META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団座KANSAI
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2024-01-11

劇団素描・「座KANSAI」・《関東公演「再挑戦」、着実な一歩》

【座KANSAI】(座長・金沢つよし)・〈平成23年11月公演・小岩湯宴ランド〉
この劇団の舞台はほぼ2年前に、浅草木馬館で見聞済み。その時は、関東初公演(?)だったか・・・。客との呼吸が「今一息」合わず、いわば「不入り」状態であった。座長曰く「まだまだ私自身の力不足。勉強して出直して参ります」。したがって、今回の関東公演は、座長にとって「再挑戦」(リベンジ)の舞台であるに違いない。金沢つよしという座長は、誠実・真面目そのものといった風情で、前回とは一味違った舞台模様を描出していた、と私は思う。芝居の外題は、昼の部「下郎の首」、夜の部「雪と墨」。いずれも大衆演劇の定番だが、この座長の演出は「お決まり」ではなかった。「下郎の首」は、赤穂藩士・侍(座長・金沢つよし)と旗本大名(金沢けいすけ)が旅先で対立、そのきっかけを作ってしまった下郎(金沢じゅん)が自害して首を差し出す。赤穂藩士がそれを抱いて旗本大名に仇討ちをする、という筋書きだが、今回の舞台では、なぜか藩士と旗本が「和解」してしまう。「泣きを見た」(損をした)のは下郎一人だけ、しかも、旗本が下郎の首を見て「忠義の極み」と褒めちぎる結末は、何とも異色・ユニークで面白かった。「意地の張り合い」で犠牲になった下郎の悲劇を通して、「虚妄」な武家社会を糾弾することが眼目かもしれない。そういえば、夜の部の芝居「雪と墨」の結末も異色であった。筋書きは定番。町人から武士に成り上がった兄(座長・金沢つよし)と、大工職人のまま貧乏を続ける弟(金沢じゅん)が対立・葛藤する物語である。兄弟の母親(責任者・鶴浩二)は、兄のもとに身を寄せているが、「日にち毎日」その嫁(虹心しぐれ?・好演)に「いびられ通し」。夫の兄は、それを見ても何もできない。嫁と実家のおかげで武士になれたからだ。とうとう、自分の身を守るために母親を追い出してしまった。見かねた弟が母親を引き取って、つつましく暮らしているのに、兄と嫁の言動は収まらない。それを見た兄の上司・奉行(金沢けいすけ)が一計を案じた。弟を兄より格上の侍に引き立てる。その披露目の席で兄と弟の立場は逆転、弟は兄から被った「仕打ち」を再現する。今度は、兄が弟に「ひれ伏す」羽目となった。通常なら、ここで弟が「兄貴!いったいどうしてしまったんだ。昔はお袋思い、弟思いの兄貴だったのに・・・」と優しく諫め、兄、嫁ともに「改心」、一同めでたしめでたしの「大団円」となる段取りになるはずだが・・・。この劇団の兄嫁は一向に改心せず、「さあ帰りましょう、とんだ赤恥をかかされました。私の実家に戻って、新しい仕官の口を探せばよいのです」と言い放つや、瞑目している兄を引きずっていこうという気配。それには、たまらず兄、立ち上がって嫁を見据えると「一刀両断」に斬り捨てた。仰天する母と弟の前で、兄自身もまた(敢然と)切腹、共に相果てるという「衝撃的な」愁嘆場で幕となった。どこまでも誠実・真面目な風情の座長・金沢つよしが演じる「仇役」の景色も絶品で、客席に向かってみせる「葛藤の表情」が一際鮮やかであった。ここにも、暗に「武家社会」の「驕慢さ」を糾弾しようとする劇団独自の眼目が仄見える。かくて、「座KANSAI」は、関東公演「再挑戦」の第一歩を、着実に踏み出したように、私は感じる。頑張れ!
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2023-08-02

劇団素描・「座KANSAI」・《芝居「商人一代」で小岩の客魅了》

【劇団 座KANSAI】(座長・金沢つよし)〈平成21年12月公演・小岩湯宴ランド〉

観客は50名というところだが、いつもの劇場の空気とは「一味違う」。どこか、しっくりと落ち着いた感じがするのである。芝居の外題は「商人一代」。大阪の材木問屋を切り盛りする三人兄弟の話である。大旦那が急逝、明日は三十五日供養という日、長兄(座長・金沢つよし)は仕事で留守、どこか頼りない次兄(金沢だいき)と大番頭(金沢けいすけ)、末弟(金沢じゅん)が留守を預かっていたのだが・・・。次兄は「のれん分け」が決まっており大番頭を連れて支店を出す段取り、出入りの娘(花舞あいり)を嫁にしようと「言い寄る」が、あっさり振られてしまった。「そうか、あの娘、末弟とできていたのか」と嫉妬に狂い、末弟を「追い出し」にかかる。「三人兄弟の中でも、お前は腹違い!死んだお父つぁんが女中に生ませた子ではないか」と罵った。次兄と大番頭に「なぐる、蹴るの乱暴を受け」泥まみれになった末弟、それを助けたのが女中のおとく(雲井仁美)、実を言えば、末弟の実母であった。そのことも暴かれ、「二人とも出て行け」とあやうく追い出されれそうになったとき、帰ってきたのが長兄。何もかも承知の上で、店を乗っ取ろうとした大番頭を討ち果たすといった、人情芝居であった。舞台の気色は、まさに「座KANSAI」、大阪の空気がそのまま小岩に運ばれてきた様子で、たいそう「小気味」よかった。ここは、東京の下町、どちらかと言えば「お祭り騒ぎが大好きな」客筋だが、今日の観客は「一変」、大阪の空気を味わいに来たといった風情で、舞台との呼吸もピッタリ、しっとりと落ち着いた雰囲気が、きわめて印象的。私自身、この劇団の見聞は2回目、初回は浅草木馬館公演、その時はまだ客席との呼吸が合わず、やや「空回り」の感が強かったが、さすがは実力者・金沢つよし、関東の客筋をしっかり「味方に惹き込んでしまった」と思う。加えて、この劇場、「音響設備」の具合が悪く、役者の台詞が聞きづらいのだが、今日は「一変」、耳栓なしで楽しむことができた。そうした心配りも座長の実力のうちである。他方、座員の面々も、若手、ベテランそれぞれ「全力投球」で、「誠実」「真摯」に取り組む姿が清々しい。特に、金沢けいすけの「実力」、金沢ゆうきの「頑張り」、女優陣の「艶やかさ」(例えば、組舞踊「津軽じょんから節」)、須波二朗の歌唱(「新宿情話」)等が印象に残った。
 開幕当初50名だった観客が、芝居終了時には70名程に増えていたのも珍しく、大いに満足して帰路についた次第である。
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