META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 伍代孝雄劇団
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2023-08-18

劇団素描・「伍代孝雄劇団」・《東京公演、三年ぶりのスタートは「殺しの美学」から》

【伍代孝雄劇団】(座長・伍代孝雄)〈平成21年8月公演・浅草木馬館〉                                         8月公演初日(夜の部)とあって、客席は「大入り」。三年ぶりの東京公演だそうだが、昨年1月、大阪浪速クラブで私が見聞したときのような(関西風の)空気が劇場全体に漂っていた。「雰囲気」(贔屓筋も含めて)そのものを運んでこれる劇団は、数少ない、貴重な存在である。当時はわからなかった座員の名前が判明した。座長・伍代孝雄、その父・アキヅキハジメ、(おそらく)NO2・伍代カズヤ、花形・伍代ミズホ、若手・伍代ノブユキ、伍代ヨシアキ、伍代キクノスケ、女優・花園テマリ、花園アツミ(座長の口頭紹介のため聞き違いがあるかもしれない。漢字は不詳)、といった面々である。いずれの役者も、それぞれの「キャリア」に応じて「達者」な姿を披露しており、舞台の景色は「水準」以上の出来栄えであった。芝居の外題は「男の人生」、あるヤクザ一家の跡目相続にかかわる「内輪もめ」の話である。草津一家には三人の代貸しがいた。このたび二代目を襲名することになった大五郎(伍代ミズホ)、そのことが面白くない鉄五郎(伍代カズヤ)、先代や「伯父貴」(秋月ハジメ)の信望が厚かった伊三郎(伍代孝雄)である。どうしても跡目を継ぎたい鉄五郎、大五郎と伊三郎が「仲違い」するように画策、そのねらいはまんまと的中して、大五郎は伊三郎を破門した。伊三郎、堅気になって恋女房(花園テマリ)と「地道に暮らそう」としているところに、またまた鉄五郎の子分がやってきていわく、「二代目が刺客に襲われてケガをした。仇を討っておくんなさい」、「待ってくれ、今のオレはもう一家とはかかわりはねえぞ」。「今は、そうかもしれねえが、仇を討てるのは伊三郎兄貴しかいねえ、親分も鉄五郎兄貴も、みんなそう言ってるんだ」という殺し文句にコロリと騙された。恋女房が留めるのも聞かず、「これが男の人生だ」と、勇んで一家に駆けつける。どこまでも悪賢い鉄五郎、伊三郎の恋女房まで拉致して一家に連行、目隠しされた伊三郎に斬殺させる、という筋書。騙され続けた伊三郎、「もうがまんならねえ」と、雪の降る中、両手に縛り付けた匕首(刀が握れないように両手を負傷させられていたのだが)で孤軍奮闘、全員を刺殺、自分もまた大雪に埋もれて絶命するところで閉幕・・・。なんとも、壮絶このうえない「修羅場」の展開で、言ってしまえば「殺しの美学」の描出こそが、この芝居の眼目なのであろう。それにしても、先代や「伯父貴衆」に信望の厚かった伊三郎、ここまで騙されなければ、「相手の真意を読み取れない」とは、まさに「お人好しにも程がある」と感じ入ったのは私ばかりであろうか。とはいえ、役者の「実力」、「チームワーク」は抜群、座長も油が乗り切った四十代、数々の名舞台を見聞できるだろうと、期待は高まるばかりである。
 歌謡・舞踊ショー、座長の歌唱「海雪」、舞踊「江戸の闇太郎」、女形舞踊は出色の出来栄え、秋月ハジメの舞踊「川」(歌・北島三郎)も「至芸」の域に達していた、と私は思う。「筏流し」(歌・越路吹雪)を所望したい衝動に駆られてしまった。
殺しの美学 (1973年)殺しの美学 (1973年)
(1973)
尾崎 秀樹

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2023-08-16

劇団素描・「伍代孝雄劇団」・《「浪速クラブ」で後姿の名演技》

【伍代孝雄劇団】(座長・伍代孝雄)<平成20年1月公演・大阪浪速クラブ>
中高年女性に人気のある大規模劇団、役者の数が多く、1回見ただけでは芸名・顔を覚えられなかった。座長の他、一人だけ記銘できたのは伍代瑞穂、「三枚目」を達者に演じた中堅だったと思う。「芝居」の筋書は、間違いを犯して旅に出た兄弟分二人、今は、兄貴の家を身重の女房が独りで守っている。その女房を狙って敵一家の子分(伍代瑞穂)が侵入する。あわや手込めにされそうになったとき、弟分が帰宅、危機一髪で子分を追い返す。女房は安堵、亭主(兄貴)の消息を尋ねると、「二人で道中の途、ある一家との諍いに巻き込まれ、崖から落ちて死んでしまった」という。形見の煙草入れを渡されて夫の死を納得、絶望する女房。「それでは、これでごめんなすって」と立ち去ろうとする弟分を呼び止め、「これからどこへ行くんだい?」「へえ、故郷に帰って百姓になりやす」「そうかい、それじゃあ、この私も連れて行っておくんなさい」「そんなことはできねえ」「あたしのおなかには、あの人の『やや』がいるんだ」「そうでしたか・・・。わかりました。姐さんが身二つになるまで、面倒みさせていただきやす」立ち去った二人の後に、登場する敵一家の子分。「そうか、この家は空き家になった。おれの住み家にするとしようぜ」図々しく寝込んだ所へ兄貴分(座長・伍代孝雄)が帰宅した。子分を叩き起こし「おめえ、何やっているんだ、おれの家に勝手に入り込んで!」と一喝する。子分、鼻でせせら笑いながらいわく「おめえさん、何にも知らねえ。さっき弟分が来て、おめえさんが死んだと言ったら、女房も女房だ、あたしを連れてってと頼みやがった。二人なかよく手に手を取って、ずらかったぜ!」「なに!?、それじゃあ、あの野郎、『間男』しやがったっていうのか」。激高した兄貴分、子分を斬り捨て、二人の後を追いかける。1年後のことだろうか。ある田舎やくざの親分(伍代一馬?)、身内になる子分を募集中。半年前からこの土地に流れ着き、百姓仕事を細々と手伝っている親子三人連れに目がとまった。「あの男、身のこなしといい、目の使い方といい、ただの百姓とは思えない。あいつを身内に引き込もう」、その話をつけに行くのは他人(旅鴉)がいい、そうだ、今、一家にわらじを脱いでいる旅鴉(実は兄貴分)にやらせよう、話がまとまり、親子三人が住んでいる小屋に赴く旅鴉、戸口を開け声をかけようとした時、中から聞こえる話し声、「おまえさん、お茶が入りましたよ。今日も一日中働きづめで、さぞお疲れでしょう。ゆっくりして下さい」、その声は、誰あろう、間男して遁走した恋女房のものであった。驚愕し、それでもはやる気持ちを落ち着けて、聞いていると、「おまえさん、坊やの顔を見て。あの人そっくり!」「そうだなあ、兄貴そっくりだ」「あたしは、おまえさんに本当に感謝しています。とてもあたし一人では、あの人の子をここまで育てられなかった。あなたが助けてくれたからこそ・・・」「とんでもねえ。お世話になった兄貴への恩返し、きっと堅気に育ててみせますよ」。旅鴉のいきりたった肩の力が少しずつ抜け、次第に首をおとし、瞑目して涙をこらえる様子を、座長・伍代孝雄は、ほとんど「後ろ姿」だけで演じ切ったように思う。間男成敗などと「世迷い言」を吐いた自分を恥じ、「親子名乗り」もしないまま旅立とうとする鴉一匹、後を追いかける「鳥追い女」に「付いてくるなら勝手にしやがれ」と言い放ち、颯爽と退場する座長、今日もまた、大衆演劇の「至芸」を鑑賞できたことを幸せに思う。
 このような芝居小屋(浪速クラブ)で演じられる舞踊ショーは、舞台に立つだけで「絵」になってしまう。とりわけ、芝居で「三枚目」を演じた伍代瑞穂の女形舞踊は光っていた。
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(2008/11/28)
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