META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団花吹雪」・《芝居「一本刀土俵入り」(客演・三河家諒)の名舞台》
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2023-04-13

劇団素描・「劇団花吹雪」・《芝居「一本刀土俵入り」(客演・三河家諒)の名舞台》

【劇団花吹雪】(座長・桜春之丞、三代目桜京之介)〈平成24年初春公演・浅草木馬館〉
芝居の外題は、御存知「一本刀土俵入り」。今日の舞台は第一部・ミニショーを省略、いきなり芝居・前編の幕を開け、途中休憩を挟んで後編、第二部が歌と踊りのグランドショーという構成であった。客演の三河家諒を迎え、より充実した舞台に挑もうとする劇団の意気込みが感じられ、たいそう頼もしい趣向であった。芝居の主なる配役は、駒形茂兵衛に三代目桜京之介、安孫子屋の酌婦お蔦に三河家諒、舟戸の弥八に桜愛之介、お蔦の情夫・辰三郎に桜春之丞、波一里儀十に桜京誉、利根川の漁師(?)に寿美英二、船大工に春日隆といった面々で、まず申し分ない。前編の幕が上がると、そこは取手宿・安孫子屋の店先、大声を上げて暴れ回る弥八を取り巻いて右往左往する行商人、板前、酌婦等々「その他大勢」で賑わう気配もよろしく・・・、よろよろと登場したのが浴衣姿の取り的姿・駒形茂兵衛。その様子は「勘三郎」もどき、みすぼらしくあわれな風情の描出はまことに見事で、三代目桜京之介、「努力精進」の跡が窺われる出来映えであった。やがて、安孫子屋二階の障子がパット開いて、酌婦・お蔦の艶姿が映し出される。「よおっ!三河家!」 というかけ声とともに客席からは大きな拍手、文字通り「苦界に咲いた一輪の花」といった三河家諒の景色は、一段と鮮やかであった。その後、お蔦と茂兵衛の呼吸もピッタリ合って、寸分の隙もない展開はお見事!、非の打ち所がなかった。とりわけ、「櫛、簪、巾着ぐるみ御意見まで頂いた」茂兵衛の泣き崩れる姿、うらはらに情夫・辰三郎への想いを秘めながら、あばずれを演じなければならないお蔦のやるせない姿のコントラストが鮮やかで、天下一品の舞台模様であった。いつまでもふり返りながら遠ざかっていく茂兵衛に向かって、「よおっ、駒形あーっ!」と渾身の声をかけて見送るお蔦の姿 は、「一幅の屏風絵」、その余韻を漂わせながら前編の幕は下りた。というわけで、前編は百点満点の出来映えであった、と私は思う。さて、重要なのはその後・・・、前場より十年の経過を、幕間でどのように描出するか。当然のことながら「利根の堤の秋草を 破れ草鞋で踏みしめる 駒形茂兵衛のふところに 残るお蔦のはなむけが 男心を温めて 何時か秋去り冬も行き、めぐる春秋夢の間に、十年過ぎたが 番付に駒形茂兵衛の名は見えず お蔦の噂も何処へやら 春の大利根今日もまた 昔変わらぬ花筏」という二葉百合子の「語り」(浪曲「一本刀土俵入り」)が不可欠と思われるが、残念ながら今日の幕間は「無音」・・・、客のざわめきが聞こえるだけで、むなしく過ぎてしまった。さて、後編の舞台は、様相が「一変」する。(「一変」しなければならない)。横綱を目指した茂兵衛の夢は破れ、(無様にも)「こんな姿に成り果てました」、他方、お蔦は(見事に)水商売の足を洗って、堅気姿の母親に・・・、このコントラストをどこまで際だたせることができるだろうか。幕が上がると、そこは利根川べりの船着き場。網の手入れに余念がない老爺の姿は、さすが寿美英二、「居るだけで」絵になっていた。やって来たのが股旅姿の駒形茂兵衛、その姿には「十年」という年輪が刻み込まれていなければならない。①夢を叶えられなかった悔恨、②現在、自分の姿の恥ずかしさ、③瞼の女・お蔦への思慕、④御恩返しの仁義沙汰、等々が「綯い交ぜ」にされているかどうか、私は興味深く見守った。
たしかに、純朴で母思い、泣きべそだった「取り的」は、今では、きりっと引き締まった渡世人に「変化」(へんげ)してはいたのだが、その心中(心模様)の描出までには時間がかかる。しかし、三代目桜京之介は、まだ弱冠22歳、駒形茂兵衛に比べて「十年早い」のだから、それを望む方に無理があるというもの、とまれ、彼は精一杯、この難役を演じきっていたと思う。老漁師や老(船)大工とのやりとりもそつなく、波一里一家との「絡み」「立ち回り」は申し分なかった。ただ一点、欲を言えば、女児の唄声を手がかりに、ようやくお蔦との再会が叶った、「その一瞬」を「絵」にすること。二葉百合子も「会えてうれしい瞼の人は 辛い連れ持つ女房雁 飛んで行かんせ どの空なりと これが白羽の仁義沙汰」と詠っているではないか。その景色・その風情を描出することが、今後の課題である、と私は思う。片や、お蔦は、と見れば・・・、闖入してきた舟戸の弥八に対して茂兵衛が噛ました「頭突き一発」、その一瞬を見て十年前を「思い出す」、三河家諒は、その心中を「体全体」で、瞬時に描出したのであった。「お見事!」、その言葉は何度言っても言いすぎることはない。そんなわけで、私が待ちこがれていた大衆演劇・「一本刀土俵入り」の名舞台は前編100点、後編80点、総合点は90点あたり、というのが私の感想である。末尾ながら、裏方、大道具の「大仕立て」、回り舞台(手動)による状景作り、丸い輪郭を消した「照明スポット」も秀逸、関係者一同の協力・努力に敬意を表する。感謝。
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