裏舞台では「アフター」「一気のみ」といった言葉が喧しく飛び交っているが、私は信じない)むしろ「真実」の核心は、以後の経過にある。被害者は、ケガの治療に専念(その費用を誰が払ったかは不明)、ほぼ1カ月後(4月から)「舞台復帰」できるまでに回復し、そのつもりになったのだが、結果は「二転三転」で退団となった。その「事実」をどのように解釈するか。つまり、被害者は4月、どうして「舞台復帰」しなかったか、あるいは、できなかったか、ということが問題だと、私は思う。その時点で被害者の「舞台復帰」が叶えられていたら、今回の一件は生じなかったかもしれないからである。
 加えて、大阪府警が事件後6カ月も「容疑者を泳がせていた」ことも「謎」、もしかして、大路にしきの訴える「真実」とは、その「謎」に関わる事柄か、「戦う」相手は警察か・・・?(2014.9.5)
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2018-04-13

寸評・「南條隆とスーパー兄弟」の傷害・暴行事件

 8月29日のmsn産経ニュースwestに以下の記事が載った。〈「師匠に刃向かってはならぬ」と劇団員に暴行 大衆演劇経営者を傷害容疑で逮捕 所属する劇団員を暴行したとして、大阪府警箕面署は29日、傷害容疑などで、大衆演劇「南條隆とスーパー兄弟」の経営者、南條隆=本名・矢野正隆=(66)と次男で劇団員、南條影虎=本名・矢野正章=(23)の両容疑者を逮捕したと発表した。いずれもおおむね容疑を認め、隆容疑者は「師匠に刃向かうのはこの世界では絶対にやってはいけないこと。戒めのつもりだった」と話しているという。隆容疑者の逮捕容疑は今年2月、箕面市内のホテルで催された公演後の打ち上げで、長男の劇団員(25)と男性劇団員(24)がトラブルになった際に長男に加勢して男性の顔などを殴り、顔面骨折の重傷を負わせたとしている。次男の影虎容疑者の逮捕容疑は、別の機会にこの男性劇団員を蹴るなどしたとしている。男性劇団員は退団したという〉(以後、新たに長男の龍美麗も逮捕された)。「南條隆とスーパー兄弟」といえば、日本全国に知れわたった人気劇団、大衆演劇ファンで知らぬ者はないであろう。その幹部が3人まで逮捕されたとあっては、さだめし「大きな衝撃」が走ったに違いない。南條隆は斯界の実力者、西日本の各劇団が連合した「和・一信会」の会長でもあるのだから・・・。だがしかし、その衝撃はファン層(の一部)にしか及んでいないようだ。この劇団が9月興行予定の「博多新劇座」のホームページには、何の変更もない。噂では、残った座員で予定通り興行を続ける由、ホンマカイナ・・・。この一件で、私が不可解に思った点は、以下の通りである。①事件の発生は今年2月、それから半年間「何事もなかった」のはなぜか。インターネットの裏情報では3月以降、男性劇団員の退団に関して「暴力云々」が取り沙汰されていたにもかかわらずに、である。傷害罪、暴行罪は「親告罪」ではない、大阪府警は、直ちに捜査を開始、迅速に事件の解明・解決を図るべきではなかったか。②容疑者の南條隆、影虎、龍美麗らが、被害者およびファンに対して「謝罪」もしくは「弁明」をしないのはなぜか。警察の取り調べに対して「師匠に刃向かうのはこの世界では絶対にやってはいけないこと。戒めのつもりだった」と話している?、だとすれば男性劇団員は、どのようにして「師匠に刃向か」ったのか、文字通り「刃で斬りかかった」のか・・・。いずれにせよ、大衆演劇の《眼目》は、(時として役者が舞台で口にする)「仁・義・礼・智・信」という、儒教・五常の徳を描出することである。中でも「仁」は慈悲と愛、「義」は、人のとるべき正しい道として、何よりも大切にされなければならない。一日も早く、真相が解明され、斯界に「五常の徳」が蘇ることを祈りたい。(2014.9.1)
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