META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団天華」・《芝居「丸髷芸者」の名舞台》
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2023-06-18

劇団素描・「劇団天華」・《芝居「丸髷芸者」の名舞台》

【劇団天華】(座長・澤村千夜)〈平成27年9月公演・小岩湯宴ランド〉
私がこの劇団の舞台を見聞するのは4回目である。初回は埼玉県ゆうーパークおごせ(平成21年5月)、2・3回目は大阪梅南座(平成23年10月)、当初は旗揚げして間もない「発展途上」の段階であったが、名優・喜多川志保の参加により、役者連中はめきめきと腕を上げ、充実の一歩を辿っている、と私は思う。芝居の外題は「丸髷芸者」。大店「藤野屋」の若旦那(澤村悠介)には幼馴染みの許嫁(澤村ゆう華?鈴華?)があったが、江戸に商い修業に出かけ、芸者・お蔦(座長・澤村千夜)を連れて帰ってきた。大旦那(澤村丞弥)は息子可愛さで、お蔦の嫁入りを了承、許嫁の母(喜多川志保)に「縁談破談」を告げに来る。収まらないのは許嫁、「もうこれまで」と家を飛び出して行った。許嫁の母、必死に「旦那様、何とかもう一度考え直して」と懇願するが、「これで勘弁してくれ」と手切れ金を差し出し大旦那は立ち去った。「そりゃ、あんまり・・・」と悲嘆に暮れているところに、丸髷姿のお蔦、許嫁を連れて登場。「この娘さんが川に身を投げようとしたので助けました。命を捨てようとするからには、よくせきならぬ事情がおありでしょう。よろしければお聞かせください」。・・・、かくて、一部始終を知ったお蔦、大店に帰ると悪妻に豹変して酒浸り。呆れかえる大旦那や店の連中を尻目に、若旦那は「お蔦はそんな女ではない。なにかわけがあるに違いない」と思ったが・・・。やがて、一人になったお蔦の所に旅姿の若者が訪れる。よく見れば、島流しから帰った弟(澤村神龍・好演)、「ねえちゃん、よかったなあ、丸髷結って大店の若奥様かあ」と喜ぶ。お蔦「いいところに、帰って来た。おまえ、私の間夫になっておくれ」としなだれかかる。びっくり仰天の弟、それでも姉の頼みに応じた。その景色は秀逸で姉弟が演じる「濡れ場」に客席は拍手喝采、二人の絡み具合がたいそう面白かった。その様子を見聞した若旦那、今度は本当に怒った。「よくも私を裏切ったな、この売女!離縁だ、すぐに出て行け」と罵る。「何だと!よくも(姉ちゃんを)売女呼ばわりしたな・・・」といきり立つ弟を鎮めて、お蔦「罵られたのは私、ここはこらえて頂戴ね」。お蔦、奥に向かって別れの謝辞を述べ、立ち去ろうとすれば、許嫁と母親、大旦那と若旦那、登場人物一同が舞台に登場、大月みやこの「恋ものがたり」(詞・池田充男、曲・大沢浄二)に乗せて珠玉の「節劇」が展開した。詠っていわく「別れてあげます 身をひいて あなたお願い もどってあげて 今夜は飲んでもいいですか 酔って泣いたり しないから だって だって二年も やさしくされて 可愛がられた 私じゃないの わかっていました はじめから 訳がありそな あなたの事が悲しいくらいに いとしくて ゆめをみていた 恋おんな だって だって二年も やさしくされて こんな科白が いま辛すぎる いのちがふたつに 折れるほど 抱いてください 最後につよく 未練は見せない やくそくが もろく崩れて 腕のなか だって だって二年もやさしくされて うれしかったの 泣かせてあなた」
 お蔦は、何も知らずに丸髷を結って嫁いできた。裏切ったのは若旦那の方である。しかも、幼馴染みの許嫁とお蔦、二人の心を踏みにじったのである。その傷は、お蔦が身をひいても癒やされることはないだろう。そんな愛の「不条理」さが見事に結実された「名舞台」であった、と私は思う。
 この劇団は旗揚げして(おそらく)7年目、わずかな助走を経て、ホップ、ステップの段階を難なくクリア、今、大きくジャンプしていることを確認、大きな元気を頂いて帰路に就いた次第である。感謝。



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