META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団花凜」・《芝居「役者一代」と「館林情話」》
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2023-07-03

劇団素描・「劇団花凜」・《芝居「役者一代」と「館林情話」》

【劇団花凜】(総座長・梅乃井秀男)〈平成22年11月公演・柏健康センターみのりの湯〉
昼の部・芝居の外題は「役者一代」。芸者の妹(梅乃井みき)を助けてくれた三島の親分(山口一見)が、沼津の親分(山口さとる)に殺された。兄の花形役者(総座長・梅乃井秀男)がその仇討ちを果たすという単純な筋書だが、見せ場は、花形役者に扮する総座長・梅乃井秀男が舞台の上で、女形の化粧・衣装を整えるという所にあるらしい。なるほど、楽屋裏の「技」を披露することは珍しく、観客にとっては興味津々(の的)であることは間違いない。とは言え、その所作自体は同じこと(塗る・叩く・描く)の繰り返しで退屈極まりない。いかに客を飽きさせないかがポイント、そのためには役者の洒脱なトークが不可欠になる。梅乃井秀男いわく「始めます」「塗ります」「叩きます」、その一言一言が絶妙のタイミングで、客の笑いを誘う。「二十代なら1回で済んだものを、もう私も三十二、もう1回塗ります」という言い種が、何とも面白かった。この間約10分、次は着付け、鬘といった「段取り」がたいそう鮮やかな出来栄えであった。同様の趣向は、他の劇団(化粧・近江飛龍、衣装・市川千太郎)も試みており、そのいずれも私は見聞しているが、鮮やかさは「いずれ菖蒲か杜若」、甲乙はつけがたい。夜の部・芝居の外題は「館林情話」。純関東風の人情劇といった舞台模様で、この劇団にはピッタリの演目であったように思う。湊川一家に草鞋を脱いだ男修業の旅鴉・伊太郎(梅乃井けん字)は、親分(山口さとる)の娘(山口トモヨ?)に気に入られ「跡目を継いでくれ」と頼まれる。伊太郎は断り切れずに承諾したが、実は江戸に身重の女房(梅乃井秀男)を残してきた(若親分の)身、どうしたものかと思い悩んでいるところに、江戸から子分(山口一見)がやってきて曰く「親分が殺された。すぐに戻り、仇を討っておくんなせい」。続いて、乳飲み子を抱えた女房もやってくる。仇に襲われて一家は丸焼け、火の粉が目に入って今は全盲とやら・・・。伊太郎、すぐにでも皆と連れだって敵討ちに駆けつけたい気持ちはやまやまだが、お世話になった湊川親分との約束がある。義理と人情の板挟みといった風情の描出が、この芝居の眼目であろう。さて、見せ場はもう一つあった。芝居の前半に登場した湊川一家の三下奴(梅乃井秀男・二役)の三枚目ぶりが何ともおかしい。盃をもらって13年になるが、未だに掃除、洗濯、炊事の下働き。親分の娘に惚れ込んでいるが、ケンモホロロにあしらわれる。その素っ頓狂な風情を、総座長・梅乃井秀男は見事に描出していた、と私は思う。この芝居、悪役・敵役は「話の中」だけで、実際には登場しない。まさに純関東風の「粋」な筋立てに心底から納得、今日もまた大きな元気を頂いて帰路に就くことができた次第である。
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(2010/03)
光森 忠勝

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