META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 2023年04月21日
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2023-04-21

劇団素描・「不二浪劇団」・《柏で、「大月瑠也、見っけ!」》

【不二浪劇団】(座長・瀬川伸太郎)〈平成25年2月公演・みのりの湯柏健康センター〉
劇場内に入ると、「大月瑠也」のタペストリーが壁に掲げられている。彼は、「劇団翔龍」座長・春川ふじおの兄、数年前までそこの座員であったが、なぜか退き、「劇団美鳳」の舞台にゲスト出演していた。その後、(私にとっては)「消息不明」であったのに、ナント「不二浪劇団」に居ようとは・・・、思わず「大月瑠也、見っけ!」と心中で叫んでしまった。芝居の外題は「天竜しぶき笠」。天竜峡近くの山村で暮らす、木樵の倅(大月瑠也)は、名うての筏乗りであったが、江戸からやってきたヤクザ連中の羽振りに憧れて出奔、今は行き方知れず・・・。木樵(倅の父)はそのことを気に病んでまもなく他界、今では母(リュウ・チカ?・好演)と妹(神楽坂美佳)が留守宅を守っている。そんな折も折(出奔から七年目)、倅が帰ってきた。それとなく家内を窺うが、おのれの不孝が身にしみて、敷居をまたげない。やむなく父親ゆかりの煙草入れと財布を玄関先に投げ入れて退散した。気配を感じた妹が表に出てきたが、兄は再び行き方知れず。そこに、母が旅人を連れて登場、聞けば、崖から転落、危うく樹木に引っかかっているところを、助けられたという。旅人の名は、鬼百合の吉五郎(座長・瀬川伸太郎)、れっきとしたブショク渡世人であった。吉五郎いわく「助けて頂いた御恩返しに、倅さんを探しましょう。一年後、必ず倅さんを連れて戻ります」。舞台は変わって、そこはドス、槍、叫声が飛び交う喧嘩場、敵同士で出会った吉五郎と倅の一騎打ち、勝負の運は吉五郎に傾いて、倅は致命傷を負う。今際の話を聞いて、彼こそが探し続けたお人であったとは・・・。吉五郎、痛恨の極み、やむなく倅の遺骨を抱いて天竜峡に赴くといった筋書きで、たいそう見応えのある舞台に仕上がっていた。主なる登場人物は四人(吉五郎、母、妹、倅)だったが、一人一人の「実力」が物を言い、相互の呼吸がピタリと合う名場面の連続であった、と私は思う。とりわけ、所作、表情だけで心情を描出する大月瑠也の風情は天下一品、さらにリュウ・チカ(?)の「枯れた」景色も加わって、座長・瀬川伸太郎の「侠気」を際立たせる、三者三様(三つ巴)の舞台模様は見事であった。久しぶりに「関東風」大衆演劇の真髄を堪能できた次第である。座長の口上によれば、この劇団は二年前、蟹洗温泉(福島県)で東日本大震災に遭遇、大道具・小道具、衣装・鬘の一切を津波にさらわれた由。文字通り「地獄からの生還」を果たして、日々の舞台を「懸命に」務める一行の姿に、私の涙は止まらなかった。
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(2012/05/23)
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