META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「源太時雨」の名舞台》
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2023-08-14

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「源太時雨」の名舞台》

【鹿島順一劇団】(座長・三代目鹿島順一)〈平成22年8月公演・大阪豊中劇場〉
芝居の外題は「源太時雨」。かつての座長、二代目鹿島順一(現・甲斐文太)は、座員それぞれの「個性」を見抜き、それを磨き際だたせる采配に長けていた。この狂言での主役は春大吉、脇役に三代目虎順、敵役に蛇々丸を配し、自分は「ほんのちょい役」に回っていたが、虎順が三代目座長・鹿島順一を襲名、屈指の名優・蛇々丸が退団とあって、その配役を大幅に変更せざるを得なかった。結果、主役・源太に三代目鹿島順一、脇役・盲目の浪人に春大吉、敵役親分に甲斐文太、と相成ったのである。筋書は単純。行き倒れていた盲目の浪人夫妻(夫・春大吉、妻・春夏悠生)を助けた土地の親分(甲斐文太)、それは見せかけの善意に過ぎず、浪人の妻と「間男」する魂胆は見え見えだったが、この妻もまた妻で品行不良の不貞の極み、さっさと相手を親分にのりかえて夫と乳飲み子を邪魔者扱い、乳をもらいに来た夫に「投げ銭」をして追い返す。加えて、親分、この夫を暗殺しようと、一家の遊び人・時雨の源太に指示。源太、「金のためなら何でもします」と請け合ったが、土壇場で「改心」、浪人の「間男成敗」に加担する、というお話である。芝居の見どころは、①親分・不貞妻に「投げ銭」され、見えぬ目で金をまさぐりながら「人は落ち目になりたくないもの・・・」と嘆じる哀れな風情、②その風情をノーテンキな源太が「再現」する滑稽さ、③土壇場で赤子の笑顔に出会い、思わず「改心」する源太の清々しさ、④源太演出の怪談話に震え上がる親分の小心ぶり、⑤浪人の目が快癒、晴れて間男成敗を果たす痛快さ、等など、数え上げればきりがない。今日の舞台、大幅な配役変更にもかかわらず、それぞれの役者がそれぞれの見どころを、いとも鮮やかに描出していた、と私は思う。とりわけ三代目鹿島順一演じる時雨の源太が、浪人ともども乳飲み子まで切り捨てよう太刀を振り上げたその時、赤子の泣き声が笑い声に変化、一瞬見つめ合う赤子と源太、次第に源太の表情も柔和な笑顔に変化する。悪から善への「改心」を、表情と所作だけで描出した座長の「実力」は努力・精進の賜物であり、脱帽する他はなかった。加えて、新人(だった)春夏悠生の「不貞ぶり」「悪女ぶり」も板に付き、舞台模様をより一層際だたせていたことは、立派である。あらためてこの劇団の素晴らしさを満喫、大きな元気を頂いて帰路に就いた次第である。
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