META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 桐龍座恋川劇団
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2023-11-14

劇団素描・「桐龍座恋川劇団」・《芝居「瞼の母」の画龍点睛は?》

【桐龍座恋川劇団】(座長・恋川純弥)〈平成21年5月公演・浅草木馬館〉                                        表看板に「今日の演目 瞼の母」とあるのを見て、飛び込んだ。この芝居、いわば大衆演劇の「原点」(必須演目)で、その出来栄えを見れば、劇団の「実力」がわかろうというものである。これまで、私は若葉しげる、大川竜之助、春川ふじおの「芝居」、光城直貴、鹿島虎順の「舞踊」、森川凜太郎、鹿島順一の「歌唱」などを見聞しているが、さて、今日の舞台は如何、いやが上にも期待は高まり、胸躍らせて開幕を待った。
 配役は番場の忠太郎・恋川純弥、金町の半次・恋川純、その母・鈴川純加(好演)、水熊女将お浜・鈴川桃子、その朋輩(夜鷹)おとら・恋川白峰といった面々で、申し分ない。筋書は二葉百合子の浪曲(脚色・室町京之介)をなぞる趣で、開幕直後の景色が秀逸であった。とりわけ、弟分・金町半次を堅気にさせるため飯岡一家と渡り合う、忠太郎の「太刀捌き」(殺陣)は、かつての「新国劇」を彷彿とさせる勢いで、「お見事!」という他はない。その鮮やかさにおいては、斯界ナンバーワンの「実力」と言えるだろう。半次の母との「絡み」も「風情たっぷり」で、忠太郎の(まだ見ぬ母への)「慕情」が、しっとりと、そしてほんのりと描出できていた。二景、水熊店先、夜鷹おとらの風情も格別、さすが劇団の太夫元、忠太郎に銭を貰って「相好を崩す」場面、水熊の使用人(大門力也)から夜鷹だとさげすまれ、「ふうん、じゃあお前はあたしの客だったんだね」とやりかえす場面など、「天下一品」の出来栄えであった。いよいよ三景、水熊の座敷にあがった忠太郎と、女将お浜とのやりとり・・・。聞けば、鈴川桃子と恋川純弥は「実の親子」だそうな・・・。ホンマカイナ?「実の親子」だからとって、親子の「景色」が描出できるとは限らない。この「母」は、一景、半次の母に比べて「若すぎた」。朋輩おとらに比べて「若すぎた」。半次の母は堅気、おとらは夜鷹、それに比べてお浜は料亭の女将、化粧・衣装が「艶やか」なのは当然だが、「母」としての「色香を抜いた」風情が不可欠。子を思う母の「心根」が今ひとつ感じられなかったのは、私だけかもしれないが・・・。
 この芝居、いうまでもなく主役は番場の忠太郎だが、それ以上に水熊お浜の「存在」が重く、どの劇団でもその配役に苦慮している様子が窺われるが、私が見聞した限りでは、「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)の重鎮(後見)・中村英次郎の「お浜」がピカイチであった。しかも、彼はその舞台で、半次の母との二役を演じ分ける「見事な活躍」、水熊の座敷では、「表情」「所作」だけで(立派に)「親子名乗り」をしてしまう、といった「至芸」を見せてくれたのだから・・・。
 大衆演劇の必須演目「瞼の母」の出来栄えは、誰が水熊女将・お浜を演じるかによって決まる、といっても過言ではない。今回の舞台、「お浜(鈴川桃子)の若さ」によって「画竜点睛を欠く」結果になってしまった、と私は思う。この役は鈴川純加に譲り(二役)、鈴川桃子を、もうひとつの必須演目「一本刀土俵入り」のお蔦役に配してみたら・・・、などと勝手なことを想いながら、帰路についた次第である。
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2023-09-02

劇団素描・「桐龍座恋川劇団」・《芝居「瞼の母」の舞台模様》

【桐龍座恋川劇団】(副座長・二代目恋川純)〈平成24年10月公演・浅草木馬館〉
「桐龍座恋川劇団」のホームページ(劇団員紹介)を見ると、そのトップは二代目恋川純だが、なぜかその肩書きは「副座長」である。詳細は不明、いずれにせよ兄・恋川純弥に代わって二代目が「座長役」を務めていることには変わりないだろう。芝居の外題は、特選狂言「瞼の母」。私は、この劇団の同じ舞台を3年前(平成21年5月)に、ここ木馬館で見聞している。以下はその時の感想である。〈表看板に「今日の演目 瞼の母」とあるのを見て、飛び込んだ。この芝居、いわば大衆演劇の「原点」(必須演目)で、その出来栄えを見れば、劇団の「実力」がわかろうというものである。これまで、私は若葉しげる、大川竜之助、春川ふじおの「芝居」、光城直貴、鹿島虎順の「舞踊」、森川凜太郎、鹿島順一の「歌唱」などを見聞しているが、さて、今日の舞台は如何、いやが上にも期待は高まり、胸躍らせて開幕を待った。配役は番場の忠太郎・恋川純弥、金町の半次・恋川純、その母・鈴川純加(好演)、水熊女将お浜・鈴川桃子、その朋輩(夜鷹)おとら・恋川白峰といった面々で、申し分ない。筋書は二葉百合子の浪曲(脚色・室町京之介)をなぞる趣で、開幕直後の景色が秀逸であった。とりわけ、弟分・金町半次を堅気にさせるため飯岡一家と渡り合う、忠太郎の「太刀捌き」(殺陣)は、かつての「新国劇」を彷彿とさせる勢いで、「お見事!」という他はない。その鮮やかさにおいては、斯界ナンバーワンの「実力」と言えるだろう。半次の母との「絡み」も「風情たっぷり」で、忠太郎の(まだ見ぬ母への)「慕情」が、しっとりと、そしてほんのりと描出できていた。二景、水熊店先、夜鷹おとらの風情も格別、さすが劇団の太夫元、忠太郎に銭を貰って「相好を崩す」場面、水熊の使用人(大門力也)から夜鷹だとさげすまれ、「ふうん、じゃあお前はあたしの客だったんだね」とやりかえす場面など、「天下一品」の出来栄えであった。いよいよ三景、水熊の座敷にあがった忠太郎と、女将お浜とのやりとり・・・。聞けば、鈴川桃子と恋川純弥は「実の親子」だそうな・・・。ホンマカイナ?(この件については、「孝玉ババア」様から以下のようなコメントを頂戴したので紹介する。《おせっかい:鈴川桃子さんは、お母さんではなくてお姉さんです。 おっしゃるように、お浜には若すぎたかも。 実のお母さんの、鈴川真子さんだったら 完璧だったのでしょう。達者な方です。 往年の美里英二の忠太郎、観ていただきたかったです》。なるほど、「実の姉弟」だとすれば、親子の「景色」が描出に無理が生じるのも道理である。この「母」は、一景、半次の母に比べて「若すぎた」。朋輩おとらに比べて「若すぎた」。半次の母は堅気、おとらは夜鷹、それに比べてお浜は料亭の女将、化粧・衣装が「艶やか」なのは当然だが、「母」としての「色香を抜いた」風情が不可欠。子を思う母の「心根」が今ひとつ感じられなかったのは、私だけかもしれないが・・・。この芝居、いうまでもなく主役は番場の忠太郎だが、それ以上に水熊お浜の「存在」が重く、どの劇団でもその配役に苦慮している様子が窺われるが、私が見聞した限りでは、「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)の重鎮(後見)・中村英次郎の「お浜」がピカイチであった。しかも、彼はその舞台で、半次の母との二役を演じ分ける「見事な活躍」、水熊の座敷では、「表情」「所作」だけで(立派に)「親子名乗り」をしてしまう、といった「至芸」を見せてくれたのだから・・・。大衆演劇の必須演目「瞼の母」の出来栄えは、誰が水熊女将・お浜を演じるかによって決まる、といっても過言ではない。今回の舞台、「お浜(鈴川桃子)の若さ」によって「画竜点睛を欠く」結果になってしまった、と私は思う。この役は鈴川純加に譲り(二役)、鈴川桃子を、もうひとつの必須演目「一本刀土俵入り」のお蔦役に配してみたら・・・、などと勝手なことを想いながら、帰路についた次第である〉。さて、本日の舞台や如何に・・・。当時の座長・恋川純弥に代わって、二代目恋川純が主役・番場の忠太郎、他の配役に変わりはなかったが、その出来映えは「大いに期待外れ」であった。その理由は、①忠太郎の弟分・金町の半次が登場しなかった。②鈴川桃子演じる水熊屋お浜の(若作りの)風情に変化がなかった。③場面場面に流れる音曲が「単調」すぎたことである。二代目の口上では「忠太郎を演じるのは今日で3回目、台本がしっかりしているだけに演技はむずかしい。これまでは、金町の半次役だったが、自分が忠太郎にまわったので、半次役がいなくなった。忠太郎が半次のおふくろさんに字を教えてもらう場面は欠かせないが・・・」との由。おっしゃる通り、この芝居の眼目は「母子の情」、それを半次の母、忠太郎の母、夜鷹のおとらが三者三様に描きわけてこそ、珠玉の舞台が成立するのだから。残念ながら、今日の舞台でそれを描出できたのは、夜鷹のおとらだけ、という結果に終わってしまった。劇団には、恋川心哉、恋川風馬など、半次役は事欠かない。またその母役、鈴川純加も健在だとすれば、幕開け冒頭の場面を省く必要はなかった。二代目は「稽古の時間がない」と弁明していたが、それを作り出すのも、「座長役」の手腕ではないだろうか。何よりも大切なことは、つねに(劇団の総力を結集して)「最高の舞台」を作り上げようとする意気込みではないか、と私は思う。劇団の様変わりは「世の常」とはいえ、それが「発展」につながるか、「凋落」を余儀なくされるか、今、多くの若手(二十代)座長がその岐路(正念場)に立たされていることを痛感しつつ、帰路についたのであった。
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