META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「木曽節三度笠」の名舞台》
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2023-09-05

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「木曽節三度笠」の名舞台》

【鹿島順一劇団】(三代目鹿島順一)〈平成22年8月公演・大阪豊中劇場〉
芝居の外題は「木曽節三度笠」。私はこの狂言を1年半前(平成21年3月)、川崎大島劇場で見聞している。その時の感想は以下の通りであった。〈芝居の外題は「木曽節三度笠」。筋書は大衆演劇の定番、ある大店の兄(花道あきら)と弟(三代目虎順)が、使用人(?)の娘(生田春美)を争奪しあうというお話。実はこの弟、兄とは腹違いで、今は亡き大店の主人(兄の父)の後妻になった母(春日舞子)の連れ子であった。行き倒れ寸前の所を母子共、大店の主人に助けられ、今は兄弟で大店を継いでいる様子・・・。弟は娘と「相思相愛」だったが、兄が横恋慕、弟は母の進言に従って娘をあきらめる覚悟、でも娘は応じない。兄は強引にも娘と「逢瀬」を楽しもうとして、土地のヤクザ(親分・座長、子分・蛇々丸、春大吉、梅之枝健、春夏悠生、赤銅誠)にからまれた。その場に「偶然居合わせた」弟、兄・娘を守ろうとして子分の一人(たこの八・春夏悠生)を殺害、やむなく「旅に出る」。そして1年後(あるいは数年後)、ヤクザの「股旅姿」がすっかり板についた弟(実はナントカの喜太郎)が帰宅、土地のヤクザに脅されていた母、兄・娘を窮地から救い出して一件落着。「時代人情剣劇」と銘打ってはいるが、眼目は、亡き主人にお世話になった母子の「義理」と、親子の「情愛」を描いた「人情芝居」で、三代目虎順の「所作」「表情」が一段と「冴えわたってきた」ように感じる。「口跡」は、まだ単調、「力みすぎ」が目立つので、「力を抜いてメリハリをつけること」が課題である〉。さて、今日の舞台の出来栄えは?娘役が生田春美から春夏悠生に代わった、ヤクザの子分・蛇々丸が脱けた、という移り変わりはあったが、もともと春夏悠生は生田春美の先輩格、蛇々丸の「穴」は、春大吉が「難なく埋める」、加えて三代目虎順は今では座長を襲名、当時の課題であった「口跡の単調さ」「力みすぎ」は見事に克服されていた、といった按配で、1年半前とは比べものにならないほど「艶やかな」舞台に仕上がっていた、と私は思う。一番の見せ場は、土地のヤクザに娘(今では義兄の女房)を拉致されてパニック状態に陥った義兄たちを尻目に「お取り込み中のようではござんすが、あっしには関わりのないこと、これで失礼いたします」と立ち去ろうとする弟・喜太郎に向かって、母が差し出す義父の位牌、それを目にした瞬間、心中は動揺、日頃から「大恩あるお方のためなら、命を捨てても惜しくない」という母の教えを忠実に守ろうとする喜太郎の「風情」から、位牌に象徴された亡父の恩愛がひしひしと伝わってくるという趣きは「天下一品」であった。また、被害者意識丸出し、小心で身勝手な兄の「憎みきれない憎らしさ」は、この芝居の要、利己に走る人間の有様を見事に描出する花道あきらの「実力」も見逃せない。私たちの心に巣くう「煩悩の根源」を、さりげなく代弁しているからである。大詰めの見せ場は、娘を取り戻しにやって来た弟に向かって言い放つ土地の親分(甲斐文太)の一言、「おい喜太郎、お前はいったい何しにキタロウ!」。それを聞いて子分一同がずっこける。興が乗れば親分までもずっこけるといった趣向は「粋の極致」、悪が栄えたためしはないことを心底から納得できる場面なのである。今日もまた、心ウキウキ、快哉を叫んで帰路に就くことができたのであった。




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