META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「紅劇団」・《芝居「佐渡情話」「いいってことよ」の舞台模様》
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2023-12-03

劇団素描・「紅劇団」・《芝居「佐渡情話」「いいってことよ」の舞台模様》

【紅劇団】(総座長・紅大介)〈平成27年10月公演・小岩湯宴ランド〉
昼の部、芝居の外題は「佐渡情話」。佐渡で料理屋を営む老父(大倉扇雀)は嫁のお光(紅このみ)と二人暮らし、息子の甚太郎(同魂会会長・紅あきら)は祝言の直前に、突然、姿をくらませた。以来、三年三月が経過したが甚太郎からの便りはない。老父の弟(後見・見城たかし)がやってきてお光の縁談話を持ち込んだが、お光は「私は甚太郎さんの嫁、今さら他の人に嫁ぐ気持ちはありません」と断った。それを聞いて老父も安堵したが、実を言えば、お光には、柏崎の商人・吾作(座長・紅秀吉)という恋人がいる。周囲の人たちも、うすうす感づいてはいたが、表沙汰にはならなかった。さて、島はまもなくおけさ祭り、吾作は柏崎へ帰る日が来た。吾作はお光に「一緒に柏崎へ戻ろう」と誘うが、お光はどうしても従えない。そんな折も折り、甚太郎が島に帰ってきた。船着き場で二人の「逢瀬」を目撃した甚太郎、もとはといえば、お光に横恋慕した代官の息子(?)と刃傷沙汰、その廉で身を隠していたのだが・・・、お光と吾作のために「身を引く」ことを決意する。居合わせた女スリ(紅ちあき)と仮の夫婦約束して実家に乗り込む。帰宅するなり、お光に対する「愛想づかし」をかまして追い払う、といった筋書きで、まさに男女の「不条理」を眼目にした「情話」(悲劇)の典型であった。総座長・紅大介の「出番」といえば、「おけさ踊り」の踊り手のみという粋な演出、大詰めは、追い払ったお光の姿を一目見ようと、必死に目をこらす甚太郎の「何ともやるせない」姿で幕切れとなったが、「今ひとつ」情感の描出が足りなかった、と私は思う。その理由①、お光と吾作の「絡み」が淡泊すぎた、②背景の音曲が「韓国ドラマ」風で、私の琴線に触れなかった、③配役は甚太郎に紅大介、老父に紅あきら、お光に紅ちあき、女スリに紅このみ、踊り手に大倉扇雀または見城たかし、であってもよかった。などと身勝手なことを考えてしまった。昼の部、舞踊ショーのラストは「太鼓ショー」、劇団総勢が大小さまざまな太鼓を打ち鳴らす景色は圧巻、一糸乱れぬ振る舞いと寸分違わぬ「呼吸の妙」を存分に堪能することができた、感謝。
 夜の部、芝居の外題は「いいってことよ」。御存知「忠治山形屋」の「紅版」とでもいえようか。冒頭、幕が上がると、そこは忠治を匿っている一家の内、しかし親分(見城たかし)は病身で子分は次々といなくなり、今では二人ほどになってしまった。その一人(紅秀吉?、悠介?)に親分いわく「おれはもう一家をたたんで堅気になろうと思う。お前も故郷に帰って親孝行してみたらどうか」。子分「あっしは親分に命をささげておりやす。どうか、今まで通りおそばにおいてやってください」「ありがとよ、しかしなあ」と逡巡する親分に、子分がそっと耳打ちする。「あの忠治をお上に差し出せば報奨金がたっぷり入るのでは・・」、親分一瞬迷った素振りを見せたが、頷いて「じゃあ(密告しに)行ってこい」。勇んで立ち去ろうとする子分を「待て」と呼び止め、戻って来た子分を抱きしめたと思うや、問答無用で刺殺した。「・・・どうして?」と子分は息絶えたが、そこに颯爽と現れたのは国定忠治、一部始終を見聞していたのであろう。「お見苦しいところをお見せしました」と平伏する親分に忠治一言「可愛いお身内衆の命を絶ってまで、この忠治を守ってくださった。この御恩は生涯忘れることはござんせん」と言って立ち去った。後に残った親分、子分の亡骸を抱きしめ慟哭する、その景色は「屏風絵」のように見事であった。この芝居、序幕の一景だけで十二分に見応えがあった、と私は思う。以後の展開はお決まりの「忠治山形屋」。配役は百姓に大倉扇雀、その娘に紅このみ、山形屋藤造に紅あきら、姐御に紅ちあき、子分衆に紅悠介、紅新太郎・・・、といった面々で、十分に楽しめた。とりわけ、忠治に扮した総座長・紅大介が百姓爺に向かっていう一言の決まり文句「いいってことよ」の調子(一発芸)が鮮烈で、笑いが止まらなかった。欲を言えば、忠治の風情は紅あきらの方が「数段上」、大介が藤造役に回った方がいいのでは、などとまたまた身勝手なことを考えてしまった。
 この劇団、先月のみのりの湯柏健康センターでの公演を終えて、今月は小岩にやってきた。関東の常連客に、その実力・真髄・魅力のほどをどこまで披露できるか、大いに期待しつつ帰路に就いた次第である。



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