META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「明治六年」・座長、若手座員の「転形期」》
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2023-08-30

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「明治六年」・座長、若手座員の「転形期」》

【鹿島順一劇団】(座長・三代目鹿島順一)〈平成23年4月公演・座三和スタジオ〉
芝居の外題は「明治六年」。江戸から明治へと時代が移りゆく中で、その流れに翻弄される武家三人の物語である。一人目は、緒形新之丞(座長・三代目鹿島順一)、年は若いが、新しい波に乗りきれず、未だに髷を結い腰には刀を差している。二人目は、金貸しの嘉助(甲斐文太)。徳川方の武家に生まれたが、十五年前、官軍との戦いで父は討ち死に、母も二人の子ども(嘉助とその妹)を残して自害した。以後、嘉助は町人に転身、今では東京屈指の金持ちに成り上がっている。三人目は「ぽんた」という半玉芸者(春夏悠生)。苦界に身を沈めているが、どこか品のある風情が漂っている。酔客に絡まれていたところ助けられた縁で、新之丞を慕っている。この三人に遊郭(?)相模屋の亭主(梅乃枝健)とその女房(幼紅葉)、売れっ子の看板芸者・仇吉(春日舞子)、相模屋の板前(花道あきら)も加わって、「明治六年」の景色がいっそう鮮やかに浮き彫りされるという趣向であった。筋書は単純。相思相愛の新之丞とぽん太の間に、敵役の嘉助が割って入り、金の力で仲を裂こう(自分の女にしよう)としたが、「実は」、そのぽん太こそ、生別していた妹であったという因縁話である。嘉助は、我欲の塊で生きてきたことを反省、新之丞とぽん太を夫婦にさせようとするのだが・・・。事情を知らない新之丞、嘉助に一太刀浴びせ、止めに入ったぽん太まで手にかけてしまう。この芝居、相模屋夫婦は金に目がくらみ、新之丞を消そうとして返り討ち、生き残ったのは板前と看板芸者・仇吉だけ、という何とも凄惨な結末で閉幕となったが、その眼目は「悔恨」、悔やんでも悔やみきれない人間模様の描出にあることは間違いない。空気は「悲劇調」だが、最年長の梅之枝健と最年少の幼紅葉が「夫婦役」、しかもコミカルな悪役コンビといった演出(配役の妙)も添えられて、たいそう見応えのある仕上がりとなっていた。欲を言えば、新之丞とぽん太の「純愛」描出が「今一歩」というところか。時代の流れに乗りきれないニヒルな若者新之丞、その一途さと優しさに焦がれる武家出身のお嬢様・ぽん太といった風情(例えば市川雷蔵と藤村志保、例えば三河家桃太郎と三河家諒)が漂えば、申し分ないのだが・・・。とは言え、今、劇団は新座長、若手座員を中心に「舞台作りの転形期」、日々の精進によって、「必ずや名舞台を完成させてくれるだろう」ことを夢に見つつ帰路についた次第である。



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