META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団菊
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2023-07-11

劇団素描・「劇団菊」・《「お吉物語」はリアリズムの極致》

【劇団菊】(座長・菊千鶴)〈平成21年12月公演・千代田ラドン温泉センター〉

午後0時30分から、千代田ラドン温泉センターで大衆演劇観劇。「劇団菊」(座長・菊千鶴)。芝居の外題は「お吉物語」。座長・菊千鶴は47歳だとか、51歳で他界した「唐人お吉」の「晩年」を演じるには、恰好の頃合いと言えるだろう。そのことを考慮してか、舞台の重点は、酒浸りで老いさらばえたお吉の、薄汚れた「お菰姿」の描出にあったようだ。とりわけ、終幕前、「俗名鶴松の墓」と刻まれた墓石を抱いて、酒を酌み交わす景色は、リアリズムの極致、迫真の演技で、なるほど「唄は唄」「芝居は芝居」にすぎず 、「真実」とはさだめし、このようなことだったのだろう、と心底から納得してしまった。「お吉物語」で思い出すのは、天津羽衣の名曲(作詞・藤田まさと、作曲・陸奥明)で踊った大川龍昇の舞台、芸者姿の艶やかな姿、表情が忘れられない。とはいえ、それはあくまで「絵空事」、真実は今日の舞台の姿であったに違いない。加えて、私自身には幼少時の思い出がある。今は懐かしいSPレコード、鉄の針ですり切れた摩擦音のむこうから聞こえてくる、芸者・小花とやらの美声は、珠玉の俗曲「さのさ節」。その文句に「いじらしや、伊豆の下田の唐人お吉。今日も揺られて籠の中。許してちょうだいねえ、鶴松さんと、合わす両手に散る椿。」だって・・・。周囲の大人たちが酒席で興じる音曲を、子ども心に、意味も分からず聞いていた昔が、昨日のことのように思い出されて、感極まる。この劇団のこの芝居、よくよく思えば、まさにこの終幕の一場面のためにあった、といえるだろう。座員の役者衆、人数も沢山、容貌も多彩であったのに、それまでの登場人物が誰々であったか、ほとんど印象に残っていないという按配であったから・・・。   二部の舞踊ショーで、座長の他、副座長・菊小菊、流星、後見・浅井浩次、他、男優三人、女優四人、子役一人といった「大所帯」(役者だけで総勢十二名?)であることを確認した。いずれも「芸達者」「魅力的」な逸材が揃っていると思われるが、まだ「チーム」として結実化していない、ように感じられた。総力を結集して、座員一人一人の「個性」を磨き上げることに徹すれば、関東随一の舞台を作り上げることができるのではないか、文字通り「有望株」な劇団だと確信しつつ、岩盤浴に向かった次第である。
唐人お吉物語唐人お吉物語
(2006/10)
竹岡 範男

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2023-05-24

劇団素描・「劇団菊」・《誠実な芸風で、充実した舞台》

【劇団菊】(座長・菊千鶴)〈平成21年7月公演・柏健康センターみのりの湯〉                                      この劇団は昨年(平成20年4月)、立川大衆劇場で見聞済み。その時は、観客数1名(私)、当初、開催が危ぶまれたが小屋主さんが贔屓筋に電話連絡、なんとか5名を「かき集めて」幕開けとなった。今回も、開演30分前では観客数10名ほどだったが、開幕時は30名程度、しっとりと落ち着いた雰囲気の中で幕開けとなった。芝居の外題は「涙の源八時雨」。一家女親分(座長・菊千鶴)の娘(菊小鈴)が、若い衆の源八(流星)に恋煩い、めでたく婚約にまで漕ぎつけるが、その直後、敵役一家に娘は拉致されてしまった。さあ大変と、源八、敵一家に単身踏み込んだのだが、多勢に無勢、たちまち取り押さえられて、右頬に「焼きごて」を当てられる羽目に・・・。一家に草鞋を脱いだ旅人の助勢もあって敵一家を征伐、無事に娘を取り戻すことができたまではよかったが、源八の傷は重く、顔貌は「二目と見られぬ化け物」然、それを垣間見た娘の恋心は吹っ飛んでしまった。かくて縁談は破談、娘は自分を助けてくれた旅人と祝言をあげるとのこと、それを聞いた源八、矢も盾もたまらず祝言の場に乗り込み、いわく「皆殺しにしてやる!」。刀を振り回して暴れ回ったが、結局は「飲み分けの兄弟分」に諫められて、すべてを断念、冷たい雨の中、寂しく旅に出るという、何とも「やるせなく」「絶望的な」場面で終幕となった。筋書きは「悲劇」、舞台の景色も「愁嘆場」だが、風情は「関東風」、どこまでも「あっさり味」「淡泊」で、私には十分楽しめた。中でも、座長の娘・副座長・菊小菊の「芸達者ぶり」、は群を抜いており、「三枚目の女優」としては、都ゆかり、富士野竜花、長谷川桜、都美千代らと「肩を並べる」出来映えであった。劇団の所属は「東京大衆演劇劇場協会」、座長はかつての「劇団ママ」を見聞、若水照代を師と仰いでこの道に入った由、歌唱「お吉物語」は、天津羽衣に勝るとも劣らない出来映えであった。観客数の「多少」など、歯牙にもかけないで、誠実に舞台を務める座員の「姿勢」に、敬意を表したい。
お吉物語/黒船哀歌お吉物語/黒船哀歌
(2005/12/07)
天津羽衣

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2023-05-06

劇団素描・「劇団菊」・《芝居「佐渡情話」、座長はいずこ?》

【劇団 菊】(座長・菊千鶴)〈平成20年4月公演・立川大衆劇場〉
 午後6時、立川大衆劇場に到着、木戸口で入場料を払おうとしたら、小屋のおじさんから、「まだ客が誰も来ていないから、中に入って待っててください」と言われた。「ああ、今日はやらないかも知れないんだ」と、私が言うと、おじさんは黙って肯いた。小屋のおばさんが、どこかに電話している。「あの人たちが来れば、できるかもね・・・」これまでにも、客が一人しか来ないので「芝居ができなかった」という話を聞いたことはあったが、まさか、自分がその一人になろうとは、なんともやるせない気持ちでいっぱいになった。しかし、二十分ほど経つと、客が三人に増え、まだ後から二人来るという。結局、観客6人で、開幕となった。「劇団菊」(座長・菊千鶴)。「劇団紹介」によれば、「プロフィール 劇団菊 昭和54(1979)年に故・市川菊三郎が「市川劇団」として創立。その後、菊千鶴座長が昭和62(1987)年1月に引き継ぎ、「劇団菊」と名づける。チームワークを大切にした、アットホームな、なごみ系の劇団で、たくさんの役者仲間が遊びに来るという。現在総勢18名で、関東を主に巡業している。座長 菊千鶴 昭和38(1963)年9月7日生まれ。神奈川県出身。血液型AB型。母とともに、当時あった「劇団ママ」という劇団の座長大会を観に行き、それがきっかけで15歳で役者の道に入る。子どものころ、歌手になりたかったという座長は、美空ひばりの歌が好きで、座長自身もそれを十八番とする。お芝居では、三枚目や、汚れ役などを好む」とある。キャッチフレーズは、「自然と人が集まる、楽しい劇団。座長をはじめ、劇団員みんな、とても気さくでアットホーム。『劇団菊』を観に来ると、お姉ちゃんの家に来たような、そんな感覚になってしまいます」であった。なるほど、開演三十分前に客は私一人だったが、「自然と人が集まって」6人になった。そういえば、芝居に登場した女優(市川千春?)が、「ああ、おなかすいた。こんなことだと、やせちゃうわ。たいへんたいへん」と客席に話しかけると、すかさず常連客がお菓子をプレゼントする。まさに「アットホーム」な「やりとり」であった。役者は、座長・菊千鶴、副座長・浅井浩次、花形・菊小菊、名花・菊小鈴、女優・南ゆう佳、市川千春、市川千夏、男優・菊おさむ、ひびきじゅん、りゅうせい(?)、子役・りな、3歳男児、などという面々であった。いつも思うことだが、どうして各劇団は、役者の紹介を「きめ細かに」「ていねいに」行わないのだろうか。一つには、「また来ておぼえてください」というもくろみがあるかも知れない。しかし、役者にとって最も大切なことは、自分の名前を「売る」ことではないだろうか。
 芝居の外題は「佐渡情話」。身代が千両を下らない大店の若旦那(菊おさむ)は、身を持ち崩し、今ではやくざ一家(親分・浅井浩次)の若い衆になっている。そこへ、お店の女中(市川千夏?)が訪ねてきた。訊けば、「旦那様は亡くなり、奥様も病の床に伏している」という。若旦那はおどろき、さっそく「店に帰る」ことにする。事情を親分に話すと、「早く帰ってやんな」と路銀まで施してくれたが、それは表向き。旅鴉(菊おさむ・二役)を刺客にして、若旦那の大店を乗っ取る魂胆だった。親分のもくろみ通り、若旦那と女中を始末した旅鴉、「若旦那」として大店に乗り込んだ。なぜか、その「いきさつ」を調べあげている、若旦那の幼友達・庄屋の倅・今は役人(菊小菊)の活躍で、舞台は閉幕となったが、誰が、どうして、どうなったのか、詳細は思い出せない。それというのも、「座長は、いつ出てくるのか?」ということが気になって、筋書どころではないうちに、いつのまにか芝居は終わっていた、という次第である。すぐに、「座長口上」ということで、ついに座長登場、その姿を見て驚いた。なんと、大店の「奥様」(若旦那の母親)役だったのだ。(その時まで、座長が男優なのか女優なのかも私は知らなかったのだが・・・・)若手男優・菊おさむ、副座長・浅井浩次、花形・菊小菊を「目立たせ」、自分は「脇役」に徹しようとした「演出」もまた、「アットホーム」であった。
 舞踊ショーでの「舞踊」や「歌唱」は、「水準」以上で、「実力者」が揃っていた。中でも、名花・菊小鈴の舞踊「浜千鳥情話」、座長・菊千鶴、花形・菊小菊の「歌唱」、子役・りなの「大阪すずめ」、ベビー?(3歳男児)の「おまつり忍者」が、印象に残った。「満劇団」の子役・浪花の若旦那も3歳男児である。彼が、大人の中に混じって踊るのに比べて、ベビー?は「独り舞台」で演じていた。実力は拮抗している。
 観客数は6人、舞踊ショーのラスト、舞台に勢揃いした役者は11人、どちらが「観客」かわからない様相だったが、やはり、「お互いのためにも」、観客数は10人以上とすべきではないだろうか。
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