META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団朱光」・《芝居「質屋の娘」の名舞台》
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2024-01-29

劇団素描・「劇団朱光」・《芝居「質屋の娘」の名舞台》

【劇団朱光】(座長・水葉朱光)〈平成25年12月公演・小岩湯宴ランド〉
この12月私は、芝居「かげろう笠」「雨の他人舟」「一本刀土俵入り」「へちまの花」「瞼の母」などの舞台を見聞したが、2年前に比べて「大きな変化」は見られなかった。むしろ、これまでの「チームワーク」(呼吸)が、ともすれば乱れ気味で、いわゆる「中だるみ」もしくは「マンネリ」「油断」が感じられた。それというのも、花形・舞坂錦が副座長に昇進、名も水城舞坂錦と改まったが、やや「力みすぎ」、「立て板に水」のセリフ回しが目立ちすぎて(私にとっては)食傷気味、加えて一座の重鎮・梅沢洋二朗が(大門力也が客演のため)休演状態、さらにまた若手男優・水澤拓也、水橋光司、水越大翔らに大きな変化がみられず足踏み状態、といった事情があるからであろう。とはいえ、千秋楽前夜の今日の舞台は、その「中だるみ」を吹き飛ばすような、見事な出来映えであった。芝居の外題は、御存知「質屋の娘」。配役は「質福」の娘・おふく(26歳)に座長・水葉朱光、その兄(28歳)に水城舞坂錦、番頭に潮美栄次、手代・新二郎(25歳)に水廣勇太、
おふくの身の回りを世話する女中・おさよに朱里光、おさよの兄(高崎在の水呑百姓)吾作に水谷研太郎といった面々で、申し分ない。筋書きは単純、年頃になったおふくが「お婿さんがほしい」と言い出した。相手は手代の新二郎、しかし新二郎には「末を言い交わした」おさよがいた、おふくは「泣く泣く」その縁談をあきらめるというお話である。しかし、見所は随所に散りばめられていた。まず第一は、娘・おふくの風情。幼いとき階段から落ち、頭を打って「育ちそびれてしまった」。頭には(質倉にある)簪を「生け花のように」さしまくって登場、兄に咎められて簪を抜き去ると、スッキリしたが、その様子を兄がしみじみと見て「ずいぶん淋しくなっちゃった」といった呼吸は絶品、「綺麗」というよりは「可愛い」という評価がピッタリの舞台姿であった。第二は、番頭・潮美栄次の存在、彼の芸風はどちらかと言えば「地味」で「不器用」、脇役・仇役に徹し「いてもいなくてもよい」存在感がたまらなく魅力的である。おさよの兄・吾作が帳場の金(五両)を盗もうとするのを見咎め捕縛する。馬乗りになって吾作を打擲する様子が「絵になっていた」。第三は店主・水城舞坂錦と手代新二郎・水廣勇太の「絡み」、新二郎、店主の縁談話にのりかかるが相手がおふくと知って「卒倒」する、店主と手代では立場が違う、自分の本心も聞いてもらえずにやむなく承諾する。そこにやってきたおふくに迫られ、辟易とする場面は抱腹絶倒の場面であった。第四は、その新二郎とおふくの「絡み」、新二郎おふくに向かって「私とおさよはメオトの約束をしています」。おふく「いいよ、おさよとメオトになりなさい。アタシは新二郎とフーフになるのだから」「違うんです。メオトとフーフはことばは違うけど意味は同じなんです」「フーン、だったら三人でフーフになろう」といったやりとりが何とも魅力的であった。その他にも、店主が吾作の名前を「何回も」呼びまちがえる場面、おさよが新二郎に裏切られて嘆き悲しみ店を去る場面等々、見所は満載であったが、「極め付き」は大詰め、店主の兄とおふくの「絡み」、店を去って行ったおさよを追おうとする新二郎に、おふくは花嫁衣装と支度金まで贈呈、それでも新二郎が恋しいと泣きじゃくる。(その様子を陰で見ていた)兄に向かっておふくが言う。「アタシ、バカだから、新二郎は行ってしまった」。兄、きっぱりと「おまえはバカじゃない!好きな相手に着物やお金を上げてしまうなんて、利口な人にはできないということだ」おふく「?・・・、じゃあやっぱりバカなんだ」というオチも添えられで、舞台は愁嘆場。「どんなに苦いオクチュリでも飲むから、バカを治して」と懇願するおふく、「バカはイヤ、バカはイヤ、バカはイヤなんだよー」と泣きじゃくる妹に、なすすべもなく立ち尽くして慟哭する兄、そのままふたりがシルエットになって終演となった。「育ちそびれた人物」の姿を(多くの)観客は見たくない。なぜなら、実生活の中では、その姿に「夢」を感じないからである。にもかかわらず、「育ちそびれた」風情の中に、(観客の)「共感」を呼び起こし、「人権尊重」を語りかけようとする座長・水葉朱光の「演技」は冴えわたっていた。役者にとってそれは「至難の業」、初めは目を背けていた観客が、次第に惹きこまれ、その姿に「夢」と「輝き」を感じられるようになるか否かが問われるからである。事実、これまで笑い転げていた観客(私)の感性は、きれいに洗い清められ、あふれ出る涙を抑えることができなかった。
 今日の舞台は、あの「人間」(「劇団竜之介」)、「春木の女」(「鹿島順一劇団」)に匹敵する、斯界屈指の名作であった、と私は思う。感謝。
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