META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 結び
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2018-07-17

《結び》・さらば「大衆演劇」、そしてありがとう!

 遠くは昭和47年、近くは平成19年以来足かけ10年に亘って、大衆演劇の舞台を見聞してきたが、どうやら見納めの時期が来たようである。劇団は全国に150余りあり、日にち毎日、珠玉の舞台を展開していることに変わりはないものの、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶ うたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」(方丈記)とあるように、劇団の盛衰、様変わりも甚だしく、古稀を過ぎた私にとっては「ついていけない、もういいか・・・」という気持ちを抑えることができなくなった。役者の面々は、昭和生まれから平成生まれへと、世代交代を迎えている。観客層も然り、もはや私の座る場所はないのである。
 これまで120ほどの劇団を見聞しその舞台模様を「素描」した。それらは「見極める劇団」と「見限る劇団」に大別されるが、前者の筆頭は「鹿島順一劇団」であろうか。初見聞は平成19年11月、みのりの湯柏健康センター(千葉県)であった。当時の座員は座長・二代目鹿島順一(現・甲斐文太)、三代目虎順(現・三代目鹿島順一)、春日舞子、梅之枝健、蛇々丸、花道あきら、春大吉、金太郎、香春香といった面々である。しかし、十年後の今、蛇々丸は「浪花劇団」、春大吉は「おおみ劇団」へと去り、甲斐文太、三代目鹿島順一は「劇団松丸家」、花道あきらは「橘小竜丸劇団」で客演中・・・.。いぶし銀のような梅之枝健、春日舞子の艶姿、途中から加わった赤胴誠、生田春美、春夏悠生、幼紅葉らの溌剌とした姿も今はない。まさにこの世は「有為転変」、「淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまるためしなし」といった有様なのである。
 「鹿島順一劇団」の真骨頂は、芝居演出の見事さにある。「春木の女」「噂の女」「浜松情話」をはじめ「心もよう」「悲恋流れ星」「明治六年」「紺屋高尾」「人生塙舞台」「大江戸裏話・三人芝居」「里恋峠」「月とすっぽん」「関取千両幟」「源太しぐれ」「アヒルの子」「大岡政談・命の架け橋」「男の盃・三浦屋孫次郎」「会津の小鉄」「黒髪道中・縁結びの三五郎」「木曽節三度笠」「越中山中母恋鴉」「悲恋夫婦橋」「六十一賀の祝い」「幻八九三」「吉五郎懺悔」「雪の信濃路・忠治御用旅」「武士道くずれ」「浮世人情比べ」「弥作の鎌腹」「月夜の一文銭」「「恋の辻占」「長ドス仁義」「新月桂川」「仇討ち絵巻・女装男子」「月の浜町河岸」「マリア観音」などなどの名場面が、今、走馬灯のように浮かんでくる。歌謡・舞踊ショーも見事であった。甲斐文太の歌声は天下一品、「瞼の母」「よさこい慕情」「北の蛍」「男の詩」「恋あざみ」「無法松の一生」・・・などなどを流行歌手以上に歌いこなす。舞踊では、「安宅の松風」「弥太郎笠」「ど阿呆浪花華」「浪花しぐれ『桂春団冶』」、が珠玉の絶品、「立ち役」の色香をこれほどまでに描出できる役者は少ない、と私は思う。さらにはラストショー、「刃傷松の廊下」(甲斐文太の歌声)に始まる「忠臣蔵」の舞踊絵巻、「人生劇場」の人間模様、「珍島物語」の艶やかさなどは、今も私の脳裏に焼き付いて消えることはない。
 以下、これまでに見聞した劇団の中から、(忘れ得ぬ) 極め付き名狂言、珠玉の名場面、至芸の数々を列挙したい。

◆「都若丸劇団」:芝居「下町人情」「地獄の花嫁」
◆「劇団翔龍」:芝居「瞼の母」「帰ってきた兄弟」「追われる女」、舞踊「哀愁海峡」(見城たかし)
◆「新川劇団」:芝居「裸の大将放浪記」「原爆の子」
◆「藤閒智太郎劇団」:芝居「大人の童話」「長崎物語」「源吉渡し」「天竜筏ながし」
◆「劇団花吹雪」:芝居「一本刀土俵入り」(客演・三河家諒)「道中夢枕」「お祭り提灯」
◆「劇団逢春座」:芝居「血まみれ草子」「浜の兄弟」
◆「劇団春陽座」:芝居「故郷の兄」「人生双六」
◆「劇団竜之助」:芝居「人間」、舞踊「残侠子守唄」「お梶」「リバーサイドホテル」(大川竜之助)、「悲しい酒」「無法松の一生」(大川龍昇)、ラストショー「極道の妻たち」
◆「剣戟はる駒座」;芝居「雪と墨」、舞踊「哀愁列車」「網走番外地」
◆「劇団花車」:舞踊「瞼の母」「おかあさん」(姫勘九郎)
◆「紅劇団」:芝居「伊太郎夫婦笠」「芸者の里」
◆「近江飛龍劇団」:芝居「昭和の男」「紺屋高尾」「新月桂川」
◆「たつみ演劇BOX」:芝居「三島と弁天」、舞踊「お吉花無情」(辰己龍子)、「酒場川」「さんさ恋しぐれ」「命くれない」「最上川恋唄」「ふるさと恋歌」「愛燦々」(葉山京香)
◆「三河家劇団」:芝居「マリア観音」「女たちの忠臣蔵」、舞踊「長良川艶歌」「ホテルみなとや」(三河家諒)、歌謡「東京宵待草」(三河家諒)
◆「風美劇団」:芝居「かんちがい」「風美版・姥捨山」「江戸の世噺し」、歌謡「白雲の城」(風美登志也)、口上(風美翔蔵)
◆「劇団新」:芝居「雪の夜話」「三人出世」、歌謡「ひばりの佐渡情話」(龍児)
◆「劇団朱光」:芝居「お吉物語」「雨の他人舟」「へちまの花」「質屋の娘」「かげろう笠」
◆「長谷川武弥劇団」:芝居「二人忠治」「死んでたまるか」
◆「劇団京弥」:芝居「喧嘩屋五郎兵衛」「五十両の行方」
◆「南條隆とスーパー兄弟」:芝居「花街の母」「河内十人斬り」、ラストショー「平家物語・壇の浦決戦」
◆「劇団荒城」:芝居「富くじ千両旅」「遊侠三代」、ラストショー「白鷺の城」(荒城真吾)
◆「玄海竜二一座」:芝居「男十三夜」、ラストショー「ヤットン節」
◆「南條光貴劇団」:芝居「悪夢」「酒屋」、舞踊「加賀の女」(南條光貴)、ラストショー「龍神の舞」
◆「新演美座」:芝居「十三夜」
◆「劇団颯」:芝居「森の石松の花嫁」「天保水滸伝・笹川の花会」
◆「市川千太郎劇団」:芝居「湯島の白梅」「奥様仁義」
◆「劇団天華」:芝居「源助地蔵」「丸髷芸者」、舞踊「博多恋人形」(喜多川志保)
◆「松丸家劇団」:芝居「女装男子」「関取千両幟」
◆「劇団駒三郎」:芝居「祭りの夜」
◆「若葉劇団」:芝居「お母さんのお弁当箱」「上州わらべ唄」
◆「劇団紫吹」:芝居「大島情話」
◆「劇団光栄座」:ラストショー「三味線太鼓ショー」(初代・姫川竜之助)
◆「劇団春」:芝居「一姫二太郎三カボチャ」
◆「劇団美鳳」:芝居「花かんざし」
◆「劇団章劇」:芝居「御用晴々街道」「新月桂川」
◆「劇団武る」:芝居「おさん徳兵衛」
◆「桑田劇団」:芝居「お春茶屋」、「歌謡ショー」(桂木昇、音羽三美、三門扇太郎、桑田淳、山下久雄)
◆「小林劇団」:芝居「弁天小僧菊之助」「植木屋松五郎」、舞踊「天城越え」(小林真)、「一本刀土俵入り」「人生劇場」(小林隆二郎)、歌謡「無法松の一生」(小林真弓)
◆「花柳劇団」:芝居「忠治旅日記」、楽団ショー「かえり船」(花柳隆)
◆「宝海劇団」:芝居「吉五郎懺悔」、舞踊「雪椿」(宝海大空)
◆「橘小竜丸劇団」:芝居「弁天小僧・温泉の一夜」
◆「劇団夢舞俱羅」:相舞踊「お初」(高峰調士、南條なほみ)
 
ざっと思い出したままを列挙したが、この他にも珠玉の名場面は数々あったと思う。
この10年間、テレビ娯楽に別れを告げ、「大衆演劇」の醍醐味を十二分に味わうことができた。あらためて各劇団、関係者の方々に感謝申し上げ、筆を措く。さらば「大衆演劇」!、そして、ありがとう!。グッド・ラック!!
(2016.6.2)




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