META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「仇討ち絵巻・女装男子」の名舞台》
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2023-08-10

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「仇討ち絵巻・女装男子」の名舞台》

【鹿島順一劇団】(座長・三代目鹿島順一)〈平成22年8月公演・大阪豊中劇場〉
芝居の外題は「仇討ち絵巻・女装男子」。私はこの狂言を1年4ヵ月前(平成21年5月)に、九十九里太陽の里で見聞している。以下は、その時の感想である。〈芝居の外題は、「仇討ち絵巻・女装男子」。開幕前のアナウンスは座長の声で「主演・三代目鹿島虎順、共演・《他》でおおくりいたします」だと・・・。何?「共演《他》」だって?通常なら、「共演・花道あきら、春日舞子・・・。」などと言うはずなのだが・・・?そうか、どうせ観客は宴会の最中、詳しく紹介したところで「聞く耳」をもっていない、言うだけ無駄だと端折ったか?などと思いを巡らしているうちに開幕。その景色を観て驚いた。いつもの配役とは一変、これまで敵役だった花道あきらが・謀殺される大名役、白装束で切腹を強要される羽目に・・・。加えて、その憎々しげな敵役を演じるのが、なんと座長・鹿島順一とは恐れ入った。「これはおもしろくなりそうだ」と思う間に、早くも観客の視線は舞台に釘付けとなる。筋書きは単純、秋月藩内の勢力争いで謀殺された大名(花道あきら)の遺児兄妹(三代目虎順・春夏悠生)が、めでたく仇討ちをするまでの紆余曲折を、「弁天小僧菊之助」もどきの「絵巻物」に仕上げようとする趣向で、見せ場はまさに三代目虎順の「女装」が「男子」に《変化(へんげ)する》一瞬、これまでは虎順と花道あきらの「絡み」だったが、今日は虎順と座長の「絡み合い」、どのような景色が現出するか、待ちこがれる次第であった。だがしかし、「見せ場」はそれだけではなかった。遺児兄妹の補佐役が、これまでの家老職(座長)に変わって、今回は腰元(春日舞子)。亡き主君を思い、その遺児たちを支える「三枚目」風の役どころを、春日舞子は見事に「演じきった」と思う。加えて芸妓となった妹と相思相愛の町人・伊丹屋新吉(蛇々丸)の「色男」振り、敵役の部下侍(春大吉、赤胴誠)のコミカルな表情・所作、芸妓置屋のお父さん(梅之枝健)の侠気、妹・朋輩(生田晴美)の可憐さ等々・・・。絵巻物の「名場面」は枚挙にいとまがないほどであった。
なるほど、「舞台の見事さ」に圧倒されたか、客筋が当たったか(今日の団体客は、飲食をしなかった)、客席は「水を打ったように」集中する。いよいよ「女装男子」変化(へんげ))の場面、若手の芸妓が見事「若様」に変身して、仇討ち絵巻は大団円となった。その「変化ぶり」は回を追うごとに充実しているが、欲を言えば「女から男への」一瞬をを際だたせるための演出、芸妓の「表情」が、まず「男」(の形相・寄り目でもよい)に変わり、敵役を睨み付ける、呆気にとられる敵役との「瞬時のにらみ合い」、その後、「声を落とした」(野太い)男声での「決めぜりふ」という段取りが完成したら・・・、などと身勝手な「夢想」を広げてしまった。
さすがは「鹿島順一劇団」、どんなに不利な条件下であっても、「やることはやる」、しかも一つの芝居を、いかようにも「変化」(へんげ)させて創出できる、その「実力」に脱帽する他はなかった〉。さて、今回の配役は、名優・甲斐文太(前座長・二代目鹿島順一)が、冒頭で謀殺される大名、色男・伊丹屋新吉の二役、他は「変わりなし」であった。前回同様、今回も「見せ場」は至る所に散りばめられていたが、その一は、女装男子に扮した三代目座長・鹿島順一、当初から「自分は男である」ことを仄めかす表情、所作を取り入れていた。置屋に尋ねてきた腰元(春日舞子)と対面する「一瞬」、敵役大名と連れだって退場する際の「舌だし」等など、その風情が「格別」に決まっていた、と私は思う。その二は、腰元・春日舞子と伊丹屋新吉・甲斐文太の「絡み」。腰元、新吉をしげしげと見つめていわく「そちらの方は、どちら様?」「はい、伊丹屋新吉と申します」。「まあ、イタンダ新吉さん」「いえ、イタンダではございません。イタミヤ!でございます」「そうですか、二代目鹿島順一といえば昔は、それはそれはいい男だったのに・・・」「いえ、今でもイタンデはおりません」といったやりとりが、ことの他、私には「楽しく」感じられた。その三は、敵役大名が「女装男子」と退場後、部下・春大吉と赤胴誠が引っ込む間面、誠いわく「ねえ、お手々とって!」、待ってました!、拍手喝采のうちに退場となる舞台模様は貴重である。その四は「弁天小僧菊之助」の俗曲にのせて展開する「舞踊風立ち回り」、その艶やかな景色は「絵巻物」然として、私の心中にいつまでも残るだろう。あらためて「名舞台をありがとう」と感謝しつつ帰路に就いた次第である。
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