META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 2023年09月17日
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2023-09-17

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「男の盃・孫次郎最後」は横綱・三役級》

【鹿島順一劇団】(平成20年2月公演・川越三光ホテル・小江戸座)                                          芝居の外題は、昼の部「賀の祝」、夜の部「男の盃・孫次郎の最後」。昼は「大入り」だったが、座長はそのことを「口上」では触れずじまい、歌謡ステージの際に「追加」する始末、だが私はそうした姿勢に共感する。劇団の「実力」と「集客能力」は比例しない。「大入りでないと役者はやる気を出さないだろう」と危惧する客を多く見かけるが、そんなことはない。「実力」のある劇団ほど、少ない客を大切にするからである。昨年、佐倉湯パラダイスで観た「見海堂駿劇団」はたった8人の観客を前にして、「権左と助十」の名舞台を演じていた。その後、「大入り」の舞台(「意地悪ばあさん」)も観たが、客の騒々しさに負け、盛り上がりに欠けていた感じがする。関係者には申し訳ないが、私は「大入りだから頑張る」という劇団に魅力を感じない。「今日も大入りを頂きました」などと、その回数を自慢したり、反対に客の少ないことを愚痴る劇団も見受けられるが、そんな劇団に限って「実力不足」が目立つような気がする。大切なことは、今、目の前にいる客のために「全力を尽くす」ことではないだろうか。そんなわけで、「大入り」を忘れていた座長・鹿島順一の姿勢に私は共感し、拍手を贈りたい。
 さて、芝居の出来栄えは昼。夜ともに申し分なかったが、特に、夜の部「男の盃・孫次郎の最後」は素晴らしかった。実を言えば、私は先日(2月15日)、この芝居と全く同じ内容の舞台を浅草木馬館で見聞していた。外題は「笹川乱れ笠」、劇団は「劇団武る」(座長・三条すすむ)。寸分違わぬ筋書で、私の感想は以下の通りである。「本格的な「任侠劇」で、「実力」も申し分ないのだが、「息抜き」(力を抜いて客を笑わせる)場面が全くなかった。それはそれでよいと思うが、ではどこを「見せ場」にしているのだろうか。刺客が笹川一家の代貸し・子分達に「わざと討たれる」場面、血糊を使って壮絶な風情を演出しようとする意図は感じられる。だが、客の反応は「今ひとつ」、表情に明るさが見られなかった。やはり、観客は、笑いのある『楽しい』舞台を観たいのだ。
 たしかに、「鹿島順一劇団」・「男の盃・孫次郎の最後」にも「笑い」はない。しかし、役者一人一人の「実力」「意気込み」「ひたむきさ」、相互のチームワークにおいて「全く違う」印象をもった。まさに「役者が違う」のである。この芝居の主役は、外題にもある通り、三浦屋孫次郎(花道あきら)だが、それを支える飯岡一家の用心棒(座長・鹿島順一)の「演技力」が決め手になる。自分自身を「ヤクザに飼われた犬」とさげすむニヒリズム、しかし孫次郎の「侠気」に惚れ込むロマンチシズムが「混然一体」となって、何ともいえない「男の魅力」を醸し出す。この用心棒の存在がなければ、芝居の眼目(男の友情・「盃」)は半減・消失してしまうのだ。「劇団武る」で、孫次郎を演じたのは座長(三条すすむ)、用心棒を演じたのは副座長(藤千乃丞)であった。台本に対する「解釈の違い」が、出来栄えの「差」に大きく影響していると思われる。もし、その配役が逆であっったら、どのような結果になったかわからない。全く同じ筋書の芝居でありながら、「鹿島順一劇団」は「横綱・三役級」、「劇団武る」は「関脇・前頭級」であることを、あらためて確認できた次第である。
 夜の舞踊ショー・ラストの「美幸の阿波踊り」、梅乃枝健の舞踊は、「水を得た魚」のようで「絶品」、群舞の中でひときわ目立っていた。今後、「おけさ」「音頭」風の「明るく」「軽妙な」舞踊を数多く披露してもらいたい。

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