META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団美山」・《芝居「一本刀土俵入り」の画竜点睛》
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2023-11-26

劇団素描・「劇団美山」・《芝居「一本刀土俵入り」の画竜点睛》

【劇団美山】(座長・里見たかし)〈平成26年9月公演・浅草木馬館〉
 私がこの劇団の舞台を見聞するのは3回目である。初回は平成20年2月、湯ぱらだいす佐倉であった。その時の感想(の一部)は以下の通りである。〈中村えくぼと座長の「三枚目」は、高難度の演技力を要求される。まず第一に、「客」との呼吸(間)、次に、相手役との呼吸(ボケとつっこみ、場合によってはボケとボケ)をはかれるかどうか・・・。登場して客を見る、客が笑う、それを確認して「表情」の演技、客が笑う、それを確認して「所作」の演技、客が笑う、以後は相手との絡みに専念し、客の笑いを「背中で感じる」ようになれば、「芝居の実力も向上の一途を」辿るに違いない。外題「夢介十年後の仇討ち」の眼目は、「バカな夢介」から「バカなふりをしている夢介」、「実は筋金入りの男・夢介」へと「変化」(へんげ)していく過程を楽しむところにある。そのためには、夢介は本当にバカなのか、そうではないのかが、三枚目・チョロ松との絡み、敵役の親分、用心棒とのやりとりを重ねるうちに、次第次第と「浮き彫り」されてこなければならない。大昔、新国劇「国定忠治・山形屋の場」で、「百姓のふりをする忠治」を辰巳柳太郎が演じていたが、それと同程度(高難度)の演技力が要求されるのである。という点では、まだ課題が残る舞台ではあった。とはいえ、斯界の実力者を両親にもつ座長のこと、「つぼにはまれば」難なくクリアできるだろうと、私は確信する〉。2回目は、平成21年4月、湯うパークおごせの舞台であった。その時の感想(の一部)は以下の通りである。〈1年2カ月ぶりの見聞で、劇団の「変化」(へんげ)を期待したが、夜の部は「観客数不足のため」(10人未満)「舞踊ショー」のみの公演となった。劇団の「実態」は「舞踊ショー」を観ればわかるので、「不満・不足」は感じなかったが、出演者は座長の他は「若手」だけ、特筆すべき内容はなかった。ただ一点、花形・里美こうたの「立ち役」「女形」(命くれない)は、お見事。以前から、その「舞姿」は輝いていたのだが、今回は一段と「磨きがかかり」、水準以上の出来栄えであった。遠路はるばる訪れた甲斐があったというもの、大きな元気を貰って帰路につくことができた次第である〉。爾来5年半が経過したが、今回の舞台模様は如何に・・・。芝居の外題は「一本刀土俵入り」。主なる配役は、駒形茂兵衛・座長・里見たかし、酌婦お蔦・中村ミカ、舟戸の弥八・里見こうた、波一里儀十・里見祐樹、安孫子屋の遣り手婆・中村エクボ、お蔦の亭主辰三郎・里見京馬、酌婦・中村花、中村みつき、お蔦の娘(子役)・中村ひろみ、といった面々で申し分ない。芝居は前編(安孫子屋前)と後編(十年後の取手宿)に分けられ、それぞれの役者が精一杯の演技を披露して、たいそう見応えのある舞台に仕上がっていたのだが・・・、この芝居の眼目は、大詰め、辰三郎を追ってきた波一里儀十一家の連中を、茂兵衛がどのように扱うかの一点にある。茂兵衛がやって来たのは、あくまでお蔦への「恩返し」、それは亭主・娘ともども「追っ手から逃がす」ことであった。さればこそ、茂兵衛は一家連中と「棒」で立ち向かい「死にきり」にはしなかったのである。その根底には、「十年前、櫛、簪、巾着ぐるみで意見をもらった姐さん」の温かい慈悲心が流れていたのだから。だがしかし、今日の舞台、長谷川伸の原作とは大きく異なり、茂兵衛は刃を振り回して一家連中を成敗してしまった。だとすれば、お蔦一家は、もう逃げ出す必要はない。(役人の捕り手から)逃げなければならないのは茂兵衛の方ということになる。かくて、本日の「美山版・一本刀土俵入り」は、(誠に残念ながら)文字通り「画竜点睛を欠く」結果となってしまった、
と私は思う。〈とはいえ、斯界の実力者を両親にもつ座長のこと、「つぼにはまれば」難なくクリアできるだろうと、私は確信する〉といった5年前の感想は今も変わらない。「劇団美山」の成長・進歩は確実である。安孫子屋の遣り手婆に扮した中村エクボは、6年前に私が綴った「高難度の演技力」〈まず第一に、「客」との呼吸(間)、次に、相手役との呼吸(ボケとつっこみ、場合によってはボケとボケ)をはかれるかどうか・・・。登場して客を見る、客が笑う、それを確認して「表情」の演技、客が笑う、それを確認して「所作」の演技、客が笑う、以後は相手との絡みに専念し、客の笑いを「背中で感じる」ようになれば、「芝居の実力も向上の一途を」辿るに違いない〉という一文を見事に具現化していたのだから。今後益々の充実・発展を祈りつつ、帰路に就いた次第である。
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