META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団勇舞
2ntブログ
QLOOKアクセス解析
2023-07-18

劇団素描・「劇団勇舞」・《芝居「雪の夜話」・二代目中村時太郎の魅力》

【劇団勇舞】(座長・勇羅庵嘩)〈平成22年8月公演・浜松バーデンバーデン
芝居の外題は「雪の夜話・ぬかるみ」。刑務所から帰ってきた弟(座長・勇羅庵嘩)とその兄(勇姫也)の物語。兄は信望厚い医者だが病院長の婿養子で女房にも頭が上がらない。気の弱さを酒でごまかす傾向もあるようだ。折しも、町内の碁仲間(二代目中村時太郎・好演)と碁を打っているところに弟が帰ってきた。応対に出た兄の女房は、その風体を一目見るなり拒絶の態度、見るからにやくざ風、見るからにムショ帰り、その「柄の悪さ」を受け容れることができない。その様子を察してか、兄もまたそれとなく弟を敬遠気味、碁仲間を借金取りに見立てて、体よく追い返そうとするのだが・・・。実を言えば、この弟、本当は兄思い。十年前、酒の上でのいざこざで傷害事件を起こしてしまった兄の身代わりで服役していたのだった。兄の「心変わり」に失望、弟は退場するが、兄もまた自責の念にかられ、断っていた酒まで飲み始める。酔いつぶれたその時に、緊急患者の使用人が薬をもらいにやって来た。兄は朦朧とした意識の中で碁仲間に薬を指示したが、持たせた薬はなんと毒薬。またしても兄は酒で失敗、絶望して死のうとするが、飛び出してきて止めに入る弟、揉み合っているところに、患者の奥様がやって来ていわく「頂いた薬を、使用人がぬかるみで落とし、瓶が割れてしまいました。もう一度薬を頂けないでしょうか」。かくて一同は安堵、めでたしめでたし、といった筋書である。見どころは、どうみても「お人好し」「小心者」の碁仲間が「借金取り」に見立てられ、弟からさんざん「虐め返される」場面。その「ビクつき加減」が秀逸で、抱腹絶倒の連続であった。二代目・中村時太郎という役者、「花も実もある」風情で、捨てがたい魅力を漂わせている。座長の弟役は、貫禄十分すぎて目立ちすぎ、全体としては「水準並」の出来栄えであった、と私は思う。
舞踊ショー、それぞれの役者が精一杯、誠実に舞台を務め、さわやかで清々しい印象を持った。掘り出し物は、子役・ベビー時丸の立ち役舞踊、女優・津島雅の「しあわせになりたい」(唄・美川憲一)。そういえば、座長。勇羅庵嘩とは、あの「南條龍法」だったのか・・・。改名の理由や如何に、明らかにできぬまま帰路に就いた次第である。
時という名の岸辺で時という名の岸辺で
(2004/02/25)
美川憲一

商品詳細を見る




にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1

2023-05-21

劇団素描・「劇団勇舞」・《芝居「仇討ち友よ」の節劇は異色な風情》

【劇団 勇舞】(座長・南條龍法)〈平成20年7月公演・九十九里「太陽の里」〉                                   座員は、二代目・中村時太郎、若手・ミナミヒメヤ、女優・ツシマミヤビ、一條ミユキ、子役・三条キラ、マスコット・ベビー時丸といった面々で、実力は「水準」並というところであろうか。芝居や歌謡ショーで使われる「音楽」が、洋風(ミュージカル風)、「今流」というところが特徴的であった。芝居の外題は「仇討ち友よ」、竹馬の友であった一馬(中村時太郎)と新三郎(ミナミヒメヤ)は、今では仇同士、一馬が新三郎の父親を斬殺したためである。新三郎は一馬を討ち取り、「御家再興」を図らなければならない。ようやく箱根山中で馬子に身をやつした一馬を見つけ、討ち果たそうとするが、馬子の元締め(南條龍法)に止められる。「茶店のあるじ(ツシマミヤビ)に食べ物を施されるまでは、行き倒れ寸前だった。その恩返しをしないうちに仇討ちなどすることは許せねえ」しかし、なぜか、一馬の妹が乳飲み子を抱いて登場、新三郎の仇討ちに「協力」する。「このお金を茶店のあるじに渡して、兄を討ち果たし、御家を再興してください」、新三郎、我が意を得たりと、一馬を討ち取りにかかる。だが、突然、耳をつんざくような赤子の声、どうしても新三郎は一馬を討てない。そしてつぶやく。「何が侍だ、何が仇討ちだ・・・。もし一馬を討てば、その赤子は私を仇と思うだろう。その赤子に私が討たれれば、今度は私の息子がその赤子をねらうことになる、つくづく侍がいやになった」その通り、「やられたらやり返せ」という〈復讐の連鎖〉がいかに「虚しいか」という理念が、この芝居の眼目であることは間違いない。いわゆる「勧善懲悪」「義理人情」とはひと味違った雰囲気の舞台で、大変面白かった。終幕を迎える「節劇」も、大衆演劇の「泥臭い」イメージとは違って、「さらば友よ」「サクラサクラ」「惜別の時」などというフレーズがところどころ聞かれる、異色な風情であった。
浄瑠璃坂の仇討ち (文春文庫)浄瑠璃坂の仇討ち (文春文庫)
(2001/07)
高橋 義夫

商品詳細を見る




にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1



スポンサードリンク


プロフィール

e184125

Author:e184125
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキングNO1
ブログランキングNO1