META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 附録・邦画凡作選
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2023-03-03

付録・邦画凡作選・《「嗚呼 満蒙開拓団」(監督・羽田澄子》

 午後2時30分から、神田神保町・岩波ホールで映画「嗚呼 満蒙開拓団」視聴。広告によれば、2008年キネマ旬報文化映画ベストテン1位、2008年日本映画ペンクラブ文化映画ベスト1とのことである。私自身も満州からの引揚者だが、当時の記憶は皆無、さればこそ、「どのような所から、どのようにして引き揚げてきたのか」具体的に知りたい、その参考になればという思いでやって来たのだが、その期待は裏切られた。その内容に異議があるわけではない。「国策」により、夢を抱いて満州に渡った貧村の農民家族が、敗戦により「散り散りバラバラ」、帰国途中で生じた「惨劇」「地獄絵図」の証言は生々しく、「中国人民も日本国民も軍国主義の犠牲者である」(周恩来の理念)、その犠牲に支えられて「今の平和、繁栄がある」といった主張は、ごもっとも・・・。だが、そのことを「映画」として「表現」するとなると、ただ登場人物のコメントや演出者のナレーションだけでは不十分、まさに「映像に語らせなければならない」はずなのである。実際の映像は、「平面的」で単調そのもの、周囲の観客は数多く「居眠り」しているように見受けられた。それもそのはず、この映画の演出者は、大連からの引揚者・羽田澄子なる人物(映画制作の専門家?)、演出方法は、(主として)「新潟発満州行きハルピンツアー」に同行、その参加者にインタビューしながらエピソードを紹介するといった「月並み」(安易)さで、まさに一昔前の「文化映画」然。テレビの「NHKスペシャル」「ETV特集」ですら、もう少しきめ細かで「まし」な演出を行っている。はたして、わざわざ劇場まで足を運んで鑑賞するに値する作物であったかどうか。とまれ、映像が真実を物語るドキュメンタリーの傑作とは無縁の作物であった、と私は思う。もしかして、「方正友好交流の会」もしくは演出者が支援する社民党の「政治的なプロパガンダ」が目的だ」ったりして・・・?それにしては、当日料金1,800円は高すぎた。もっとも観客は(私も含めて)、ほぼ全員が「シニア料金」(1,500円)で入場していたようだが・・・。私自身は、九死に一生を得て引揚げ、母の故郷・静岡の駅頭に降り立った時、出迎えた親戚一同に、栄養失調にやつれた無様な肢体を見られ、異口同音に「期待はずれダッケヤー」(土地独特の言い回し)と嘯かれたそうだ。だとすれば、今回の「嗚呼 満蒙開拓団」、その「表現方法」において「期待はずれ」だと評しても不謹慎にはなるまい。。(2009.7.3)



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2023-03-02

付録・邦画凡作選・《「座頭市」(監督・北野武)》

 最近評判の「座頭市」という映画を見た。正直言って驚いた。何だ,これは,これが映画と言えるのか,というのが率直な感想である。世界的に高い評価を得て,ナントカ賞とやらを獲得したそうだが,そのことに一番びっくりしたのは,他ならぬ監督・北野武自身ではなかったか。
「映画とは,連続撮影したフィルムを映写機によってスクリーン上に投影し,一連の映像を生じさせるもの」という定義に従えば,「座頭市」はたしかに映画だ。しかし,映画はまた「現代の最も総合的な芸術・娯楽・教育・報道の手段」でもある。「座頭市」は,総合的な芸術という観点から見て(娯楽という観点から見ても),鑑賞に堪えられる作品ではなかった。「筋書きのないドラマ」という言葉があるが,「座頭市」は,まさに「筋書きのない場面」の寄せ集め・連続にすぎず,ドラマとは無縁の作物であった。登場人物の身辺情話,心理描写,長ぜりふ等は「冗長に過ぎる」という判断からか極度に省かれ,「鑑賞者が勝手に想像してくれ」という「まる投げ」の意図が「見え見え」であった。しかし,想像しようにもその手がかり(言語世界)が皆無なので,要するに「何がなんだか分からない」まま終末を迎えることになる。なるほど,視覚障害者・座頭市は強い。「見ればわかる」場面の連続だから,言葉(せりふ)は,劇画の吹き出し程度で十分だろう。ほとんど無表情の無言劇に近かった。外国人でも「見ればわかる」にちがいない。でも,全編を通して何が「分かった」のだろうか。目をつぶれば,「よく聞こえる」「鼻が利く」のはあたりまえだ。目が開いているから「見える」わけではないことくらいは誰でも知っている。
 劇画を意識した断続的なカットや俳優の「表情」,寄席芸(色物)の挿入,黒澤映画「用心棒」そのままの殺陣,終幕の群舞(タップダンス)等々・・・,北野武の演出は多種・多彩ではあったが,冗長に過ぎた。かつての日本映画には,寄席噺を曼陀羅のように織りこんで展開される「幕末太陽伝」(川島雄三監督・日活),忍者の行軍を鮮やかに洋舞化した「真田風雲録」(加藤泰監督・東映)といった傑作があったことを,ペダンチスト北野武が知らないはずがない。だからこそ,もともと「遊び」で作った「座頭市」などという代物がナントカ賞を贈られるなんて,「信じられない」というのが彼自身の偽らざる本音ではないだろうか。(2003.10.3)



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