META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「アヒルの子」の名舞台》
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2022-12-30

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「アヒルの子」の名舞台》

【鹿島順一劇団】(座長・三代目鹿島順一)〈平成24年2月公演・大阪梅南座〉
芝居の外題は「アヒルの子」。三代目鹿島順一が座長を襲名後、これまで劇団を支えてきた蛇々丸、春大吉といった名脇役が脱けたことによって、少なからず、その(国宝級の)「舞台模様」は変化せざるを得なかった。中でも「アヒルの子」には、蛇々丸の存在が欠かせない。当分の間、この演目は上演不可能ではないだろうか、などと私は勝手に思っていたのだが、とんでもない。今日の舞台を観て、あらためてこの劇団の「実力」を思い知った(二度惚れした)のである。ちなみに、私がこの演目を最後に観たのは、今からほぼ3年前(平成21年4月)、福島郡山(東洋健康センターえびす座)であった。以下は当時の感想である。〈芝居の外題は「アヒルの子」、社会人情喜劇と銘打った筋書で、登場人物は下請け会社員の夫婦(夫・鹿島順一、妻・春日舞子)と娘・君子(生田春美)、その家の間借り人夫婦(夫・蛇々丸、妻・春夏悠生)、電気点検に訪れる電電公社社員とおぼしき若者(鹿島虎順)、親会社の社長(花道あきら)という面々(配役)。この人たちが繰り広げる「ドタバタ騒動」が、なんとも「ほほえましく」「愛らしく」、そして「滑稽」なのである。以前の舞台では、娘・君子を三代目虎順、間借り人の妻を春大吉、電気点検の若者を金太郎が演じていたが、それはそれ、今度は今度というような具合で、本来の女役を生田春美、春夏悠生という「新人女優」が(懸命に)演じたことで、「より自然な」景色・風情を描出することができたのではないか、と私は思う。だが、何と言ってもこの芝居の魅力は、座長・鹿島順一と蛇々丸の「絡み」、温厚・お人好しを絵に描いたような会社員が、人一倍ヤキモチ焼きの間借り人に、妻の「不貞」を示唆される場面は「永久保存」に値する出来栄えであった。なかでも《およそ人間の子どもというものは、母親の胎内に宿ってより、十月十日の満ちくる潮ともろともに、オサンタイラノヒモトケテ、「オギャー」と生まれてくるのが、これすなわち人間の子ども、七月児(ナナツキゴ)は育っても八月児(ヤツキゴ)は育たーん!!》という「名文句」を絶叫する蛇々丸の風情は天下一品、抱腹絶倒間違いなしの「至芸」と言えよう。その他、間借り人の妻が追い出される場面、娘・君子が「おじちゃん!」といって帰宅する場面、社長の手紙を読み終わって夫(座長)が憤る場面等々、「絵になる情景」を挙げればきりがない。要するに眼目は「生みの親より育ての親」、きわめて単純な(何の代わり映えのしない)筋書なのに、これほどまでに見事な舞台を作り出せるのは、役者それぞれの「演技力」「チームワーク」の賜物というほかはない。その「演技力」の源が、座長・鹿島順一の生育史にあることは当然至極、彼ほど「育ての親のありがたさ」を実感・肝銘している役者はいないかもしれない。加えて素晴らしいことは、蛇々丸を筆頭に座員の面々が(裏方、照明係にいたるまで)、座長の「演技力」に心酔、各自の「実力」として「吸収」「結実化」しつつあるという点であろう。ところで、件の名文句にあった「オサンタイラノヒモトケテ」とは、どのような意味だろうか、その謎もまた、この芝居の魅力なのだ・・・・〉。さて、今日の配役は、間借り人の夫が蛇々丸から三代目鹿島順一に、電電公社社員(今回は関西電力社員)の鹿島虎順が赤胴誠に、アヒルの子・君子が生田春美から幼紅葉に、それぞれ変わっていたが、結果はベスト、魅力も倍増して、前回・前々回よりも「数段上」の出来映えであった、と私は思う。蛇々丸の夫役は、どこかエキセントリック(偏執狂的)な風情が「売り」であったが、三代目鹿島順一は、あくまでオーソドックス、真っ向勝負の「ヤキモチ」風情が際だっていた。「新婚ホヤホヤ」なら当然といった(清純な)空気が漂い、それが、下請け会社員夫婦と社長の不穏な「しがらみ」を浄化する。蛇々丸は、役者としては「男盛り」の三十代、三代目鹿島順一はまだ二十歳の「若造」、タバコを(会社員・甲斐文太から)借りながら、(したたかに)2本耳に挟む仕種も、どこかぎこちなかったとはいえ、さればこそ、その初々しさが(私には)たまらなく魅力的であった。さらにまた、十八年間も夫をだまし続けた「おかあちゃん」役の春日舞子と「社長」役の花道あきらの(無言の)「絡み」は、一段と鮮やか、それにアヒルの子・君子の可憐さ、「おんどり」役・甲斐文太が醸し出す絶品のユーモアとペーソス、(頓狂な)電力会社員に扮した赤胴誠、(艶やかな)新妻役・春夏悠生の風情も添えられて、劇団員一人一人が、文字通り「適材適所」で描出する名舞台に仕上がっていた。お見事!、さて、お次は・・・、「春木の女」「噂の女」「命の賭け橋」「新橋情話」等々と、身勝手な期待を胸に抱きながら、帰路に就いた次第である。
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(1996/08/21)
岸谷五朗、水橋文美江 他

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