META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団天華
2ntブログ
QLOOKアクセス解析
2023-12-22

劇団素描・「劇団天華」・《芝居「源助地蔵」の名舞台》

【劇団天華】(座長・澤村千夜)〈平成23年10月公演・大阪梅南座〉
芝居の外題は「源助地蔵」。堤防工事を請け負った侍(座長・澤村千夜)と、その家に出入りする植木職人・源助(副座長・澤村神龍)の物語である。源吉には女房(澤村ゆう華)との間に第一子・源太郎(抱き人形)が生まれたばかり、長屋の一同が集まってお祝いをしている。赤ん坊を皆で抱き回す風情が、なんとも滑稽でたいそう面白かった。皆が帰った後、源吉が、浮かない顔で帰宅する。御主人の様子が、いつもと変わって沈み込んでいるとのこと、何もなければよいがと話し合った後、奥に引っ込んで食事となった。そこにやってきたのが件の侍、足取りも重かったが、意を決して源吉宅の戸を叩く。応対に出た女房とは旧知の間柄と見え、親しく言葉を交わし合うが、時々、客席から笑いが起こる。(どうやら、侍役の座長と女房役の澤村ゆう華は実の夫婦らしいが、確証はない)生まれたばかりの源太郎を侍が「抱きたい」と所望、抱き方をあれこれと女房から教えてもらう様子もまた滑稽で、一段と絵になる場面であった。やがて、源吉も登場、侍と二人だけの話になる。侍曰く「堤防工事が相次ぐ事故で順調に進まない。占い師に見てもらうと、子年の人柱を立てることが肝要とのこと。当藩には子年の侍は皆無、ついては、子年のおまえにぜひとも人柱になってもらいたい」。源吉、仰天して「あっしには女房、子どもがおります。そればかりは・・・」と断るが、「そうであろうな。では、私はこの場で腹を切る」という侍を前にしては、どうしても断り切ることができなかった。かくて、恋しい女房、子どもと別れ、御主人のために人柱となって死んでいく。筋書きとしては単純、また、誰一人として悪人は登場しないのに、結果としては善良な「無辜の民」が犠牲になる「不条理さ」、が鮮やかに描出されていた。役者一人一人の心優しき「ぬくもり」が、その悲しい景色をいっそう際だたせる、超一級品の人情芝居に仕上がっていた、と私は思う。発展途上であった「劇団」が、今、間違いなく「大化け」(大成長)したことは間違いない。斯界の名人・喜多川志保の「参加」にも関わる結果であろうか・・・、などと思いを巡らしつつ、飛田のオーエス劇場に向かった。
仏像ワールドの特選仏像 地蔵菩薩 (厨子入)仏像ワールドの特選仏像 地蔵菩薩 (厨子入)
()
MORITA

商品詳細を見る

日本直販オンライン
QVCジャパン



にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1


2023-12-10

劇団素描・「劇団天華」・《名人・喜多川志保の参加で、志高く開いた大輪の花》

【劇団天華】(座長・澤村千夜)〈平成23年10月公演・大阪・梅南座〉
 斯界の名人・喜多川志保が大阪にいる。「劇団天華」(座長・澤村千夜)の舞台に乗っている。その雄姿(艶姿)を一目仰ぎたいという思いで梅南座にやってきた。到着時刻は午後4時30分。しかし、劇場の気配は閑散としている。受付窓口は無人、看板のライトも点いていない。だが、入り口の扉は開け放たれ、客席には人影も見える。かまわずに入ってみると、三人の高齢者が椅子に座っている。その一人(女性)に「今日、お芝居は?」と尋ねると、「椅子に座っておられれば、そのうちお金集めに来るさかい・・・」とのこと。それにしても「あと30分というのに、客が三人とは・・・。本当に幕が開くのだろうか」という不安が高まった。時刻はまもなく5時、いっこうに変化がない。しかし、それを過ぎると、一人ふたりと客が現れ、十人ほどになった。「そうか、開演は5時半か」と思い直し、元気が出てきた。結局、客の数二十人弱で、5時半に開幕。第一部・ミニショー、お目当ての喜多川志保は(当然のことながら)登場しなかった。第二部・芝居の外題は「恋の大川囃子」。江戸大店の奉公人たちが、(仮祝言を直前にして姿を消した)お嬢様を捜し回っている。そこに大店の女主人が正装して登場。やった!喜多川志保だ!聞けば「今日は、これから一人娘の仮祝言。相手は浪花大店の若旦那、先代の主人同士が、約束した許婚だ」という。一同が退場した後の大川端、件の一人娘(澤村ゆう華)が手代(澤村悠介)と「道行き」の風情で登場。「この世で添えぬのなら、いっそあの世で」と、お決まりの心中沙汰・・・。手代曰く「首を吊って死にましょう」、娘「イヤよ!涎を流して死ぬなんて」「では、毒を飲みましょう」「イヤよ!そんな苦いクスリ」といった「今風」のやりとりが何とも面白かった。手代「では、川に身を投げましょう」、娘、ようやく応じて「それならいいわ。でも深さはどれくらい?浅かったら死ねないじゃない」「それもそうですね。では測ってみましょう」と言いつつ、手代が石を川に投げ込んだ。その途端、返ってきたのは「イテーッ!」という男の叫び声。川端に留めてあった屋形船の酔客に当たったらしい。実は、この男、娘の許婚、浪花の若旦那(座長・澤村千夜)であった、という筋書きで、たいそう充実した出来映えであった。私は、この劇団の舞台を2年前(平成21年5月)、埼玉の「ゆうパークおごせ」で見聞している。当時は、旗揚げして1年、「初々しさ」「志の高さ」が感じられても、まだ「発展途上」の段階にあったと思われるが、文字通り「雌伏三年」、今では、来月新規開場される大阪高槻・千鳥劇場の柿落としを任せられるまでに「成長」したのであった。その大きな原動力となったのが、他ならぬ名女優・喜多川志保の「参加」であったことは間違いあるまい。彼女が登場しただけで、座員の表情はキリリと引き締まり、役者ひとりひとりに魂が吹き込まれた感じがするのである。座員は、座長・澤村千夜を筆頭に、副座長・澤村神龍、花形・澤村丞弥、若手・澤村悠介、澤村龍太郎、澤村大雅、澤村ソウマ・・・等々、いずれもその個性を十分に発揮している。今日の舞台、浪花の若旦那に扮した座長が、大店の奉公人に扮した若手の面々と一人ずつ「面談」、アドリブの突っ込みで各自の個性を引きだそうとする演出はお見事、役者と観客を結び付ける心憎い気配りであった。加えて、許嫁と手代のために、芸妓(副座長・澤村神龍)と連んで一芝居打つ、座長の風情もさわやかで「侠気」十分、ことのほか「絵になっていた」と、私は思う。2年前、〈旗揚げしてまだ1年、発展途上の「初々しさ」を生かして(日々の稽古に励めば)必ずや美しい華に結実化するだろう〉と、私は書いたのだが、その期待(予想)は見事に的中)、うれしさの気持ちいっぱいで前売り券を購入、帰路についた次第である。
おしどり囃子 [DVD]おしどり囃子 [DVD]
(2005/06/21)
美空ひばり、大川橋蔵 他

商品詳細を見る

日本直販オンライン
QVCジャパン



にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1

2023-06-18

劇団素描・「劇団天華」・《芝居「丸髷芸者」の名舞台》

【劇団天華】(座長・澤村千夜)〈平成27年9月公演・小岩湯宴ランド〉
私がこの劇団の舞台を見聞するのは4回目である。初回は埼玉県ゆうーパークおごせ(平成21年5月)、2・3回目は大阪梅南座(平成23年10月)、当初は旗揚げして間もない「発展途上」の段階であったが、名優・喜多川志保の参加により、役者連中はめきめきと腕を上げ、充実の一歩を辿っている、と私は思う。芝居の外題は「丸髷芸者」。大店「藤野屋」の若旦那(澤村悠介)には幼馴染みの許嫁(澤村ゆう華?鈴華?)があったが、江戸に商い修業に出かけ、芸者・お蔦(座長・澤村千夜)を連れて帰ってきた。大旦那(澤村丞弥)は息子可愛さで、お蔦の嫁入りを了承、許嫁の母(喜多川志保)に「縁談破談」を告げに来る。収まらないのは許嫁、「もうこれまで」と家を飛び出して行った。許嫁の母、必死に「旦那様、何とかもう一度考え直して」と懇願するが、「これで勘弁してくれ」と手切れ金を差し出し大旦那は立ち去った。「そりゃ、あんまり・・・」と悲嘆に暮れているところに、丸髷姿のお蔦、許嫁を連れて登場。「この娘さんが川に身を投げようとしたので助けました。命を捨てようとするからには、よくせきならぬ事情がおありでしょう。よろしければお聞かせください」。・・・、かくて、一部始終を知ったお蔦、大店に帰ると悪妻に豹変して酒浸り。呆れかえる大旦那や店の連中を尻目に、若旦那は「お蔦はそんな女ではない。なにかわけがあるに違いない」と思ったが・・・。やがて、一人になったお蔦の所に旅姿の若者が訪れる。よく見れば、島流しから帰った弟(澤村神龍・好演)、「ねえちゃん、よかったなあ、丸髷結って大店の若奥様かあ」と喜ぶ。お蔦「いいところに、帰って来た。おまえ、私の間夫になっておくれ」としなだれかかる。びっくり仰天の弟、それでも姉の頼みに応じた。その景色は秀逸で姉弟が演じる「濡れ場」に客席は拍手喝采、二人の絡み具合がたいそう面白かった。その様子を見聞した若旦那、今度は本当に怒った。「よくも私を裏切ったな、この売女!離縁だ、すぐに出て行け」と罵る。「何だと!よくも(姉ちゃんを)売女呼ばわりしたな・・・」といきり立つ弟を鎮めて、お蔦「罵られたのは私、ここはこらえて頂戴ね」。お蔦、奥に向かって別れの謝辞を述べ、立ち去ろうとすれば、許嫁と母親、大旦那と若旦那、登場人物一同が舞台に登場、大月みやこの「恋ものがたり」(詞・池田充男、曲・大沢浄二)に乗せて珠玉の「節劇」が展開した。詠っていわく「別れてあげます 身をひいて あなたお願い もどってあげて 今夜は飲んでもいいですか 酔って泣いたり しないから だって だって二年も やさしくされて 可愛がられた 私じゃないの わかっていました はじめから 訳がありそな あなたの事が悲しいくらいに いとしくて ゆめをみていた 恋おんな だって だって二年も やさしくされて こんな科白が いま辛すぎる いのちがふたつに 折れるほど 抱いてください 最後につよく 未練は見せない やくそくが もろく崩れて 腕のなか だって だって二年もやさしくされて うれしかったの 泣かせてあなた」
 お蔦は、何も知らずに丸髷を結って嫁いできた。裏切ったのは若旦那の方である。しかも、幼馴染みの許嫁とお蔦、二人の心を踏みにじったのである。その傷は、お蔦が身をひいても癒やされることはないだろう。そんな愛の「不条理」さが見事に結実された「名舞台」であった、と私は思う。
 この劇団は旗揚げして(おそらく)7年目、わずかな助走を経て、ホップ、ステップの段階を難なくクリア、今、大きくジャンプしていることを確認、大きな元気を頂いて帰路に就いた次第である。感謝。



にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1

2023-05-10

劇団素描・「劇団天華」・《「二人忠治」、越生で「志高く」奮闘公演を!》

【劇団天華】(座長・澤村千夜)〈平成21年5月公演・ゆうパークおごせ〉
 劇団紹介」によれば〈プロフィール 劇団天華 平成20(2008)年2月に、澤村千夜座長がヘルス共和国Z(広島県)にて旗揚げ。劇団名は「やるからには一番をめざして」という座長の思いが込められている。座長を中心に若手、ベテランが力を合わせ日々稽古に励んでいる。座長 澤村千夜(さわむらせんや)昭和48(1973)年10月22日生まれ。愛媛県出身。血液型B型。「千代丸劇団」(澤村千代丸座長)、「劇団紀伊国屋」に在籍し、端正な容貌を生かした二枚目、クールな仇役、三枚目など芸域を広げてきた。平成20(2008)年、ヘルス共和国Z(広島県)にて「劇団天華」を旗揚げ。劇団名には「やるからには一番を目指して」という思いが込められている〉とある。また、キャッチフレーズは、〈天下に咲き誇る一番美しい華になる。志高く、無限の可能性に挑む。「千代丸劇団」「劇団紀伊国屋」で芸の腕を磨いた男伊達・澤村千夜が独立旗揚げ。澤村千夜座長を筆頭に劇団が一丸となって、繰り広げる情熱舞台を感じてください〉であった。さて、この劇場、観劇料金は「別勘定」のためか(しかも客席の前半分は「さらに有料」の指定席)、日曜・昼の部だというのに、客席は閑散としている。開幕時の客数は十数名にすぎなかった。そんな中で、芝居の外題は「二人忠治」。赤城の山で「下働き」をしていた百姓が、国定忠治の「名を騙って」無銭飲食を繰り返すうち、本物の忠治に遭遇、馬脚をあらわすという筋書で、喜劇の中の喜劇、劇場の空気は「笑いの渦」であふれるはずであったが、残念ながら客数不足が致命的、客は(恥ずかしやら、むなしいやら)笑い声を「押し殺して」観る始末。劇団の「実力」は「水準並み」だが、劇場の「集客能力」が及ばず、不完全燃焼気味の舞台であった、といえよう。劇団員(キャスト)は、副座長・澤村神龍(舞踊の実力は「水準」以上)、ベテラン・アスカコウジロウ、女優・サンジョウナツキ、男優二人、子役一人(いずれも芸名不詳)で、合計7名(?)。旗揚げしてまだ1年、「発展途上」の「初々しさ」を生かして〈日々の稽古に励め〉ば、必ずや「美しい華」に結実化するだろう。「役者は揃っている」。たった数名の客であっても、「大入り」のつもりで舞台を務められるかどうか、そのことが〈志高く、無限の可能性に挑む〉「鍵」(キーポイント)になるだろう。
「劇団若獅子」結成20周年記念公演「国定忠治 全通し上演版」 [DVD]「劇団若獅子」結成20周年記念公演「国定忠治 全通し上演版」 [DVD]
(2009/10/07)
劇団若獅子

商品詳細を見る

日本直販オンライン
QVCジャパン



にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村 
blogram投票ボタン

観劇 ブログランキングへ

ブログランキングNo.1
ブログランキングNO1

スポンサードリンク


プロフィール

e184125

Author:e184125
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキングNO1
ブログランキングNO1