META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「劇団美鳳」・《芝居「瞼の母」の舞台模様》
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2023-04-24

劇団素描・「劇団美鳳」・《芝居「瞼の母」の舞台模様》

【劇団美鳳】(総座長・紫鳳友也)〈平成25年2月公演・小岩湯宴ランド〉
芝居の外題は、御存知「瞼の母」。私は、この芝居(の舞台)を「劇団竜之助」(座長・大川竜之助)、「桐龍座恋川劇団」(座長・恋川純弥)、「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)で見聞している。出来映えの決め手となるのは、何と言っても「瞼の母」・お浜の風情だと思われるが、群を抜いていたのは、「劇団翔龍」の中村英次郎(当時)であった。今日に配役は、番場の忠太郎に総座長・紫鳳友也、お浜に扇さとし、娘・お登勢に一城静香(?)、夜鷹・おとら(ざつき?)に座長・一城進吾、素盲の金五郎に後見・城秀人という面々・・・。幕開けから大詰めまで、中村富士夫の「浪曲」を下敷きにした演出であった。その浪曲について、私は以前、以下のように評した。〈中村冨士夫の作物、冒頭は、番場の忠太郎の「仁義もどきのお目見え」から始まる(その中で「まだくちばしの青い身で」という件があったが、「嘴が黄色い」方が自然ではないだろうか、まあそんなことはどうでもいい)。瓦屋半次郎宅の場面は省略、料亭水熊の店先、忠太郎とおとら婆さんの絡みが初場面という演出だが、どうやら水熊の女将が自分の母親らしいと「確信」した後の「歌謡」が素晴らしかった。いわく「わずか五つのあの時に 別れて二十有余年 会いたい見たいと神かけて 祈り続けた母親と 年も名前もいっしょなら 生まれ在所もまた同じ どうか尋ねる母親で あってくれよと眼を閉じりゃ 母は恋しいなつかしい」。はやる忠太郎の気持ちが真に迫って描出される。演者は男とあって、いとも自然に忠太郎の風情が伝わってくるという按配で、とりわけ「おかみさん、とんだお邪魔でござんした。二度と再び忠太郎、お宅の軒はくぐりません。ごめんなせえっ」という「決め科白」が清々しかった。加えて大詰め、待乳山で待ち伏せた素盲・金五郎に向かって「・・・おうっと危ねえ、よせったら。畜生、じゃあ聞くがナ、てめえ、親がいるか」「そんなものァねえや」「兄弟は・・・」「いるもんけえ」「よし、じゃあ斬ってやらァ。なんだい、そんなへっぴり腰をしやがって・・・。それじゃァ人は斬れねんだ。斬るというのァ、こうやるんだっ」という「やりとり」の中に、アウトロー同士の荒んだ景色が仄見えて、やるせない。終末、「あとは静かな夜の闇 雲が流れた月が出た どこへ行くのか忠太郎、風に流転の三度笠」「ああ浅草の鐘が鳴る あれは竹屋の渡し船 影を姿を送るよに 声をじまんの船頭が 泣いているよな隅田川」という、寂寥感漂う中村冨士夫の語りの中には、まさにこの作物の眼目(愛別離苦)が、否応なしに結晶化されているのであった〉。今日の舞台の随所、随所には、中村富士夫の語りや節が添えられて、見事な景色を描出していたが、扇さとしのお浜は、(残念にも、まだ)中村英次郎には及ばなかった。以下は当時の(「劇団翔龍」の舞台の)感想の一部である。〈忠太郎は「優しい」、でも「どこか頼りない」、そして「甘ったれ」、言い換えれば「根っからの悪ではない」「母性本能をくすぐる」といった風情を、座長・春川ふじおは「自家薬籠中」の「至芸」として演じきった、と私は思う。加えて、脇役陣も光り輝いていた。筆頭は、おむら・おはまの二役を演じた後見・中村英次郎、百姓婆姿の(大地のような)「優しさ」、江戸一番の料理屋を取り仕切る女将の「艶やかさ」を見事に演じ分け、忠太郎との「絡み」では、その所作、表情、口跡で「もう、立派に親子名乗りをしているのではないか」という風情を醸し出す。応えて、忠太郎もまた、(母と言い出せぬおはまの気持ちを察して)「こんなヤクザにだれがしたんでぃ」と叫ぶ一瞬は、まさに「珠玉の名画」、私の脳裏から消えることはないだろう〉。「劇団美鳳」もまた、関東随一の人気劇団、扇さとしは春川ふじおの実弟、そしてまた、中村英次郎は「劇団翔龍」にはもういない、だとすれば、今後、芝居「瞼の母」の極め付きを描出できる日も遠くはないだろう、などと期待しつつ、帰路に就いたのであった。
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(2005/09/07)
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