META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 役者点描・三代目鹿島順一、「座長」の《試練》
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2023-01-09

役者点描・三代目鹿島順一、「座長」の《試練》

《本日、座長・三代目鹿島順一さんの訃報を目にしました。謹んでお悔やみ申し上げます。》(2018.5.28)

 三代目鹿島順一が座長を襲名して1年が経過した。彼は、平成3(1991)年生まれ、まだ(今年10月で)弱冠二十歳の若座長である。私が、彼の舞台を初見聞したのは5年前(彼が16歳の頃)であった。その時の感想(寸評)は以下の通りである。〈舞踊の「基礎・基本」が確実に身についている。楷書的な「芸風」は見事 の一語に尽きる。観客は、誠実、真摯な舞台姿に感動する。今後は、少しずつ「力を抜く」ことが必要、ただし油断すると楷書がデタラメになるおそれがあるので細心の注意をしなければならない。楷書から行書、行書から草書への「道のり」は容易ではないが、その「力」は秘められている。客の歌声にあわせて踊った「人生桜」、障害のある娘役を演じた「演技力」が、そのことを証明している。*ライバルに、南條影虎、恋川純、早乙女太一がいる〉。当時の組舞踊は、蛇々丸、花道あきら、春大吉に混じって踊ることが多かった。それぞれが、それぞれの個性を発揮して、見応えのある(芸達者な)舞台を展開していたが、中でも一際目立つのが三代目虎順(現・三代目鹿島順一)であった。前述した「楷書的な」所作のみならず、その表情(眼光)、息づかいに渾身の力が込められており、ただならぬ「霊気」を発していたからである。その後の経過の中でも、誠実、真摯な舞台姿は一貫して変わらず、加えて、少しずつ「力が抜け」、よりきめ細かな景色・風情が描出できるようになってきた、と私は思う。彼の「当たり芸」は、舞踊では何と言っても「忠義ざくら」(歌・三門順子)が一番であろう。(流刑地に赴く)後醍醐天皇の無念さ、それを想う忠臣・児島高徳の心情が、その舞姿の中に、いとも鮮やかに結晶化されている。斯界に数ある個人舞踊の中でも、文字通り「珠玉の名品」であることを、私は疑わない。さらには、父・甲斐文太の歌声にのせて踊る「蟹工船」、笹川一家の用心棒・平手御酒に扮した「大利根無情」(歌・三波春夫)なども、その男臭い、とはいえ品格を落とさない風情が「絶品」だと、私は思う。また、芝居では、「心模様」・ムショ帰りの弟、「悲恋夫婦橋」の検事、「越中山中母恋鴉」の旅鴉、「浜松情話」の三下奴、「仇討ち絵巻・女装男子」の若様、「里恋峠」の更科三之助、「大江戸裏話・三人芝居」の遊び人、「春木の女」の妹娘・お妙、「月夜の一文銭」の牙次郎、「マリア観音」の半次郎・・・等々は、三代目鹿島順一でなければならない「はまり役」である。斯界同世代の役者連、橘龍丸、恋川純、南條影虎、龍新、早乙女太一らと比べても、「心情」「情感」の表現力においては、群を抜いている。とはいえ、それはこれまでの話、これからは座長としての「試練」が待っているのだ。父・甲斐文太も18歳で座長になったが、劇団は9年後に解散、ホテルの「宴会芸」を皮切りに、他の劇団での「下積み」を9年間も経験している。その苦労があればこそ、今日あるような数々の「名舞台」を築きあげることができたのだ。その財産をどのように継承・発展させていくか。すでにもうこの1年で、(おそらく「兄さん」と慕っていた)蛇々丸、春大吉たちが劇団を抜けて行った。その穴をどう埋めるか。また、新人、赤銅誠、幼紅葉、壬剣天音をどのように育てるか・・・等々、課題は山積していると思われるが、彼のモットーは「全身全霊」、もちまえの「温もり」と「誠実さ」で、必ずや「三代目時代」を構築できるだろう、と私は確信している。その前兆は、「新版・長ドス仁義」、敵役は、蛇々丸に代わって甲斐文太、主人公・花道あきらの朋輩は、春大吉に代わって幼紅葉、みずからは甲斐文太に代わって親分役、また「源太時雨」では、みずからが、春大吉に代わって主役・源太、敵役が蛇々丸に代わって甲斐文太・・・、といった「配役の妙」で、これまで以上の舞台を作り上げているのだから・・・。大切なことは座員のチームワーク、いつでも、どこでも、だれでもが、「どんな役でもこなせる」ように精進し続ける「団結力」であろう。終わりに蛇足(余計な素人判断)を付け加えれば、「紺屋と高雄」の鼻欠けおかつ(赤胴誠)、「関取千両幟」の新門辰五郎(三代目鹿島順一)は、まだ蛇々丸に及ばない。「命の架け橋」の大岡越前守(三代目鹿島順一)は甲斐文太に及ばない。また、、「大江戸裏話・三人芝居」の老爺(蛇々丸)、「心模様」の兄貴(蛇々丸)、「春木の女」の「つっころばし」(蛇々丸)、「命の架け橋」の主役・重罪人(春大吉)、「アヒルの子」の間借り人(蛇々丸)等々は、誰がやる・・・? 責任者・甲斐文太、母・春日舞子なら「造作もない」話だが、同じ場面での「二役」は不可能・・・、さてさてどうするか。といったところが当面の「課題」と言えようか。一日も早く、それらの外題が舞台に乗ることを、私は(無責任にも)小躍りして待っているのだ。ほぼ半年前、責任者・甲斐文太曰く、〈告知します。去年は蛇々丸、今年は大吉が辞めました。まぁ何が有ろうと、三代目座長襲名して、まだ一年にも満たぬ半年目ですが、残ったみんなで頑張ります。どうぞ応援宜しくお願い申し上げます。2011/01/04(火)17:08〉(かしま会ホームページ・「おしらせ」)。OK!何があっても「鹿島順一劇団」は不滅なのだ。祈る健闘!がんばれ!そんな気持ちを込めて、この駄文を結びたい。(2011.6.10)



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