META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団朱光」・《芝居「下町の灯」の名舞台》
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2023-11-02

劇団素描・「劇団朱光」・《芝居「下町の灯」の名舞台》

【劇団朱光】(座長・水葉朱光)〈平成26年5月公演・みのりの湯柏健康センター〉
芝居の外題は「下町の灯」。筋書きはきわめて単純、18年間後家を通しているおかつ(38歳)の一人娘が大店の若旦那とめでたく祝言をあげることになったが、若旦那の兄の店主から「難癖」をつけられ縁談は破談、その難癖とは、おかつが文字の読み書きができない、それでは店の信用にかかわる、店主として私は容認できない、ということであった。「ただし、あなたが文字の読み書きができるようになったら、縁談は復活します」ということで、おかつは一念発起、長屋の貧乏浪人に「手習い」に赴くというお話。幕があがるとそこは貧乏長屋、独り貧乏浪人(副座長・水廣勇太)が、尾羽うち枯らした風情で墨を刷っている。かたわらにはボロボロに骨の折れた番傘がひとつ、畳もボロボロ、壁も薄汚れて今にも崩れ落ちそうといった景色が、浪人の日常生活を如実に物語っている。どうやら、傘の修繕や長屋の子どもたちに「読み書き」を教えて生計を立てている様子、そこに「ごめんよ」と言って訪れたのが長屋の大家(副座長・水城舞坂錦)、お決まりの店賃の催促がはじまった。「もうしばらく待ってもらいたい」「しばらく、しばらくで1年が過ぎた。店賃は溜まりたまって一両になりましたよ」「そうか、まだ一両か」と応じる浪人の風情が飄然として、たまらなく魅力的であった。結局は、「今日の暮れ六つまでに支払う」ことで合意、帰ろうとする大家を呼び止めて、浪人いわく「ちと、頼みがある」、「何ですか?」「金を貸してもらいたい」「いかほど?」「二両ほど」、大家は(観客も)あきれて、開いた口がふさがらない。「一両の店賃も払えないのに、貸すことは断じてできません」「わしは子どもたちに字を教えている。そのために金がかかるのだ。もし貸してくれれば、おまえの評判はうなぎのぼりだ。まちがいない!」大家、その言葉を真に受けて「そうですか、私の評判があがるのなら二両お貸ししましょう。しかしこれはこれ、店賃の方は暮れ六つまでにお願いしますよ」。二両を手にした浪人、「待て、その一両、今払うぞ」「え?今ですか、払って頂けるなら早いほうがいい」、浪人一両を渡してまたいわく「待て、わしはいくら借りていた?」「二両ですよ」「そうか、今一両返したから、もう一両、あわせて二両、返すぞ!これで金の貸し借りはなしということだ」「・・・?」と煙に巻く浪人と、巻かれる大家の「やりとり」は抱腹絶倒、まさに関東喜劇の真髄を満喫できた次第である。大家が退場すると、いよいよ、おかつ(座長・水葉朱光)泥酔状態で登場、「私は18年後家を通してきた。お侍さんも独身、どう?一緒にならない」と言い寄るが「イヤ、断る!飲んだくれの女などまっぴらゴメンだ」、そうこうするうちに、おかつ、吐き気を催して「オエッ」、「オエッ」が止まらない。あわてて丼を持って来る浪人とのドタバタの「やりとり」も絶品、私の(笑いの)涙は止まらなかった。二景は、回想場面、一人娘(朱里光?)と若旦那(花形・水谷研太郎)の祝言にやってきたおかつに向かって、理不尽に縁談破談を告げる店主(潮見栄次)の風情も鮮やかで、「悲劇」模様が添えられる。とりわけ、「私を女手ひとつで育ててくれたお母さんが大事、若旦那との縁談は諦めます」と泣き崩れる一人娘の景色も見事であった。おかつ、「よし、文字の読み書きを習って、おまえがめでたく祝言できるよう、母ちゃんがんばるよ」という言葉を残して、舞台は大詰め(三景)へ。・・・というわけで「私に字を教えておくんなさい」。浪人いわく「そのためには条件がある。一に酒を断つこと、二に色気をぬくこと」。かくて、おかつの「手習い」が始まったが、そのやりとりも格別、「井戸のイ」「ロバのド」から「惚れたのホ」「屁のへ」に至るまで抱腹絶倒場面の連続であった。久しぶりに「極上」の人情喜劇を見聞できたことは望外の幸せであったが、それにしても「喜劇」ほどむずかしいものはない。ともすれば、「笑いを取りにいくあまり」楽屋ネタや下ネタを連発して自滅するのがオチだが、さすがは「劇団朱光」、実力者揃いの役者連を「適材適所」に配置して、それぞれが精一杯「真面目に」演じ通す。その舞台模様は群を抜いていた。座長・水葉朱光の後家姿は、どこか師・若葉しげるの「空気」も仄見えて、たいそう魅力的であった。今日もまた、大きな元気を頂いて帰路に就くことができた。感謝。
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