2023-07-30
劇団素描・「橘小龍丸劇団」・《芝居「上州土産百両首」の舞台模様》
【橘小龍丸劇団】(座長・橘鈴丸)〈平成28年1月公演・安田温泉かわら座〉
芝居の外題は「上州土産百両首」。この劇団から橘龍丸が抜けて、男優は後見座長の橘小龍丸(龍丸、鈴丸の実父)と若手の橘亮之丞だけとなった。そこで、桜木英二、花道あきらといったベテラン男優を招いて公演を続けているようだ。私は前回の見聞(平成27年5月)で〈橘龍丸のぬけた「橘小竜丸劇団」は、今まさに「心機一転」、「蒔き直し」を図る時代に入ったようだ。かつて(7年前には)綺羅星のごとく居並んでいた老優、松原チドリ、志賀カズオ、喜多川シホらの「実力」と若手役者の新鮮な息吹が「渾然一体」となった名舞台の数々が思い出されて、「夢よもう一度」と念じつつ帰路に就いた次第である。桜木英二、桜木八重子、花道あきららの「胸を借りて」、若手連中よ、がんばれ!〉と綴ったが、はたして今回の舞台模様は如何に・・・?
配役はスリの蛾次郎に座長・橘鈴丸、その兄貴分・正太郎に橘小龍丸、仇役の三次に花道あきら、蛾次郎の面倒を見る親分に桜木英二といった面々であった。それぞれが、誠心誠意、精一杯の演技を展開し、出来映えは「悪くはなかった」が、今一歩の「メリハリ」「迫力」が感じられなかった。それというのも、「若手連中よ、がんばれ!」という私の期待が大きすぎたためかもしれない。しかし、この芝居の眼目が、純粋無垢な蛾次郎という青年と、それに共感して「足を洗った」正太郎の《兄弟愛》だとすれば、思い切って蛾次郎には若手の橘亮之丞または若手女優の誰かを登用すべきではなかったか。それを受け止める正太郎に座長・橘鈴丸、三次は後見の橘小龍丸または桜木英二、温情の親分に花道あきらまたは橘小龍丸といった配役が実現したとき、私の夢が叶うことになるのである。いずれにせよ、看板役者・橘龍丸が抜けてほぼ一年、若手連中の奮起・台頭が望まれる舞台模様であった。
変わって第二部の舞踊ショー。桜木八重子の「カラスの女房」、桜木英二の「大阪恋唄」、橘小龍丸の歌声「津軽恋女」に加えて絶品の女形舞踊(曲名不詳)を見聞できたことは望外の幸せ、伝統的な「至芸」まだここにあり、という思いを強くして、岩盤浴に向かった次第である。
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芝居の外題は「上州土産百両首」。この劇団から橘龍丸が抜けて、男優は後見座長の橘小龍丸(龍丸、鈴丸の実父)と若手の橘亮之丞だけとなった。そこで、桜木英二、花道あきらといったベテラン男優を招いて公演を続けているようだ。私は前回の見聞(平成27年5月)で〈橘龍丸のぬけた「橘小竜丸劇団」は、今まさに「心機一転」、「蒔き直し」を図る時代に入ったようだ。かつて(7年前には)綺羅星のごとく居並んでいた老優、松原チドリ、志賀カズオ、喜多川シホらの「実力」と若手役者の新鮮な息吹が「渾然一体」となった名舞台の数々が思い出されて、「夢よもう一度」と念じつつ帰路に就いた次第である。桜木英二、桜木八重子、花道あきららの「胸を借りて」、若手連中よ、がんばれ!〉と綴ったが、はたして今回の舞台模様は如何に・・・?
配役はスリの蛾次郎に座長・橘鈴丸、その兄貴分・正太郎に橘小龍丸、仇役の三次に花道あきら、蛾次郎の面倒を見る親分に桜木英二といった面々であった。それぞれが、誠心誠意、精一杯の演技を展開し、出来映えは「悪くはなかった」が、今一歩の「メリハリ」「迫力」が感じられなかった。それというのも、「若手連中よ、がんばれ!」という私の期待が大きすぎたためかもしれない。しかし、この芝居の眼目が、純粋無垢な蛾次郎という青年と、それに共感して「足を洗った」正太郎の《兄弟愛》だとすれば、思い切って蛾次郎には若手の橘亮之丞または若手女優の誰かを登用すべきではなかったか。それを受け止める正太郎に座長・橘鈴丸、三次は後見の橘小龍丸または桜木英二、温情の親分に花道あきらまたは橘小龍丸といった配役が実現したとき、私の夢が叶うことになるのである。いずれにせよ、看板役者・橘龍丸が抜けてほぼ一年、若手連中の奮起・台頭が望まれる舞台模様であった。
変わって第二部の舞踊ショー。桜木八重子の「カラスの女房」、桜木英二の「大阪恋唄」、橘小龍丸の歌声「津軽恋女」に加えて絶品の女形舞踊(曲名不詳)を見聞できたことは望外の幸せ、伝統的な「至芸」まだここにあり、という思いを強くして、岩盤浴に向かった次第である。
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