META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「源太しぐれ」、座長「ちょい役」の意味》
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2023-01-04

劇団素描・「鹿島順一劇団」・《芝居「源太しぐれ」、座長「ちょい役」の意味》

【鹿島順一劇団】(座長・鹿島順一)〈平成21年1月公演・つくば湯ーワールド〉    芝居の外題は「源太時雨」。配役は、主役の源太・春大吉、その親分・蛇々丸、盲目の浪人・三代目虎順、その妻・春夏悠生という顔ぶれであったが、肝腎の座長・鹿島順一は悪役の親分(蛇々丸)に「おい、野郎ども! やっちまえ!」と呼ばれて、幕切れ直前に登場する、「野郎ども」(その他大勢の「ちょい役」)に甘んじる。ここらあたりが、この劇団の「実力」というものであろう。どこの劇団でも、座長が「その他大勢」の「ちょい役」ですませられるところはない。わずかに、「春陽座」の初代座長・澤村新吾が「ちょい役」に回ることがあるくらいである。「鹿島順一劇団」の実力は、座長が「ちょい役」に回っても、その他の座員だけで「十分に見応えのある」舞台を作り出せる点にあるのだ。「みんなが花形」「みんなが主役」「芝居はみんなで作るもの」といった理念にもとづいて、それが言葉だけでなく、いつでもどこでも「具現化」できることが素晴らしいのである。筋書は、大衆演劇の定番、行き倒れになった盲目の浪人とその妻、二人の間にできた乳飲み子を救ったのは土地の親分、しかし、それは形ばかりで、実はその妻と密通、ひそかに浪人を「消してしまおう」というもくろみ。恰好の人物として白羽の矢をたてられたのが、子分の「源太」、五両の礼金で「仕事」を請け負った。出かけようとすると浪人の妻が言う、「あの、赤ん坊も一緒に殺っておくんなさい」。「えっ?何ですって」と耳を疑う源太、しかし「子ども料金もいただけるなら・・・」と同意する。かくて、眼なし地蔵の前、源太の「盲目浪人・父子殺しの場」が現出するはずであったが、赤子の「火の付くような泣き声」に押されて、どうしても太刀が下ろせない。その泣き声は「チャンを、殺らないで!」(武家風に言うなら、「お父上をお助けください!)というように聞こえた、という。その「感性」こそが、この芝居の眼目に他ならないが、若手・春大吉の「所作」「表情」は、源太の「改心」を見事に描出していた、と思う。源太は浪人父子に五両まで手渡して解放、野良犬を斬り捨てて、刀の証拠作り、親分からさらに五両せしめる「したたかさ」、刀と着物を返せという親分に「怪談話」をでっちあげて「震え上がらせる」ドタバタ場面が「絵」になっていた。悪役が「途端に三枚目化する」蛇々丸の「至芸」は、相変わらずの出来栄え、しかも今回は妻・春夏悠生の風情に「変化」が出てきた。「冷酷」さのなかに「悔恨」の雰囲気を醸し出せれば申し分ないのだが・・・。
盲目浪人の目が明き、源太とともに、めでたく「間男成敗」の場面で、この「勧善懲悪」劇(秀作)は終幕となったが、ふりかえってみれば、春大吉、三代目虎順、蛇々丸、春夏悠生の四人だけで十二分の「舞台作り」ができてしまった、背後には座長、春日舞子、花道あきら、梅之枝健といった「そうそうたるメンバー」が控えているにもかかわらず、という点が「ものすごい」(この劇団の実力のすごさ)、と私は思う。
 舞踊ショーに登場した新人、赤胴誠、春夏悠生、生田春美の「成長」「変化」にも、目を見張るものがある。何よりも、舞台での「立ち姿」、「所作」一つ一つの「基礎・基本」が身につきつつある点が、たのもしい。「形は形」なのだが、「形だけでない形」(形に込められた気持ち)を学ぶことが、今後の課題だと思われる。彼らは、まさに「発展途上」、ますますの「成長」「変化」「おお化け」が楽しみである。



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