META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「一見劇団」・《芝居「裸街道千両箱」の舞台模様》
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2023-06-13

劇団素描・「一見劇団」・《芝居「裸街道千両箱」の舞台模様》

【一見劇団】(座長・一見好太郎)〈平成27年8月公演・小岩湯宴ランド〉
芝居の外題は「裸街道千両箱」。幕が上がるとそこは茶店の店先、なぜか横手の物干しに女物の着物が吊されている。下手から盲目の侍(美苑隆太)が登場、茶を一杯注文する。茶店の女主人(芸名不詳・瞳マチ子?)、茶を差し出すが侍とは反対の方向へ、この女主人も盲目であった。そのそばに初々しく介護するのが可憐な娘(紅ア太郎)といった配役で、「これは,面白くなりそうだ」という予感がした。どうやら侍は「仇討ち」の途中らしい。茶を飲み終え、茶代を払うと土手に飛び上がって退場した。「あのお侍さん、目が見えているのでは」という娘の一言が魅力的だった。やがて、今度は、旅鴉・安太郎(花形・古都乃竜也)登場、彼は茶店のどら息子、親孝行をしようと帰って来た。一稼ぎしようとした賭場では「丁と張れば半、半と張れば丁」、とうとう裸同然の姿になってしまったが、「でもおっかあは目が見えない。なんとか言い繕えばよい」という魂胆で母、妹に対面する。「お母様、ただ今帰りました。私は江戸の大店の手代に出世しました。どうぞ御安心ください」などと嘘八百を並べ立てる。折しも、突然の雨。なぜか、先ほどの侍、再登場。「雨が降ってきた。着物を取り替えねば・・・」などと言って風呂敷包みを取り出せば、中には黒紋付きの立派な着物、安太郎すかさず店先に吊してあった女物の着物と取り替えて、まんまとその黒紋付きを失敬した。雨は間もなく止み、侍、女物の着物が入った風呂敷包みを抱えて、そそくさと退場、代わって乳飲み子を抱いた武家の奥方(芸名不詳・紅銀乃嬢?)が登場する。「ぼうや、もうこれまで、ここで一緒に死にましょう」と言いながら懐剣を取り出す。安太郎、驚いて事情を聞く。「旦那様は、私たち親子を捨てて出奔しました。さきほどようやく巡り合えましたが、旦那様は侠客の用心棒になり果て、私たちの姿を見てもケンモホロロの様子でした。もう私たちに生きる望みはありません」。なるほど、「あっしがその親分と話をつけましょう」と安太郎、親分(座長・一見好太郎)一家に乗り込んだ。安太郎、健気にも「食客の先生を帰しておくんなさい。奥方が乳飲み子もろとも死ぬ覚悟でござんす」と直談判したが「安太郎さん、あいにくだが先生は私の妹と一緒になることになっている」「そうでござんすか。あっしもガキのつかいじゃあありません。それならば奥方への手切れ金として千両出しておくんなさい」、「なにを!」といきりたつ子分衆(太紅友希、紅金乃介ら)を制して、親分、千両箱を安太郎に差し出した。安太郎、「千両あれば奥方親子は暮らしていける」と納得、千両箱をかついで退出した。おさまらないのは子分一同に加えて奥方の元旦那(芸名不詳の男優・好演)、安太郎と奥方の後を追う。「待て、旅鴉!千両もせしめおって、生かしてはおかね、勝負せい」。安太郎、棒を振りまわして相対するところに、なぜか冒頭の盲目の侍登場、「・・・その声はまさしく父の敵、おぬしはよくも御前試合で負けた腹いせに私の父を闇討ちにしおったな」。なるほど、この元旦那、盲目の侍の仇敵であったのか。盲目の侍、「しばし待て!今、衣装を整える」といって風呂敷包みを取りだし、女物の着物に着替えようとする。その悲喜劇的な舞台模様は絶品、観客一同は笑いが止まらない。安太郎、あわてて「お侍さん!あなたの衣装はあっしが拝借しております。これにお着替えなすって」と再び裸同然の姿に・・・。「そうであったか、しばし待て」などと言いながら着替える様子が「絵になっていた」。かくて侍同士の一騎打ち、安太郎の助力もあったが二人は相互に斬り合って落命した。そこに親分、颯爽と登場、舞台に横たわる二人を見て「片づけろ」と子分衆に言いつける。盲目の侍は「抱き上げて」運ばれたが、元旦那の方は引きずられて退場。そのコントラストも「絵になっていた」。「独り身だというので妹と沿わせようとしたが、とんだ食わせ物、知らないこととはいいながら許しておくんなさい」と奥方に詫びを入れる。大詰め、茶店の母妹も再登場。安太郎「お母様、江戸から番頭が迎えに来ました。私は江戸に帰らなければなりません」などと言い繕い、親分もその番頭役を引き受けながら「私の名前はウメノイ・ヒデオ」。茶店の母、笑いながら「みんな分かっていましたよ、私は安太郎の母親ですもの」と言ううちに大団円となった。。
 この芝居、筋書きは悲劇だが、景色は「超」喜劇・・・、久しぶりに見る上質な「関東芝居」の典型であった、と私は思う。それにしても、友情出演の梅乃井秀男はどこに出ていたのか。また悪役で好演した役者は誰だったのか、謎は深まるばかりである。



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