META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「近江飛龍劇団」・《芝居「浮世人情比べ》
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2023-11-08

劇団素描・「近江飛龍劇団」・《芝居「浮世人情比べ》

近江飛龍劇団】(座長・近江飛龍)〈平成20年5月公演・横浜三吉演芸場〉  昨年、浅草木馬館、十条演芸場で見聞済み。ほぼ半年ぶりに舞台を観て驚いた。座長だと思っていた役者が、実は別の役者(しかも誰だかわからない)、女優ナンバーワン・笑川美佳だと思っていた役者が、実は近江みぞれ、というように、劇団員ひとりひとりの「実力」が「見違えるほど」「大幅に」向上していたのである。この劇団は、(おそらく)昨年の十条・篠原演芸場公演以来、(小規模な劇場では)役者のワイヤレスマイクを使用していない。そのことが、どれだけ舞台の景色・風情を「魅力的」にすることか、また役者の「実力」を向上させることか、今や、芝居の「セリフ回し」において、この劇団の右にでるものはない。芝居の外題は「浮世人情比べ」。ある家の玄関先で娘(近江なぎさ)が縫い物をしている。村の娘たち(近江しぐれ・近江あらし)がさらに縫い物の注文にやってきた。快く引き受ける娘。そこに娘の兄夫婦(男優・不明、女優・近江みぞれ)が炭焼きの仕事を終えて帰宅。二人は娘の針仕事を見ながら「早く、お嫁にいったら」と勧めるが・・・。そこへ、京都の大店の若旦那(座長)が使用人・菊二郎(橘小虎丸)と一緒に通りかかった。若旦那、世間知らずの、わがまま放題、女の衣装をまとい、顔は白塗り、まさに「滅茶苦茶」の風体、見ているだけで吹き出してしまう。私は炭焼きの夫が座長、妻が笑川美佳だと思いこんでいるので、この若旦那(を演じている役者)が誰なのかわからない。使用人は橘小虎丸だとすぐにわかった。若旦那、「のどが渇いた」というので、使用人が水をもらいに玄関先へ、その時、娘と目があったかどうかはわからない。娘の様子を目ざとく見つけたのは、水を飲み終わった若旦那の方だった。「おい、菊二郎。あの娘、めちゃくちゃ可愛い。わいの嫁さんにする。おまえ話つけてこい」「そんな・・・。急に言われても」「おまえは家の使用人、もし話つけられんようなら、劇団クビや!」と言い残して、若旦那退場。私はその時、「鹿島順一劇団」の十八番「浜松情話」を思い出していた。筋書が酷似している。また、あの舞台が観られるのかと心躍った。一人残された使用人、しかたなく炭焼き夫婦と話をつける。炭焼き夫婦、「お金持ちと貧乏人、身分が違います」と渋ったが、何とか説得に成功、証拠の紙入れを渡して「祝言」の日取りまでこぎつけた。  二景は、祝言当日の大店。大旦那(男優・不明)、若旦那、威儀を正して(あるいはドタバタの景色で)待ち受けるが、花嫁はなかなかやってこない。大女将(轟純平)はなぜか(馬鹿旦那のところに嫁が来てくれるなんて、奇跡だと思ったのか)パニック状態、その興奮を治めようと呼んだ主治医(近江大和)、女中衆(近江しぐれ・近江あらし)と追いつ追われつのドタバタ景色で笑わせる。どうやら、炭焼き夫婦・妹(花嫁)がやってきた。待ちこがれた大旦那と若旦那、「どうぞこちらへ」と席を勧める。「はい」と言って歩きだす娘、案の定、その歩き方は大きくバランスを欠いていた。驚愕する若旦那、「えっ?なんや、その姿!知らなかった。そんな娘はお断り。おとっつあん、ことわってえな!」馬鹿旦那には馬鹿親爺、「もし、そのような娘さん、うちの嫁にはもらえません。お引き取り下さい」とつっぱねる。そればかりか、執拗に祝言を勧める使用人・菊二郎にまで八つ当たり、「世間知らずの若旦那を助けなければならないお前が、こんなドジを踏むなんて、おまえもクビだ」。あきれかえった炭焼き夫婦、こんなところに長居は無用、「さあ、帰ろう」と言ったとき、「待ってください、お兄さん・お姉さん」、平伏したのは菊二郎、「こんなことになったのは私の責任、どうか妹さんを私の嫁に下さい」と哀願した。その顔をまじまじと見つめた炭焼き、「よっしゃ、あんたさんの目と涙に嘘はない。妹をお預けしましょう。どうぞ幸せにしてやってください」。妹に「どうだ?菊二郎さと一緒になるか?」と問いかける。妹にっこりと「ハイ」。思わず寄り添う二人、そして静かに歩き出す。「?????」「あれっ?」再び驚愕する若旦那、大旦那。「ちゃんと、ふつうに歩いている。さっきの様子は嘘だったのか・・・」  「へっ、へっ、へっ・・・。悪いと思ったが一芝居打たせてもらいましたよ」とうそぶく炭焼きの夫。「金」や「体裁」(見栄え)よりもっと「大切なもの」がある、それが見えない奴のところになんて、大事な妹をやれるもんか、ざまあみやがれ、再びパニック状態の大女将登場、それを追いかける主治医、女中衆、若旦那、大旦那のドタバタ景色で幕となった。 さて、若旦那を演じたのは座長だとわかった(途中までまったく分からなかった、幕が下りても半信半疑だった。口上の姿で確認できた)が、炭焼きの夫を演じたのは誰だろうか。大旦那を演じたのは誰だろうか、今もって「謎」である。それが、役者の「実力」だと、私は思う。  いずれにせよ、この劇団の「変化」(へんげ)は、半端ではない。その要因の一つとして、ワイヤレスマイク使用の廃止という英断があることは間違いない。それを一つのステップとして、さらに「音響効果」(特にボリュームの調整)の工夫を重ねれば、「珠玉の舞台」の連続となるだろう。
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【近江飛龍劇団】(座長・近江飛龍)〈平成20年5月公演・横浜三吉演芸場〉  昨年、浅草木馬館、十条演芸場で見聞済み。ほぼ半年ぶりに舞台を観て驚いた。座長だと思っていた役者が、実は別の役者(しかも誰だかわからない)、女優ナンバーワン・笑川美佳だと思ってい...

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