META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団新」・《若手台頭の「名舞台」二つ》
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2024-01-12

劇団素描・「劇団新」・《若手台頭の「名舞台」二つ》

【劇団新】(座長・龍新)〈平成25年11月公演・みのりの湯柏健康センター〉
昼の部、芝居の外題は「竹とんぼ」。幼少の頃、父親に作ってもらった竹とんぼを髪に挿しながら、その父を探し続ける旅人(龍錦・16歳)の物語である。ある茶店で土地の与太者(秋よう子)に襲われた娘(千明ありさ)を助け、その娘の一家に草鞋をぬいだ旅人、娘に見初められてしまったが、一家の代貸し(座長・龍新)や、その子分(千明みな美・好演)は面白くない。いずれは、親分(指導後見・龍児)を除けて跡目を継ごうと企む代貸しと旅人の「対決」が見所だと思われるが、私は(舞台に色を添える脇役として登場した)一家の三下役・豆太(小龍優・13歳)の「達者振り」に舌を巻いてしまった。芸達者が揃う座員連中に混じって、一歩も引けを取らない「堂々とした」舞台度胸は、ただものではない。(ベテランの)下女役・おなべ(千明あず美)との「色模様」も格別、さらに言えば、娘に焦がれたが、けんもほろろに振られまくる子分役、千明みな美の風情もたまらなく魅力的・・・、要するにこの舞台、筋書きの本筋以上に、脇役陣の「見所」満載といった景色で閉幕となった。夜の部、芝居の外題は「三人出世」。故郷の河内を出て一旗揚げようと江戸に向かった、若者三人の物語である。誰が一番出世をするか、三年後に日本橋で落ち合おうと約束して別れたが、「生き馬の目を抜く」ような江戸で身を立てることは容易ではない。三人とも、食い扶持にありつけず「身投げをしよう」と覚悟したが、その時、助けてくれた人の「差異」によってその後の運命は一変する。島やん(千明将人)は大金持ちに助けられ今では立派な「高利貸し」、(愚図の)友やん(龍児)は、温情豊かな親分(秋よう子)に助けられ今では(頼りない)「十手持ち」、不運だったのは定やん(座長・龍新)、大泥棒に助けられ今では「怪盗定吉」と手配書がまわる「追われの身」。三者三様の運命が「絡み合い」、大詰めの「涙」に結実化する展開はお見事、これこそ大衆演劇の「真髄」、関東人情芝居の醍醐味を十分に堪能することができた。この舞台もまた見所満載、龍児演じる友やんと、秋よう子演じる親分の(コミカルな)「絡み」は絶品、とりわけ、ドジで間抜けな友やんの風情と、その頭を叩きながらたしなめる親分の呼吸もピッタリで、抱腹絶倒場面の連続であった。「追われの身」定やんの景色も秀逸、身をやつした黒装束の中に、生来の侠気、温情も秘められ、文字通り「悲運のスター」の気配が散りばめられる。また、島やんは、(これまでの)ベテラン・立花智鶴に代わって若手・千明将人?(確証はない)、「幸運」の上に胡座をかいている傲慢さ、友やんの諫言を聞きながら次第に力が脱け、「改心」(反省)して土下座をするまでの「一瞬・一瞬の」の表情・所作が素晴らしい。思わず「あの役者さんは誰、この劇団にあんな人いたっけ?」と心中で呟いてしまった。
 かくて、これからの「劇団新」は《若手台頭》の最盛期、従来にも増して数々の「名舞台」が演じられるだろう、と確信しながら帰路に就いた次第である。感謝。
竹とんぼ竹とんぼ
(1998/05/21)
堀内孝雄

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