META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「黒髪道中・縁結びの三五郎」は「蛍火」の風情》
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2023-11-09

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「黒髪道中・縁結びの三五郎」は「蛍火」の風情》

【鹿島順一劇団】(座長・三代目鹿島順一)〈平成24年5月公演・大阪満座劇場〉
芝居の外題は「黒髪道中・縁結びの三五郎」。私は、この芝居を昨年(平成23年4月))、尼崎・座三和スタジオで見聞している。その時の感想は以下のとおりであった。〈芝居の外題は「黒髪道中・縁結びの三五郎」。筋書きは単純、磯浪一家と三つ房一家の抗争にからんだ仇討ち物語である。磯浪一家の親分はすでに病死、今ではその姐さん(春日舞子)が堅気になって川魚料理屋を営んでいる。腕利きの壷振りだった子分の三五郎(座長・三代目鹿島順一)も、今では女房(春夏悠生)持ちの板前、堅気の仕事も板についてきた。そんなところへ、三つ房一家のの親分・留吉(甲斐文太)が 、用心棒(花道あきら)と子分(赤胴誠、滝裕二)を連れてやってきた。身内に料理を馳走させながら、留吉の魂胆はこの料理屋を乗っ取ることにある。姐さんと二人きりになったところで、お決まりの「金返せ」。亡くなった親分に五十両貸していたという。姐さん「今すぐには無理」と断るが「じゃあ、明日の一番鶏が鳴くまで」ということで話がついた。とはいえ、そんな大金がすぐさま調達できるはずもなく、姐さんは思案にくれたが・・・。やむなく三五郎を呼び、「壷を振って五十両稼いでくれないか」と頼み込む。今は堅気の三五郎、しばし逡巡したが、(他に良い手段があろうはずもなく)意を決して「ようし!やりましょう。でも1回限りにしておくんなさい」と言い残して博打場へ・・・。それを見咎めたのが恋女房、「お前さん、何処へ行く気?まさか、壷振りにいくんじゃないだろうね」。三五郎、隠し切れずに一部始終を打ち明ければ、恋女房、欣然として曰く「なんだ、そんな事情があったのかい。お前さん、これを持ってお行きなさい」。、懐の財布、肩身の櫛まで差し出した。「ありがてえ」、三五郎もまた欣然として博打場へ・・・。だがしかし、である。子分たちと飲んでいた留吉が再登場、「おい、誰かいねえか」と店の者を呼び出す。間も悪く顔を出したのは三五郎の女房、その色香に、むらむらとして「いい女じゃねえか、酌をしてくれ」「あたしは三五郎の女房、酌女ではありません」「なんだ、そうだったのか。ますます気に入った」などとほざきながら、酔いにまかせて襲いかかる、といった按配で、女房はあえなく斬殺されてしまった。酒の上とはいいながら、さすがに留吉、「やばい」と思ったか身内の一同を引き連れて闇の中に遁走、行方知れずと相成った。そんな経緯はつゆしらず、三五郎、思い通りに五十両を稼いで、欣然と帰還したが、待っていたのは恋女房の亡骸。その黒髪を胸に抱いて、復讐の旅に出る。それから何年経っただろうか。場所はある茶店の前、三五郎が立ち寄ると、あたりは賑やかな雰囲気、店子(幼紅葉)の話では、土地(新田)の親分が祝言をあげる由、ところが新婦(春夏悠生)には情夫(春日舞子・二役)が居る。その親分とは、あの留吉に他ならず、三五郎、めでたく恋女房の仇を討つことができたが、助けた新婦は亡妻に「瓜二つ」、やるせなささも、いや増して、泣く泣く情夫との「縁結び」を執り行って大団円となったが、ひとり三五郎の淋しげな風情が、何とも印象的な舞台であった。願わくば、恋女房役の春夏悠生、酷なようだがこれも役者の宿命、心底から三代目座長に「惚れぬく」風情が欲しかった〉。さて、今回の舞台、恋女房役の春夏悠生、《心底から三代目座長に「惚れぬく」風情》を、見事に描出することができた、と私は思う。口上での座長の話。「恋女房の亡骸に取りすがって、泣き泣き黒髪を切り落とす場面があります。亡骸は屏風の陰に横たわっていますが、本当は衣装だけ、体の部分は段ボールの箱なんですよ。だから、ボクは段ボールの箱に取りすがって泣いているんです。悠生さんには、裏の仕事がありますから、横たわっている暇なんてありません。今日の舞台は広くなかったので、うまい具合に行きましたが、いつも段ボール箱がバレやしないか心配しています。お芝居って面白いですよね!ハハハハハ」おっしゃる通り、芝居の極意は「虚実皮膜」に尽きるとはいえ、三五郎と恋女房が「生前」に見せた「絡み」が見事であったればこそ(その余韻を感じつつ)、観客(私)は、段ボールの亡骸に「涙する」ことができるのだ。さて、舞台は大詰め、恋女房役の春夏悠生は、別人の花嫁役で再登場・・・。三五郎はその花嫁姿を一目見て、恋女房と「瓜二つ」、夢じゃないかと我が眼を疑ったが、懐の黒髪が「現実」に引き戻す。そんなことは何も知らない花嫁、怪訝そうに三五郎を見つめる、(心の)「すれ違い」が、ひときわ鮮やかな景色を描き出す。加えて、これもまた別人の花婿役に扮した春日舞子の、(剽軽な)無言の演技(「表情」「仕種)が色を添える、といった按配で、たいそう見応えのある舞台に仕上がっていた。今日もまた、観客数は20人弱、知る人ぞ知る「鹿島順一劇団」の名舞台は「蛍火」のように美しく輝いている。その蛍は、いつまで、そして、どこまで、飛んで行けるのだろうか。「旅の一座の名もない花形(スター) ビラの写真のさみしい顔よ 遙かあの町あの村過ぎて 行くかはるばる流れの旅路」(詞・吉川静夫、曲・上原げんと、唄・津村謙)という名曲(「流れの旅路」)を(今さらのように)思い出しつつ、「遠征」から(はるばるの)帰路に就いた次第である。
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